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すごい物理学入門 河出文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2020/09/08 |
JAN | 9784309467238 |


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すごい物理学入門
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商品レビュー
4.1
26件のお客様レビュー
以前、本書の著者であるカルロ・ロヴェッリの『時間は存在しない』に非常に感銘を受け、他の著作も読んでみたいと思っていたので、物理学についての入門書である本書なら気軽に読み進められそうだと思い購入。 『時間は存在しない』もそうだったように、本書を読み始めてまず感じるのは、その文体の...
以前、本書の著者であるカルロ・ロヴェッリの『時間は存在しない』に非常に感銘を受け、他の著作も読んでみたいと思っていたので、物理学についての入門書である本書なら気軽に読み進められそうだと思い購入。 『時間は存在しない』もそうだったように、本書を読み始めてまず感じるのは、その文体の読みやすさである。 相対性理論や量子力学も含めた最新物理学について、7つの章(講義)に分け、どんな読者でも理解できるように優しく(時には詩的に)語りかけてくるのだ。 巻末の訳者あとがきにもあるように、本書は2015年にイタリアの出版界のベストセラーランキングにおいて(科学書カテゴリではなく)総合1位を獲得したというのも頷ける。 第6回講義では、太古の昔から哲学者や物理学者の間で議論され、自分も以前から関心のあった"時間"について述べられている。 特に「過去」と「未来」に関して、著者はボルツマンの熱力学の見地から「過去と未来の間の違い(未来と過去を区別する根本的な現象)は、熱いものから冷たいものへの熱伝導である」と言い切っており、熱力学、統計力学、エントロピー理論などについてさらに興味が沸くとともに、シンプルな結論付けはいかにも物理学者らしい見解だとも感じた。 ただ、誰もが身近に感じながらもその正体を暴くことができない"時間の流れ"については、その謎を解く鍵は熱であるとしながらも、最新物理学の理論でも明らかになっておらず、ブラックホールのメカニズムが解明されれば時間の流れとは何かが判明するだろうと述べており、このような未来へのロマンを感じさせる論調が多くの読者に受け入れられたのかもしれない。 本書は第6回講義までに、数式等を使わずに最新物理学についてわかりやすく解説されており、それだけでも一読に値するが、最後の第7回講義では、人類と自然との関わりについて、人類が抱く飽くなき知的欲求の素晴らしさ、物理学を学ぶ意義などが述べられて締めくくられている。 専門分野を基に、ただ真理を追究することに邁進する学者は数多いるだろうが、それだけでなく、大局的見地、哲学的見地、そして芸術的見地から物理学の素晴らしさや自然の美しさを世に広めることのできる著者と訳者に改めて敬意を表したい。 150ページ程度の文庫本ではあるが、物理に挫折した高校1年の時に読みたかったと心底感じた1冊であった。
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世界の見方。科学が明らかにしたこと、まだ明らかになっていないこと。 理解し切れたわけではない。少し垣間見る、直観と異なる世界、新しい視点。 ・ニュートンは、自らの導き出した結果の限界に自覚的だった。 ・ファラデーは、懐疑と熟慮の末に、力線は実在すると結論づける。しかし彼はその...
世界の見方。科学が明らかにしたこと、まだ明らかになっていないこと。 理解し切れたわけではない。少し垣間見る、直観と異なる世界、新しい視点。 ・ニュートンは、自らの導き出した結果の限界に自覚的だった。 ・ファラデーは、懐疑と熟慮の末に、力線は実在すると結論づける。しかし彼はその結論を、「ためらい」とともに提示する。というのも、ファラデーの考えによれば、「科学の根幹にかかわる問題に相対するとき」、わたしたちはつねに「ためらい」を抱くべきだから。 ・色とは、光を形づくる電磁気の波の振動数(振動する速度)である。
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難解な物理学がこの薄い本で理解できるわけがなく、雰囲気を伝えるだけの「物理エッセイ」である。そう思いながら読み進めていたら、「訳者あとがき」に「詩的に語ってみせ」とあった。本書は2015年のイタリアでベストセラーになった『七つの短い物理の授業』の翻訳で、単行本『世の中ががらりと変...
難解な物理学がこの薄い本で理解できるわけがなく、雰囲気を伝えるだけの「物理エッセイ」である。そう思いながら読み進めていたら、「訳者あとがき」に「詩的に語ってみせ」とあった。本書は2015年のイタリアでベストセラーになった『七つの短い物理の授業』の翻訳で、単行本『世の中ががらりと変わって見える物理の本』を改題して文庫化したもの。イタリアでは本書がベストセラーになるくらい物理への関心が高いと言うべきか、物理学的なリテラシーがそれほどしかないと言うべきか。 『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(森達也著)を読んだときにも思ったが、人間が人間自身を理解するのは難しい。ゆえに、最終章の人間に対する論考は抽象度が高すぎて理解できないが、気にしない。物理学の輪郭をつかむための足がかりとしよう。
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