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感情史の始まり
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | みすず書房 |
| 発売年月日 | 2020/11/18 |
| JAN | 9784622089537 |

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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
ドイツ人研究者が、感情研究の歴史についてまとめた本。感情については昔から研究されてきたにも関わらず、強力な定説が構築されてきていない。根底にあるのは文化か普遍かから始まり、文化人類学や社会構築学、心理学や行動学、最近の脳科学につながる神経科学に至るまで、多くの研究者を悩ませてきた...
ドイツ人研究者が、感情研究の歴史についてまとめた本。感情については昔から研究されてきたにも関わらず、強力な定説が構築されてきていない。根底にあるのは文化か普遍かから始まり、文化人類学や社会構築学、心理学や行動学、最近の脳科学につながる神経科学に至るまで、多くの研究者を悩ませてきた。多くの論争が説得的ではなく示唆的と述べられているとおり、証明が難しく、実証も十分に行われてこなかった。それら感情に関する歴史を忠実にまとめた本書は、研究者にとっては有意義であると考える。感情について解明していくことの難しさを認識した。 「感情は不安定で、非本質的で、反決定論的で、社会構築主義的で、文化相対的で、文化に特有で、文化的偶然性をもつ」p7 「軽率な借用」p11 「それぞれの文化での感情の理解の仕方は非常に多様であるため、人類がみな同じように感じ、それどころか感情こそが人類を人類たらしめているといった考えは、どのみち上手くいかない」p102 「(イロンゴット族の首切り)20歳以上のイロンゴット族男性70人のうち65人が、それまでの人生のある時点で人を殺したり首を切り落とした経験があったという(1968年)」p136 「首狩りをする者にとって、自分の重荷を「投げ捨てる」ことに喜びがあるのだ。殺人や復讐ではなく、人間の首を切り落とし、それを放り投げて地面に落とすことで、彼が感じている重さが取り除かれることが、雲を追い払い彼の心に新しい生命をもたらすのである」p138 「感情についてキリスト教的思想の長い伝統が表面化で影響力を持ち続けた」p245 「人は認知的能力によってのみ賢くなるのではなく、第二級の模倣、すなわち他の賢い人について考えることによっても賢くなる」p305 「伝統的に、感情は非直線的(自由連想的、詩的、象徴的な)思考と、生理的覚醒(赤面、アドレナリンの流れ、心拍数の変化など)の両者に結び付けられてきた」p356 「(感情について)どれほどの影響を文化に帰し、どれほどの影響を根底にある普遍的な心理的要因に帰すべきか」p357 「感情史はいまだ神経科学の影響下に置かれるには至っていない」p414
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感情史の歴史〜人類学〜生命科学までは非常にわかりやすく 感情史について学ぶには良い本だと思ったのだが、最後の 「感情史の展望」の章は「感情史とは何か」の読後と同じ ような掴み所の無さを感じてしまった。原書は2012年刊行 の本であり、感情史の研究がまだ端緒についたばかりの頃と い...
感情史の歴史〜人類学〜生命科学までは非常にわかりやすく 感情史について学ぶには良い本だと思ったのだが、最後の 「感情史の展望」の章は「感情史とは何か」の読後と同じ ような掴み所の無さを感じてしまった。原書は2012年刊行 の本であり、感情史の研究がまだ端緒についたばかりの頃と いうのがやはりその原因なのかな、と。今後の研究に期待 するばかりである。 エクマンやダマシオが痛烈に批判されていて目の覚める思い だった。本に書いてあるからと無批判に受け入れ賛辞する のは問題があるのですぞ(苦笑)。
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近年注目される感情史。辞書のようなぶ厚さと細かい文字に少し怯むが、読み通す価値は十分にある。 著者プランパーは、感情史のターニングポイントが9.11同時多発テロであることを強調する。そして、感情の研究には大きく分けて、社会構築主義と普遍主義、2つの解釈があると指摘する。感情は文...
近年注目される感情史。辞書のようなぶ厚さと細かい文字に少し怯むが、読み通す価値は十分にある。 著者プランパーは、感情史のターニングポイントが9.11同時多発テロであることを強調する。そして、感情の研究には大きく分けて、社会構築主義と普遍主義、2つの解釈があると指摘する。感情は文化、社会により規定されるとする社会構築主義的解釈は、人類学のフィールドワークにより主導されてきた。他方、感情は人類に共通のものだとする普遍主義的解釈は、心理学、認知科学に基づく。 歴史家であるプランパーは、社会構築主義にやや偏りがちながら、普遍主義の価値も認め、両者を統合した先から新たな感情史の展開を試みる。 人文科学が神経科学の知見を取り入れる傾向は今後も続くことは明らかだろう。ただしプランパーは、日本でも知られるポール・エクマンやアントニオ・ダマシオを痛烈に批判しつつ、人文科学者が流行りにのせられて、玉石混交の一般向け概説書を1〜2冊読んだだけで、胡散臭い「科学的根拠」を引用する危険性を述べる。これは耳の痛い研究者もいそうな気もする。 本書は感情史の新たな展望を示す待望の書である。これまでの流れも整理できる、ありがたい一冊。
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