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国宝(下) 花道篇 朝日文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
| 発売年月日 | 2021/09/07 |
| JAN | 9784022650092 |

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商品レビュー
4.6
675件のお客様レビュー
日本の伝統芸能『歌舞伎』の底知れぬ奥深さに脱帽。
2025年7月読了。
話題に成っている映画の方を先に観て、映画は映画でとても素晴らしかったのだが、3時間の尺でも『何かのダイジェスト版を見されられている』様な(話が端折られている様な)気がして、速攻で原作を読んだ。
映画を先に観ていたお陰で、登場人物の多さにも...
2025年7月読了。
話題に成っている映画の方を先に観て、映画は映画でとても素晴らしかったのだが、3時間の尺でも『何かのダイジェスト版を見されられている』様な(話が端折られている様な)気がして、速攻で原作を読んだ。
映画を先に観ていたお陰で、登場人物の多さにも関わらず名前と顔が直ぐに浮かんだのは何よりだった。そして劇場で「喰い足りない感」が有った芳醇な物語を、原作を読むことで本当に心からタップリと堪能出来た。
ただ、劇場版が笑い無しのシリアスタッチだったのに対し、原作は『笑い有り涙ありの波瀾万丈な物語』だった事が意外に感じた点だ。まぁこれだけの作品を映画化するには、ストーリーを相当にカットしなければ尺が3時間どころでは済まないことに成ったのであろうから、致し方無かったのかもしれないが、映画は映画でキチンと物語が成立していたので違和感は無かった。
本当に、吉田修一が此処まで『歌舞伎の素晴らしさ、奥深さ』を描き出せるとは思っていなかったので、その事も意外で有り、こうした伝統芸能について“がっぷり四つ”で取り組んだ文芸作品は近年早々出会えないので、その点でも最大の賛辞を送りたい。
とにかく原作と映画、両方とも「違う味合い」でありながら、どちらも楽しめた事が何よりの喜びだった(もう一回劇場行こうかな…w)。
映画は今スゴい興収に成っているそうだが、原作の方も、もっともっと多くの人に読んでいただきたい、『日本の伝統芸能の底知れぬ奥深さを堪能させてくれる大傑作』である。
左衛門佐
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
終盤にかけて周囲から孤立していく喜久雄。読みながら、自分だけが喜久雄の傍らにいるような感覚になっていった。 徳次、なんでこのタイミングなの? ペルシャ絨毯は持ってきた? ラスト25ページくらいからの、息が詰まりそうな展開。 これを超える読書に、これから先いつ出会えるかな…と、楽しみになりました。
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映画がおもしろくて、どうやら原作があり映画とはだいぶ内容が違うらしいという話を耳にして買ってきた本。 なかなかイメージしづらい歌舞伎の世界。本を読んでても、映画で見た映像が頭の中に甦る。先に映画を見てて良かったなと思った。内容もかなり映画とは異なる。ま、確かにこのボリュームを全...
映画がおもしろくて、どうやら原作があり映画とはだいぶ内容が違うらしいという話を耳にして買ってきた本。 なかなかイメージしづらい歌舞伎の世界。本を読んでても、映画で見た映像が頭の中に甦る。先に映画を見てて良かったなと思った。内容もかなり映画とは異なる。ま、確かにこのボリュームを全て映画で作るのは難しいだろうなと思った。欲を言えば三部作くらいで映画バージョンを改めて観たいが……。 まあそれはともかく、喜久雄の人生はまさに「悪魔と契約した」人生だなと思った。娘綾乃が言ったように、喜久雄が良い思いをするたびに周りが不幸になる…最終的には本人も夢と現がいっしょくたになっていくように思えた。もちろん喜久雄も良い想いだけではなく多大なる苦労もしているけれども。 個人的には、彰子の父が喜久雄を認めるところと、春江が弁天の番組に出たいという流れの幸子のセリフに泣いてしまった。春江が番組に出てその後丹波屋はどうなったのか、まで書いてくれたら嬉しかったな。冗長と思えそうなところもまた人間味があって面白かった。 ぜひ、映画を見たあと読んでほしい。
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