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ミツバチと文明 宗教、芸術から科学、政治まで文化を形づくった偉大な昆虫の物語
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ミツバチと文明 宗教、芸術から科学、政治まで文化を形づくった偉大な昆虫の物語

クレア・プレストン(著者), 倉橋俊介(訳者)

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ミツバチと文明 宗教、芸術から科学、政治まで文化を形づくった偉大な昆虫の物語

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 草思社
発売年月日 2020/09/25
JAN 9784794224712

ミツバチと文明

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商品レビュー

3.3

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2025/01/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

 図書館で見かけてからなんとなくずっと気になっていた本。虫や動物がただそのものの本能に従って生きているさまを、人間がどのように解釈し人間の文化と勝手に紐づけて、それらを寵愛、もしくは迫害してきたのか。いっそ滑稽ですらある様子が面白い。本当に人間ほど自分勝手な生き物はいないと思う。  ミツバチの社会性と政治の結びつきやキリスト教との関係。人間によって生み出されたアフリカナイズドミツバチによる「悪しきミツバチ」のイメージと、映画における脅威としてのハチの登場。はたまた、ミツバチが養蜂だけでなく花粉媒介者として農業でも大いに人間に活用されていること。死骸から生まれると信じられてきた伝承を筆頭に、数々の誤解やその歴史。それぞれ興味深くはあるものの、自分の身に落ちてこず「ふーん」という感じ。本書の導入にあったように、ミツバチ文化は主に西洋で繁栄したものなので、自然非西洋についての記述はあまりなく、身近に感じられなかったからだろうと思う。せっかく読んだのに内容忘れそう、、、  ただ、集合体としての巣を拡大するためだけに存在するミツバチと、組織的になるほど個人の自由が制限されていく人間社会の類似性の指摘にはドキッとさせられるものがあった。味わうことのない蜂蜜と生むことのない子のために死ぬまで働くミツバチのように、私たちも知らず知らず、個人の幸不幸を犠牲にしてこの社会を維持しようという仕組みの一部に取り込まれていないだろうか。 1.ミツバチと人類 人類との出会い/ミツバチに見いだされる多様なイメージ/ 雄弁と不死の表象/群れとしての存在/詩的言語への還元 2.ミツバチ、その驚くべき生態 ハナバチが社会性をもつのはごく一部の種/ミツバチの身体性/慎ましやかな食性/複雑な社会組織/職能分化の仕組み 3.養蜂の人類史 養蜂の始まり/巣作りの解明/巣箱の発展/ミツバチの生体研究/化学者としてのミツバチ/蜂蜜の消費/花粉媒介者として 4.政治的イメージの源 美徳の大国/隠喩の古典、『農耕詩』/ミツバチは本当に政治的か?/より身近な政治的寓話/地域・時代によるバリエーション 5.敬虔と堕落の間 貞淑の鑑/信者とミツバチ/ミツバチの受難/ミツバチの罪/死骸より生まれ出るもの 6.ミツバチの経済 蜂蜜の経済価値/「ミツバチ製品」の多様な利用 7.アートにおけるミツバチ 「ミツバチデザイン」建築の極北/芸術作品におけるミツバチ/有名な「ミツバチダンス」の発見/ミツバチの歌と音楽 8.伝承の中のミツバチ ギリシャ時代からの伝承/預言するミツバチ/モルモン教の約束の地/伝承のウソ・ホント 9.歌うミツバチ、刺すミツバチ ディキンソンのミツバチ/ミツバチ理解と大衆化/シニカルなミツバチ 10.「悪しきミツバチ」誕生と近現代 ミツバチ批判の起源としてのロマン派/「暴力的なミツバチ」への変遷/近代におけるミツバチの善性/「悪しきミツバチ」の登場/映画における脅威としてのハチ/アフリカ化したミツバチとメディアの意外な関係/善なるミツバチ表象の回復 11.消えゆくミツバチ 隠居とミツバチ/原因不明の大量失踪/地球の生を象徴する/人類史に生き続ける

Posted by ブクログ

2022/06/07

ミツバチの小さな社会生活は魅惑的で、人々を惹きつけてやまない。 海外ではお庭で養蜂する人も多いみたいですし。 我が身に置き換えて、勤勉は素晴らしい、とするか、自己よりも社会貢献を優先するしかないなんてウンザリ、とするか??

Posted by ブクログ

2021/06/19

社会的な生態を持つことから擬人化され、古代から政治や宗教の世界で寓意に使われてきたセイヨウミツバチ。人類がミツバチに託してきたイメージの歴史を追う。 擬人化を通り越し、ユートピア的な社会のありようとして理想化されていたミツバチたち。確かに、食料を自分で作り、家を建てる材料(蜜...

社会的な生態を持つことから擬人化され、古代から政治や宗教の世界で寓意に使われてきたセイヨウミツバチ。人類がミツバチに託してきたイメージの歴史を追う。 擬人化を通り越し、ユートピア的な社会のありようとして理想化されていたミツバチたち。確かに、食料を自分で作り、家を建てる材料(蜜蝋)も体内で製造、敵をやっつける針と毒まで自前で、群れの統率もバッチリ取れたミツバチは生き物として超優秀。そんなミツバチからずっと蜜を横取りしてきた人類の罪滅ぼしかどうかは知らないが、ミツバチは動物寓意学のなかでもずっとポジティブなイメージを担ってきた。 だがそれは為政者に都合のいい民衆のイメージを押し付けるものでもあった。教会や王侯貴族層は〈勤勉〉の象徴であるミツバチを理想に掲げ、市民をコントロールするのに利用してきたが、産業革命によって趨勢が変わる。工場での労働と大都市のイメージが蜂の巣と結びつけられ、ミツバチの勤勉さは〈無個性〉と〈人間性の剥奪〉を表すものへと変わっていく。 かろうじて残っていた〈従順〉なイメージもやがてひっくり返る。そのきっかけは、気性の荒いアフリカ産ミツバチとセイヨウミツバチをかけあわせた種がアメリカで野生化し、「キラービー」と恐れられたことにあるというから面白い。群れをなして人を襲うミツバチは新たに〈怒れる群衆〉のイメージを託され、パニック映画がたくさん作られた。 18世紀にハチの群れの構成員の大半がメスだとわかると、それを認めたがらない研究者もいたというのは聞いたことがあった。本書を読むと、メスが支配層にいるのが嫌だというより、それまでさんざん怠け者扱いし、社会から排除されるべき邪魔者のイメージを押しつけていたグループが、群れで唯一のオスだという事実が受け入れられなかったんじゃないかと心中お察しした(笑)。過度の擬人化は禁物である。

Posted by ブクログ

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