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台北プライベートアイ
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台北プライベートアイ

紀蔚然(著者), 舩山むつみ(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2021/05/13
JAN 9784163913674

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商品レビュー

3.7

47件のお客様レビュー

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2024/09/17

毎度おなじみ高野秀行氏推薦本! 「主人公があまりに煩悩に苦しんでいて坂口安吾が私立探偵を開業して私小説にしてるのかと思うほど」と仰っていたが、自分は坂口安吾ではなく高野氏が主人公に似ていると思った。 二人とも映画や文学作品に詳しく、私生活の中では妙なこだわりがあり、ところどころ抜...

毎度おなじみ高野秀行氏推薦本! 「主人公があまりに煩悩に苦しんでいて坂口安吾が私立探偵を開業して私小説にしてるのかと思うほど」と仰っていたが、自分は坂口安吾ではなく高野氏が主人公に似ていると思った。 二人とも映画や文学作品に詳しく、私生活の中では妙なこだわりがあり、ところどころ抜けている。珍事に巻き込まれやすい。でもキメる時は、ほぼキメる! 久しぶりの小説とあってちびちび読んでいたが、とても楽しめた。小説の魅力に開眼したと言ってもおかしくない。 劇作家で大学教授の主人公 呉誠(ウーチェン)は、長年のしがらみから自らを解放すべく、台北の街外れ 臥龍街に引っ越して私立探偵業を始める。鳴かず飛ばずのスタートダッシュだったが、一つの依頼を皮切りに大事件の渦中へと巻き込まれていく…。 自分は作中の世界観に馴染むまで結構時間がかかる方で、今回も序盤ではなかなかのローペースを刻んでいた。 しかし、その「大事件」が訪れてからは、あっという間に時間の流れ方が変わった気がする。(つまり惹き込まれた) 本業はそっちのけになったけど、老呉(呉誠の事。親しい年上の相手には名前の前に「老」をつける)の推理ぶりには、きっと警察も密かに舌を巻いていたんじゃないかな。 「台北は呪いでもあり、奇跡でもある。おれは不思議に思わずにはいられない。いったいどんな力が、おれの住むこの混沌の世界を維持しているのか。いかなる魔法の緩衝メカニズムがこの水晶体のような文明を守り、危機一髪のたびに危険をすり抜けさせているのか」 『炒飯狙撃手』でも感じたが、台湾と殺人事件ってなかなか結びつかない。 実際それは、「台湾は連続殺人犯を育てる養分がない」と本書でも明らかにされている。(「蝶も逃れることができない」と言われるほどに街中監視カメラが設置されているのも、一役買っていたりして) そんな中で彗星のごとく登場した猟奇的殺人犯に、老呉をはじめ警察はどう対処していくのか…。その点も見どころの一つであろう。 作中の殺人事件同様、本書も今まで出会ったことのない「ニュータイプ」なお話だと思った。とりわけ、人物の内面に深部まで切り込んでいるのが際立っていたなー…って。作者も老呉と同じ元劇作家だから、そういう面を描くのに長けていらっしゃるのかも。 青年期にパニック障害と診断された老呉は、以降の人生を歯を食いしばりながら切り拓いてきた。しかしふと見回すと、あたり一面誰一人残っておらず、そこにいるのは老呉ただ一人。自分が傷つかないよう、自分以外の人間を否定しながら生きていた結果だ。 手にしてきた全てをかなぐり捨て、さびれた臥龍街に降り立ったわけだが、新しい出会いに触れるうちに少しずつその硬い皮が破れていく… 忘れたい過去との対峙は誰でも辛いものがある。 同じく、いや、それ以上に歯を食いしばって乗り越えようとしたのが本書だとしたら、今年5月に発売された続編(『DV8 台北プライベートアイ2』)は彼の第二の人生ってことになるのかな。 彼のことだからまた一筋縄ではいかないのだろうけど、せいぜい追っかけてやろうじゃないか!

Posted by ブクログ

2024/08/18

主人公の呉誠をはじめ、登場人物たちが何とも魅力的! 劇作家で大学教授だった呉誠は、酒席での失態をきっかけに教職を捨て、演劇界とも縁を切り、 台北の街外れに引っ越して私立探偵の看板を上げる。 (探偵としての知識は推理小説から得たという素人www) 妻にも見捨てられた、ちょっと残念...

主人公の呉誠をはじめ、登場人物たちが何とも魅力的! 劇作家で大学教授だった呉誠は、酒席での失態をきっかけに教職を捨て、演劇界とも縁を切り、 台北の街外れに引っ越して私立探偵の看板を上げる。 (探偵としての知識は推理小説から得たという素人www) 妻にも見捨てられた、ちょっと残念な中年男だ。 おまけに長年、パニック障害と付き合っている。 性格も少々面倒くさい感じだけど、お人好しで憎めないんだなぁ(笑) 友人たちもお節介で心優しく、母親はパワフル! 良いなと思ったのは、台北の街の描写が丁寧なのはもちろん、台湾人の気質や台湾社会の特徴なんかも、ちょいちょい描かれているところ。 世界の連続殺人犯ランキング、その理由と考察なども興味深い。 読み始めは、台湾人の名前や土地の名称が頭に入らなくて、なかなか物語に入り込めなかったが、途中から読むスピード急加速! ある日呉誠は、世間を騒がせる連続殺人事件の容疑者になってしまうのだが、そこからはもう面白くて面白くて、途中で止められない! 是非、続編も読まねば!(⁠ ⁠╹⁠▽⁠╹⁠ ⁠) この作品は、autumn522akiさんのレビューから面白そうと思い、手に取りました。 ありがとうございます♪

Posted by ブクログ

2024/06/20

今年のマイベストテン間違いなし 台北に新たな私立探偵が誕生しました! 最近あまり読んでなかったハードボイルドだが、改めて好きなことを再確認 主人公は二枚目ではなく中年の危機が疑われる男で、今の私に響くところが満載でした 台湾の民情も描かれているので

Posted by ブクログ

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