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縁食論 孤食と共食のあいだ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ミシマ社 |
発売年月日 | 2020/11/20 |
JAN | 9784909394439 |
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商品レビュー
3.5
17件のお客様レビュー
最近、読み終わった「寄せ場のグルメ」の中に、中原一歩と藤原辰史の対談があり、勢いで「縁食論」にも手を伸ばしました。タイトルで掲げられている、ぼっちごはん「個食」と家族の食卓に代表される「共食」の間に「縁食」というキーワードをおいて、その概念のまわりの思いをつれづれに語る本でした。...
最近、読み終わった「寄せ場のグルメ」の中に、中原一歩と藤原辰史の対談があり、勢いで「縁食論」にも手を伸ばしました。タイトルで掲げられている、ぼっちごはん「個食」と家族の食卓に代表される「共食」の間に「縁食」というキーワードをおいて、その概念のまわりの思いをつれづれに語る本でした。「論」というより「エッセイ」なので、著者が現代社会にどんな違和感を持っているのか?というモヤモヤに浸る読書でした。2020年までの雑誌の連載をまとめたものなのですが、まさにコロナ禍によって、このモヤモヤがイガイガとして加速しているように思います。一方、2023年の5類後、反動のように居酒屋ではすごい盛り上がりを感じます。自分かそれ以外か…仲間かそれ以外か…著者のいう「縁」という境界線の緩やかな紐帯を食によって育むこと、わかるけど、どうやって…が読了直後の感想です。
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家庭内の孤食批判、弁当は愛、手作り料理が大事、それが母の役目、的な声を聞くことがある中、それを母にかぶせるのは酷いと言ってくれる男性がいてくれることに安心する。食べ物は生命維持装置であり、食に市場経済が介入することを危ぶみ、基本、保障されるべきこと、としていることも納得。子ども食...
家庭内の孤食批判、弁当は愛、手作り料理が大事、それが母の役目、的な声を聞くことがある中、それを母にかぶせるのは酷いと言ってくれる男性がいてくれることに安心する。食べ物は生命維持装置であり、食に市場経済が介入することを危ぶみ、基本、保障されるべきこと、としていることも納得。子ども食堂を例に、食を通した社交の可能性を探る。それは、強制的なものではなく、たまたま居合わせた人と気持ちよく食事をする「縁食」。本のはじめの方に、大学の学食でパーティションで区切って一人で食べられるようになっていることへの批判があった。大学側が率先して孤食を勧めていることへの批判だったように思うが、孤食に慣れた人には、人前での食事が苦痛で、彼らには大学側の配慮がありがたかったことだろう。かくいう私も、ご近所付き合いがつらかったり、PTAの人間関係が面倒だったり、あまり社交がうまくいかないほう。でもだから、人付き合いを避けるシステムに進めば、他者への想いや心配をしない、弱者に気づかず放置される社会になってしまうこともわかる。筆者は、鍛えられた自立した近代市民モデルが目指すべき模範になるのではなく、人間は不完全でお互いに依存し合いながら生きる存在であるという認識を前提とすべきとする。特定の仲の良い気が合う人とのつながりだけではなく、行きずりの、たまたま会った人同士のつながりが、食を通してできたら。無料の市場のようなものがあって、お金無くても誰でも食事ができるような場があったら。今の社会の何か大きな問題が少しいい方向に向くように思えた。
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「縁とは、人間と人間の深くて重いつながり、という意味ではなく、単に、めぐりあわせ、という意味である」 重いつながりを嫌い孤食を好むわたしですが、食を通じてだれかとめぐりあいたいという気持ちが自分の中に潜んでいることに気付かされました。 『孤食好き』には是非手にとってほしい一冊。
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