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竜血の山
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2022/01/19 |
JAN | 9784120054921 |
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竜血の山
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商品レビュー
4.1
18件のお客様レビュー
重厚感あふれる物語なのに、なかなかページをめくるスピードが上がらず‥。多分、希望を見出せない暗い内容の所為? それでも岩井圭也作品は、知らぬ間に骨太な世界に引きずり込む"中毒性"を有している気がします。もしかしたら私、自称岩井中毒患者の一人かも‥。 物語...
重厚感あふれる物語なのに、なかなかページをめくるスピードが上がらず‥。多分、希望を見出せない暗い内容の所為? それでも岩井圭也作品は、知らぬ間に骨太な世界に引きずり込む"中毒性"を有している気がします。もしかしたら私、自称岩井中毒患者の一人かも‥。 物語は昭和13年から始まり、豊かな水銀鉱床を抱く北海道東部の未踏に近い山系で暮らしていた、水銀への耐性を持つ<水飲み>と呼ばれた一族の、30年間の壮大な物語です。 読み進めるほどに、歴史小説、人間ドラマ、ファンタジー、ミステリーなど、物語に内在する多くの側面に気付かされます。よく言えば「宝庫」で、私は楽しませてもらいました。 ただ、人によっては「盛り込み過ぎ」で、もっと焦点化しては?と受け取られるかもしれません。 さらに、女にだらしなく腑抜けな主人公・アシヤ。おそらく共感を得られにくいし、感情移入も難しいでしょう。 しかし、戦争や水俣病などの時代と社会情勢の波に翻弄されながら、銀採掘の盛衰を背景に、そこでしか生きられない者の運命・生き様を、鮮やかに描き切っています。 根幹テーマが「水銀鉱山」なのは間違いありません。他に利用され、自ら毒性をもつ水銀‥。アシヤは、30年で役目を終えたフレシラ<赤い岩>の山の象徴なんですね。心温まりはしませんが、アシヤの人生を丹念に描くことこそが、"竜血の山"を描くことだったのだと解釈しました。 昭和の時代の変遷を鋭く観察し、劇的な展開を示してくれた岩井さんの筆致に圧倒されました。 千早茜さんの、石見銀山を題材にした直木賞受賞作『しろがねの葉』を思い出しました。本作と同じ年(2022)の刊行だったんですね。時代背景・内容は違えど、濃密さは相通じるものがある気がします。岩井圭也さんの未知の骨太小説、盲点でした!
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日本にはさまざま鉱山の歴史がある。時代は昭和初期から北海道東部の水銀鉱山の歴史を壮大に追った大河作品。毒性の高い水銀。水銀への耐性がある「水飲み」一族と、鉱山に魅せられた男たちの挫折と嫉妬、そして差別。時代に翻弄されていく一人の青年の壮絶な生きざまが描かれていました。
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昭和の水銀鉱山が舞台。ファンタジー要素がテーマに深く関わりますが、戦時中と戦後の水銀需要、水銀鉱山と水俣病など、事実も散りばめられていて不思議とリアリティのある読み心地。 終わり方がとても美しい。好き。 でも登場人物たちがあまり好きになれるタイプではなく星4つ。
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