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悪い言語哲学入門 ちくま新書1634
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悪い言語哲学入門 ちくま新書1634

和泉悠(著者)

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悪い言語哲学入門 ちくま新書1634

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2022/02/09
JAN 9784480074553

悪い言語哲学入門

¥605

商品レビュー

3.6

23件のお客様レビュー

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2024/10/17

「なぜ悪口は悪いのか」を切り口に、意味の外在主義とか言語行為論とかを噛み砕いて紹介してくれる本。読み易くしよう、かつ言語哲学の楽しさを伝えよう、という熱意が感じられた。 Jap呼びは「真理条件的内容としては同等だが、使用条件的内容として集団的な序列関係が組み込まれている」から差別...

「なぜ悪口は悪いのか」を切り口に、意味の外在主義とか言語行為論とかを噛み砕いて紹介してくれる本。読み易くしよう、かつ言語哲学の楽しさを伝えよう、という熱意が感じられた。 Jap呼びは「真理条件的内容としては同等だが、使用条件的内容として集団的な序列関係が組み込まれている」から差別語になるのだね

Posted by ブクログ

2024/08/30

友人の本棚にあったので読了。 「なぜ悪口は悪いのか」という視点から言語哲学について考える本であり内容も知っていて損はないことばかりでとても面白かった。読了感が誰かにディスられた時、「そもそもなんで自分は言われた言葉に腹を立てているのか」と変に冷静になった時の思考を更に拡張させたよ...

友人の本棚にあったので読了。 「なぜ悪口は悪いのか」という視点から言語哲学について考える本であり内容も知っていて損はないことばかりでとても面白かった。読了感が誰かにディスられた時、「そもそもなんで自分は言われた言葉に腹を立てているのか」と変に冷静になった時の思考を更に拡張させたような感覚に近く、言われたことの問題は解決せずとも自分の中で何かが勝手に納得する時のようで意味不明だがスッキリした。

Posted by ブクログ

2024/07/27

悪口を例にした言語哲学の入門。 「なぜ悪口は悪いのか?」 「そしてときどき悪くないのか?」 「どうしてあれがよくてこれがダメなのか?」 こうした問い、ある表現や言葉が悪くなったり悪くなくなったりする原理を、言語哲学の概念を使いながら解き明かしてくれる。(あまりよいことではない...

悪口を例にした言語哲学の入門。 「なぜ悪口は悪いのか?」 「そしてときどき悪くないのか?」 「どうしてあれがよくてこれがダメなのか?」 こうした問い、ある表現や言葉が悪くなったり悪くなくなったりする原理を、言語哲学の概念を使いながら解き明かしてくれる。(あまりよいことではないが)悪口は、軽いものから重いものまで、身の周りに溢れているので、実感を持って難しい哲学的な概念についても理解することができるし、そうした概念を通して身の周りの悪口についての理解も深まるので、とても面白い。より専門的に勉強したい人向けに、巻末にブックガイドもある。 おわりにまとめてある「あるべきでない序列関係・上下関係を作り出したり、維持したりするから」悪口は悪いのだという結論が、個人的にはすっきりとして納得のいく答えだった。 つい先日、中学生の女の子が「顔面土砂崩れ」というあだ名をつけられたのだが、本人的には嫌ではないから別にいいと言っていたことを読んでいて思い出した。よく「いじり」と「いじめ」の境目は何かといった話があるが、こうしたときに、本人が良ければいいじゃないかという意見は、よく見かけるように思う。「顔面土砂崩れ」と呼ばれた彼女も、自分はいいと言っているが、この本のまとめから考えると、やっぱりだめなんじゃないかと思う。 著者の結論から言えば、彼女が、それを自分は別に気にしないからという理由で認めてしまえば、そこに「あるべきでない序列関係」がおそらく生まれる。だから、これは「悪い」のだと言える。 たとえ彼女がよかったとしても、それを許してくれる女の子が一人いたということが、言ってもいいことなんだという事例を作ってしまう。この本7章と8章では、名詞化とヘイトスピーチがテーマになっているが、やがて、そうした事例は、クラスの中で「女の子」という集団を下に見ていいという雰囲気を作りかねないのかもしれない。 あだ名や悪口は、ただ単純に本人の気持ちの問題ではなく、やはり、口にされた言葉が何をもたらすのかから評価されなくてはいけないということを改めて思った。 著者も言っていることだけれども、言語哲学という分野に興味のある人が入門するための本としても、もっと直接的に「悪口」と呼ばれる表現にモヤモヤを持っている人が「悪口」について考えるきっかけにする本としても読める。そして、ここで言われている問題は、上の自分の体験のように、誰にとっても心当たりのある、切実な問題なのではないかと思う。 そんな言葉の問題について一度でも切実に考えようと思う人には、十分おすすめできるいい本だった。

Posted by ブクログ

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