竜血の山 の商品レビュー
水銀に耐性があり、特殊な体質を活かして水銀鉱山で働く主人公。 とあることから、水も食料もない場所で何日も過ごす羽目になるも、水の代わりに水銀をごくごく飲んで生き延びてしまう。 主人公と一族の設定はファンタジーのよう。 さらに殺人事件は起きるし、閉鎖的な怖さは村ホラー。 戦争や公害...
水銀に耐性があり、特殊な体質を活かして水銀鉱山で働く主人公。 とあることから、水も食料もない場所で何日も過ごす羽目になるも、水の代わりに水銀をごくごく飲んで生き延びてしまう。 主人公と一族の設定はファンタジーのよう。 さらに殺人事件は起きるし、閉鎖的な怖さは村ホラー。 戦争や公害がからんで社会派要素も。
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読みごたえがあって、引き込まれました! 昭和を改めて考える作品。 ファンタジー要素?もありますが 荒唐無稽とは言い切れない重みを感じるというか… とても、読んでよかった作品です。 ただ…主人公のアシヤには あまり感情移入できなかったなぁ。 『しろがねの葉』の銀山を思い出しました...
読みごたえがあって、引き込まれました! 昭和を改めて考える作品。 ファンタジー要素?もありますが 荒唐無稽とは言い切れない重みを感じるというか… とても、読んでよかった作品です。 ただ…主人公のアシヤには あまり感情移入できなかったなぁ。 『しろがねの葉』の銀山を思い出しました。 強い意志をもってそこで生きる者と 外から不本意に支配され、流される者と その違いもあって、一族の者達が悲しい。 また、この作品を読んでいて浮かぶのが 子供の頃に使っていた体温計。 間違って割ってしまって 零れた水銀の玉が光っていたこと。 岩井さん、また別の作品も読みたいです!
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これは水銀鉱山と生きた者たち、そして水銀に翻弄された者たちの物語である ブク友さんにも〈酒飲み〉は多いと思います 例えば、カエルのアイコンさんとか 私は〈酒飲み〉ではありません お酒は嫌いです けど、〈水飲み〉です 仕事柄水はよく読みます だけど、飲む水はウォーターの方...
これは水銀鉱山と生きた者たち、そして水銀に翻弄された者たちの物語である ブク友さんにも〈酒飲み〉は多いと思います 例えば、カエルのアイコンさんとか 私は〈酒飲み〉ではありません お酒は嫌いです けど、〈水飲み〉です 仕事柄水はよく読みます だけど、飲む水はウォーターの方です なので、本物の〈水飲み〉ではありません 本物の〈水飲み〉は水銀を飲む者のことです 水銀は猛毒です 蒸気を吸い込めば立ちどころに病んでしまう だが、本物の〈水飲み〉は生まれながらに水銀への耐性をもっているので問題ない 本物の〈水飲み〉に憧れて、私も試しに水銀を飲んでみました だって、水銀ってちょっと美しいでしょ 美味しそうに見えるでしょ そしたら、やっぱりダメでした ちょっと言うか…、だいぶ気分が悪いです なのでレビューは終わります
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
岩井圭也2冊目。有機水銀と無機水銀って違うのね。てか水銀って自然界で液体のまま存在してるんだ、とか知らないことばかり。 主人公の一族は完全なフィクションの存在だけども、取り巻く周辺設定がよく調べてあるんだな、と緻密なもので本当にいたかも?とも思えちゃう。 ちょっと主人公の不甲斐なさが周りに悪影響すぎて、読んでいてしんどかったけど、それでも源一とアシヤ、水銀に魅入られた人たちの奇妙なつながりは良かった。 源一は最後の最後で本懐を遂げられたとも言えるのか?
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時代と水銀に翻弄された『水飲み』の話。『水飲み』とは、水銀を飲用する一族のこと。そんな彼らは、北海道の水銀鉱山で重宝される一方で、化け物として差別を受けることになります。 道東の町で、竜血と呼ばれてきた赤い砂、辰砂の石塊が発見されました。これは80%の水銀を含むもの。この発見に...
時代と水銀に翻弄された『水飲み』の話。『水飲み』とは、水銀を飲用する一族のこと。そんな彼らは、北海道の水銀鉱山で重宝される一方で、化け物として差別を受けることになります。 道東の町で、竜血と呼ばれてきた赤い砂、辰砂の石塊が発見されました。これは80%の水銀を含むもの。この発見に伴い、この地でひっそり暮らす『水飲み』一族が外の世界に知られることになります。時は昭和13年。水銀は 火薬や艦底塗料として使われ、軍需景気に沸く日本にとって需要の高い物質。水銀と触れても体調を崩さない『水飲み』たちは鉱山では有用な人材。外からも人々が集まり、静かな山が一気に活気を帯びるのですが…。 『水飲み』のアシヤを中心に、激動の年月が辿られます。軍需景気のあとの戦後不況、朝鮮戦争特需。その後に輸入自由化があり、公害病が発覚します。30年にわたる、一族とよそ者の軋轢と愛。 文字の読み書きができないアシヤの前に表れるのは、同世代の源一。源一は鉱業所長の息子で、北海道帝国大学出のインテリ。出自の全く違う二人ですが、共通して持つのは 水銀に対する畏敬と愛。二人のやり取りと距離感に、すがすがしいものを感じました。とはいえ、鉱山の歴史には悲哀が伴います。読んでいて苦しかった。 水銀は地球上にただ存在するもの。あるべき場所にある限り、それは毒でも何でもありません。それを利用するのかしないのか、利用するならどのようにするのか。それはすべて人間次第です。そうは言っても、いったん走り出した「開発」をどう制御するのか、簡単なことではありません。第一章の前、プロローグみたいな令和三年の場面。全部読み終えてから戻って、なるほど、と理解しました。かつて水銀採掘がおこなわれた場所に、負の遺産を補う事業所が立ち上がったことが記されています。地球の資源は大切にしないと、ですね。
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水銀を飲んでも中毒にならない特殊な体質を持つ〈水飲み〉一族。 この発想を思いついた岩井さんはすごい! 水銀鉱山、戦争など自分の苦手なテーマなのに、この特殊体質の〈水飲み〉のおかげで面白くて一気読み。 苦手なテーマでもこんなに面白く読みやすくしてしまう岩井さんの発想に感動してしま...
水銀を飲んでも中毒にならない特殊な体質を持つ〈水飲み〉一族。 この発想を思いついた岩井さんはすごい! 水銀鉱山、戦争など自分の苦手なテーマなのに、この特殊体質の〈水飲み〉のおかげで面白くて一気読み。 苦手なテーマでもこんなに面白く読みやすくしてしまう岩井さんの発想に感動してしまった。 普通の人間は、蒸気を吸い込むだけでも危険な水銀。でも〈水飲み〉は水銀を飲んでも何ともない。 こんなにすごい能力があれば怖いものなしに思うけど、十分な教育を受けていない〈水飲み〉の生き方にはもどかしさを感じる。 実在した1930年代のイトムカ鉱山をモデルにしたノンフィクションをベースに、ミステリー、人間ドラマなどのエンタメ性もガンガン入ってくるので全く飽きない。 特殊設定や人間関係もクドいくらいに説明が入るので、サラーっと速く読んでもどんどん頭に入る読みやすさ。 自分の知らない時代の、見たこともない土地の興味のない鉱山の話なのに、自分もその場で一緒に観ているような感覚になるから不思議だ。 そして〈水飲み〉というあり得ない設定なのに、登場人物が生きてるように感じる。 戦争の時代に翻弄されながらも必死に生き抜く鉱山で働く人たちや、公害問題なども描かれている。 最初は興味がなかった水銀に、段々と自分も魅せられていく。 水銀は子供の頃に体温計で見たような…くらいしか記憶がないのでググってみると、大量の水銀はとてもきれいで美しい。 中国の始皇帝が不老不死の薬として飲みたくなるのもわかるかも。 読み終わってからも水銀についてもっと知りたくなってググりまくった。 知らなかった分野にも興味を持たせてくれた岩井圭也さんにハマってしまった気がする。 貸出中の作品が多いので、次は『楽園の犬』に進もうかな。 またもや自分の苦手なスパイや難しそうなテーマだけど、岩井さんなら何だかいけそうな気がするのでチャレンジしてみよう!
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まことさんの本棚から 今確認したらまことさんが本作を読んでいたのは約2年前、よく2年も寝かしてたな そしてまことさんのレビューを読んで読もうと思ったことよく覚えてたな すごいなわい(結局自分) はい、水銀を飲んでも毒にやられない得意体質をもつ”水飲み”と呼ばれる一族のひとり榊...
まことさんの本棚から 今確認したらまことさんが本作を読んでいたのは約2年前、よく2年も寝かしてたな そしてまことさんのレビューを読んで読もうと思ったことよく覚えてたな すごいなわい(結局自分) はい、水銀を飲んでも毒にやられない得意体質をもつ”水飲み”と呼ばれる一族のひとり榊アシヤが辿った数奇な人生の物語であります 実際に北海道にあったイトムカ鉱山をモデルにしてるみたいね でもって水銀ですよ 古代中国では不老不死の妙薬として皇帝たちが求めて飲んだとも言われています 始皇帝やナポレオン、エドガー・アラン・ポーも飲んでいたようですね こうなってくるとみんなの興味はひとつしかないですわな はいはい分かってますよ 「水銀て美味いの?」 ですよね 本作でも、水銀に魅せられたもうひとりの主人公とも言える鉱山の所長那須野が”水飲み”であるアシヤに尋ねており、それに対してアシヤは「あれだけ綺麗なものが、まずいわけねえ」と答えています まあ実際にはただの金属なので無味だそうです なんだよ夢がないなあ!
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タイトルに山があったから借りてきましたけど、最近数ページ読むだけで眠くなってしまい読むのに時間かかってしまいました。 常温で液体として存在する水銀。そんな金属があるなんて知りませんでした。てか、むかしの体温計とかに入ってたやつですね。 水銀中毒にならない血族「水呑みの一族」の主人...
タイトルに山があったから借りてきましたけど、最近数ページ読むだけで眠くなってしまい読むのに時間かかってしまいました。 常温で液体として存在する水銀。そんな金属があるなんて知りませんでした。てか、むかしの体温計とかに入ってたやつですね。 水銀中毒にならない血族「水呑みの一族」の主人公アシヤ。人里離れた村落の山には水銀の湖があるとか。ここは彼ら一族にとっては神聖な場所。 外部から水銀鉱脈の調査でやってきた源一によって開発が余儀なくされ開花の波に押されて水銀鉱山として活気づく山。 神話の山から、アシヤも不死身の鉱夫と呼ばれる伝説の人になるのですがいつしかメッキが剝がれてゆく感じで、枯れ山になって行く。 長い夢を見ていたような感じでした。
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ファンタジーだけどリアルさもあり最期がどう迎えるか気になって気になって、、、 愚かさと純粋さとを感じながら、辿り着いた場所は幸せだったのか不幸せだったのか
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重厚感あふれる物語なのに、なかなかページをめくるスピードが上がらず‥。多分、希望を見出せない暗い内容の所為? それでも岩井圭也作品は、知らぬ間に骨太な世界に引きずり込む"中毒性"を有している気がします。もしかしたら私、自称岩井中毒患者の一人かも‥。 物語...
重厚感あふれる物語なのに、なかなかページをめくるスピードが上がらず‥。多分、希望を見出せない暗い内容の所為? それでも岩井圭也作品は、知らぬ間に骨太な世界に引きずり込む"中毒性"を有している気がします。もしかしたら私、自称岩井中毒患者の一人かも‥。 物語は昭和13年から始まり、豊かな水銀鉱床を抱く北海道東部の未踏に近い山系で暮らしていた、水銀への耐性を持つ<水飲み>と呼ばれた一族の、30年間の壮大な物語です。 読み進めるほどに、歴史小説、人間ドラマ、ファンタジー、ミステリーなど、物語に内在する多くの側面に気付かされます。よく言えば「宝庫」で、私は楽しませてもらいました。 ただ、人によっては「盛り込み過ぎ」で、もっと焦点化しては?と受け取られるかもしれません。 さらに、女にだらしなく腑抜けな主人公・アシヤ。おそらく共感を得られにくいし、感情移入も難しいでしょう。 しかし、戦争や水俣病などの時代と社会情勢の波に翻弄されながら、銀採掘の盛衰を背景に、そこでしか生きられない者の運命・生き様を、鮮やかに描き切っています。 根幹テーマが「水銀鉱山」なのは間違いありません。他に利用され、自ら毒性をもつ水銀‥。アシヤは、30年で役目を終えたフレシラ<赤い岩>の山の象徴なんですね。心温まりはしませんが、アシヤの人生を丹念に描くことこそが、"竜血の山"を描くことだったのだと解釈しました。 昭和の時代の変遷を鋭く観察し、劇的な展開を示してくれた岩井さんの筆致に圧倒されました。 千早茜さんの、石見銀山を題材にした直木賞受賞作『しろがねの葉』を思い出しました。本作と同じ年(2022)の刊行だったんですね。時代背景・内容は違えど、濃密さは相通じるものがある気がします。岩井圭也さんの未知の骨太小説、盲点でした!
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