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白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 書肆侃侃房 |
| 発売年月日 | 2020/10/05 |
| JAN | 9784863854215 |
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白い鶴よ、翼を貸しておくれ
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
541ページの厚さのこの本を手にして、読み切られるのか?と心配したけど、そんな心配は無用でした。 アメリカ人宣教師の夫婦がチベットの奥地・ニャロンへ布教に入り、領主と仲良くなる。やがて地域に溶け込み、子供・ポールが生まれる。やがてポールは領主の子・テンガやニャロンの人々と共にゲ...
541ページの厚さのこの本を手にして、読み切られるのか?と心配したけど、そんな心配は無用でした。 アメリカ人宣教師の夫婦がチベットの奥地・ニャロンへ布教に入り、領主と仲良くなる。やがて地域に溶け込み、子供・ポールが生まれる。やがてポールは領主の子・テンガやニャロンの人々と共にゲリラとなり、中国共産党と戦う…。 僧院のラマたちの懐の広さに心が洗われます。その僧院を武力で守るかどうか、駆け引きにモヤモヤさせられます。 文化大革命の結果がどうなったのかは知っているけれど、当時の盲信ぶりが伝わってきました。(私も途中で一瞬、共産党の言い分は正しいんじゃない?と思わせられた) どこでどう折り合いをつけるのが正しいのか、どうしてニャロンの街をそっとしておいてくれないのか。もう、納得いきません。 その一方で、ニャロンの人々が伝統的に性に奔放なところや、遠い街まで略奪しに行く習慣があること、ゲリラとして残虐な行動を良しとするところなどは、複雑な気持ちになります。 読んで良かった。 習慣の違いや宗教の違いを許容する大切さを改めて考えさせられました。
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自分たちの国で自分たちの暮らしがしたい、ただそれだけ。--チベットはニャロンの戦士たちの戦う理由は実に単純明快。後半の中国共産党との戦闘は、その結果とも言える現在が現在なだけに読み進めるのが苦しくもあったが、野鄙で勇猛な彼らの生き様は眩く爽快だった。 以下の2箇所が、特に心...
自分たちの国で自分たちの暮らしがしたい、ただそれだけ。--チベットはニャロンの戦士たちの戦う理由は実に単純明快。後半の中国共産党との戦闘は、その結果とも言える現在が現在なだけに読み進めるのが苦しくもあったが、野鄙で勇猛な彼らの生き様は眩く爽快だった。 以下の2箇所が、特に心打たれた表現。 「(前略)もし国家の間に本物の敬意とでも呼べるようなものがあれば、敬意にもとづく責務から、お互いを助け合うようになるだろう。でもそうした本物の敬意がない場合は、まず守りに入ってしまうだろうね」 ※第4部(第31章) ➖➖➖ (前略)人生において本当に重要なのは勝ち負けではなく、自分たちの権利のために立ち上がること。勝ち目があろうとなかろうと関係ない。 ※第4部(第32章)
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チベットといわれると、思い浮かぶシーンがある。チベットのある仏教都市で暮らす人々(僧侶たちを含む)を追ったNHKのドキュメンタリーで、鳥葬のシーンがあったのだ。死んだ後で自分の肉体を餌として他の生命(鳥、主に禿鷹)に捧げることで、最後の徳を積むということだった。自分は死んでも、他...
チベットといわれると、思い浮かぶシーンがある。チベットのある仏教都市で暮らす人々(僧侶たちを含む)を追ったNHKのドキュメンタリーで、鳥葬のシーンがあったのだ。死んだ後で自分の肉体を餌として他の生命(鳥、主に禿鷹)に捧げることで、最後の徳を積むということだった。自分は死んでも、他の生き物の食べ物になることで、生をつなぐという考えに衝撃を受けた。 そういう考え方を見て、私は仏教徒というと、穏やかで利他的で受動的なイメージを持っていた。 ところが、以前に読んだチベットを舞台の一つとした小説の中に、チベット人は人が悪いというような記述があって混乱し、当作を読んでもあまりに荒々しく激しいチベット人の気性に更に混乱した。 よく考えてみると、大国に囲まれて、厳しい高地の自然の中に住む人たちなのだから、穏やか一辺倒ではいられないのだろう。そんなだったらあっという間に侵略されてしまうし。 で、私のイメージはあくまで偏見なのだと痛感した。そして、たいへんな困難の中でも自分たちのアイデンティティを守り通そうとするチベットの人たちを、とても誇り高い人たちだと思った。 あと、貧富の差が大きく、身分や生まれた場所で人生が決まってしまう時代にあって、中国共産党のイデオロギーってとんでもなく魅力的で、貧しい生まれの人たちを強く惹きつけたんだなと感じたし、やっぱり現実世界で理想をそのまま実現することは難しいよなと思った。
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