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ある男 文春文庫
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ある男 文春文庫

平野啓一郎(著者)

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ある男 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2021/09/01
JAN 9784167917470

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商品レビュー

3.8

525件のお客様レビュー

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2024/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あらすじに惹かれて読んでみたけど、色んな人の過去、立場、社会問題が複雑に絡み合ってて理解しながら読み進めるのに時間がかかってしまった...。 自分の身内が「〇〇人はろくでもない」「あの学校の子は不良しかいない」みたいな言い方をよくする人だったので、城戸さんのカテゴリ化する/されるのが嫌って考え方は共感したし印象に残った。 大きな属性だけでひと括りにしてここに所属してる人はこう!みたいなのって結構ありふれてるけど、ダイレクトに差別に繋がる考え方だしなるべくしないようにしたいな...結局人なんて一人一人違う生き物なので (よくTwitterで嫌われてる「主語がデカい」に通じる話かも) 自分に罪は無いのに殺人犯の息子として後ろ指指される人生、苦しすぎる。 彼を知る人の話からは良い人だったのが伝わってくるし、最後の数年が幸せそうで本当に良かった...。もし事故で亡くなってなければ、いつか自分の過去を告白して"原誠"として愛される未来もあったのかな〜原誠視点の描写は無かったから本人の考えは分からないし、墓まで持っていくつもりだったのかもしれないけど。 結局愛に過去は関係無くて、出会ってから何を積み重ねてきたかだと感じた。もし自分が愛する人の過去が他人のものだったとして、これまで過ごした時間は消えないし一緒に未来を歩んでいければいいんじゃないかな〜と思う。 重いし難しいし文体が自分の好みじゃない部分はあったけど、内容を咀嚼しながら読み進めるのが面白い一冊でした。

Posted by ブクログ

2024/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ただ忘れようとしても、忘れられないですよ。嫌な過去がある人は。だから、他人の過去で上書きするんですよ。消せないなら、わからなくなるまで、上から書くんです。」 平野さんの『私とは何か』を読んで、辛く苦しい状態も、自分を構成するたくさんの分人の一つが経験しているものにすぎない、と捉える分人主義的思想を知った。 ただ、その「辛く苦しい状態」が本人の存在を揺るがすほど大きなものであった場合、分人の一つどころか土台となってしまい、その後生じる新たな分人はどうあってもその影響を免れない。そこで必要になるのが、その土台を上書きできる別の人生、ということになる。上書きに利用できるような別の人生は当然、同様の重い過去を伴うが、その捉え方は千差万別、折り合いがつくものを得たところで落ち着くのだろう。しかし、引き受けた他人の過去を細部に至るまで慎重に反芻し言動に反映するその後の人生は、ともすれば浮き上がる自分自身の過去を必死に削いでは繕う、という作業の反復に思え、やるせない。

Posted by ブクログ

2024/09/16

差別や犯罪、社会について考えさせられるお話でした。ストーリー自体も面白く、登場人物の考えや行動がリアルで読み応えがありました。

Posted by ブクログ

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