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脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか 岩波科学ライブラリー299
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脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか 岩波科学ライブラリー299

乾敏郎(著者), 阪口豊(著者)

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脳の大統一理論 自由エネルギー原理とはなにか 岩波科学ライブラリー299

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2020/12/24
JAN 9784000296991

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2024/09/15

脳による「意識や心」を解明する本だ。まず、脳は推論するシステムで、知覚とは無意識的推論を指すという定義から始まる。推論がキーワードだが、これは、たとえば、ハンバーガーを見ると、見ることで得られる視覚の感覚(外受容感覚)や、以前にハンバーガーを食べたときの経験から思い出される味覚の...

脳による「意識や心」を解明する本だ。まず、脳は推論するシステムで、知覚とは無意識的推論を指すという定義から始まる。推論がキーワードだが、これは、たとえば、ハンバーガーを見ると、見ることで得られる視覚の感覚(外受容感覚)や、以前にハンバーガーを食べたときの経験から思い出される味覚の感覚(これも外受容感覚)に加えて、これを食べると血糖値が上昇するという内受容感覚が過去の経験から学習され、脳内に記憶されている。こうした感覚の想起により、食べたい、という感情が起こるというものだ。 ー 他人にくすぐられるとくすぐったいのに、自分でくすぐってもくすぐったく感じない。これは、自分でくすぐったときには皮膚感覚の予測によって感覚減衰が生じることが原因で起こるらしい。自分でくすぐっているときに触覚をつかさどる大脳体性感覚野を調べても、大きい活動は見られない。逆に、他人にくすぐられるときには感覚減衰が生じないため感覚野に強い活動が見られる。 ー 統合失調症は、幻覚や妄想などの陽性症状や意欲の低下などの陰性症状が見られる精神疾患である。統合失調症の患者では、自分が行った行為であるにもかかわらず、他人にさせられたと認知する妄想、すなわち「させられ体験」が生じることが知られている。させられ体験の症状も自己主体感の喪失として解釈できる。実際、させられ体験が生じているときの脳を調べると、前節で述べた催眠誘導の場合と同様、頭頂葉に大きな活動が見られる。この現象は、健常者では自己運動時に生じる頭頂葉での感覚減衰が統合失調症患者では生じないことによるものと考えられる。つまり、感覚減衰が起こると自己主体感が生じ、感覚減衰が起こらないとさせられ体験が生じるのである。 ー 赤ちゃんがどのような行動をとるかを調べる実験。この実験では、生後11か月の赤ちゃんが110人参加した。その結果、赤ちゃんは自分が予測した内容と観察した内容の差異に敏感で、この差を新しい学習の足場として使用していることが明らかになった。すなわち、赤ちゃんは期待に反する物体を見たとき、その物体についてよりよく学び、その物体をより多く探索し、その物体の振る舞いに関連する仮説を調べたのである。 推論を修正したり、減衰させる機能が脳にはある。直感的に空腹を認識し、食べたいという感情がわけば、身体は食料を求めて動く。経験的期待により冷蔵庫を開けるが、中には何もなく、その期待外れが、残念だという感情を起こす。アロスタシスは、私たちの脳の中にあるこのような知識(生成モデル)のもとで機能している。パターン認識が複雑化されて現出される状況でなければ、案外、心の動きなどシンプルで、我々人類が勿体ぶっているだけなのかも知れない。

Posted by ブクログ

2024/07/16

一瞬オカルトな理論の話かと思っていたが、脳の仕組みを数理的に説明する野心的かつ大真面目な理論の話だった。ベイズ推論ベースの適応的制御理論のようで、非常に興味深かった。ホメオスタシスとアロスタシス。ただ2006年に生まれた理論でいかんせん新しいので、まだ理論体系の構築は途上も途上な...

一瞬オカルトな理論の話かと思っていたが、脳の仕組みを数理的に説明する野心的かつ大真面目な理論の話だった。ベイズ推論ベースの適応的制御理論のようで、非常に興味深かった。ホメオスタシスとアロスタシス。ただ2006年に生まれた理論でいかんせん新しいので、まだ理論体系の構築は途上も途上なのかなと。面白いので発展してほしい理論。ウィーナーのサイバネティックスを読んでる感覚だった。

Posted by ブクログ

2024/03/03

推論を始める時、脳はまず外環境について何らかの想定を置き、その想定が正しければこんな感覚信号が得られるのではないかという予測信号を生成する。次に、この予測信号と実際に受け取っている感覚信号を比較すると、その誤差が小さくなるように元々の想定を更新する。そして、新しい想定のもとで再び...

推論を始める時、脳はまず外環境について何らかの想定を置き、その想定が正しければこんな感覚信号が得られるのではないかという予測信号を生成する。次に、この予測信号と実際に受け取っている感覚信号を比較すると、その誤差が小さくなるように元々の想定を更新する。そして、新しい想定のもとで再び予測信号を生成して感覚信号と比較する…という計算を繰り返して、最終的に予測誤差がゼロになったときに、外環境の推定結果として知覚が得られる。 上記が脳が推論する基本原理だという。 ここまででもなるほどと思うのだが、この本が面白いのはその先で、この原理があらゆる脳の機能(ひいては身体活動)にも適応できると主張する点だと思う。 たとえば「運動」。学校では、人間の脳は「こういう運動をしろ」という指令を各器官へ出し、逆に各器官は自分が得た感覚を脳へ送るものだと習った。 しかし、先に述べた原理を適応すると次のように考えられる。 脳はまず、これからやろうとしている運動を実際に実行したときに受け取ることになるだろう信号を予測し、その「予測信号」を発する。それに対して予測誤差をなるべく最小化するように筋を収縮させる。 これが運動の正体というのである。 こうした考え方の是非については私は専門外なのでわからないが、今までの常識が揺さぶられるような感覚が味わえてとても面白く読めた。

Posted by ブクログ

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