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13・67(下) 文春文庫

陳浩基(著者), 天野健太郎(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2020/09/02
JAN 9784167915704

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商品レビュー

4.2

10件のお客様レビュー

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2023/08/06

上巻からどんどん時代を遡っていく。それによって香港を取り巻く環境がどれだけ複雑なのか、警察官の立ち位置がどう変化していったのか、わかってきたところで、最後の章。いやーまいったこれまた上巻から読み返さないとならない。めちゃくちゃ面白かった!

Posted by ブクログ

2022/09/13

文句なしの★5つ。 チャイナ小説は初めて読みましたが、おもしろかった、いや、おもしろすぎました。 香港を舞台にしたミステリーなのですが、 最初の「黒と白のあいだの真実」で死亡するクワン刑事が主人公。 2013年の事件を皮切りに、天眼とも言われる名推理を行う彼が若い警察官だった1...

文句なしの★5つ。 チャイナ小説は初めて読みましたが、おもしろかった、いや、おもしろすぎました。 香港を舞台にしたミステリーなのですが、 最初の「黒と白のあいだの真実」で死亡するクワン刑事が主人公。 2013年の事件を皮切りに、天眼とも言われる名推理を行う彼が若い警察官だった1967年まで順を追って遡る形式が取られています。 どれも精度の高いミステリーとして楽しめますが、1967年の事件の最後の4行には驚かされました。 こんな風に繋げるの!?と。 イギリスの植民地だった時代まで遡るため、香港の歴史を知ることもでき、とても興味深く読むことができました。 このおもしろさは、作者の腕だけではなく翻訳の上手さも理由の1つだと思います。 翻訳されたミステリーってちょっと苦手だったのですが、イメージが覆りました。 人におすすめしたい一冊です。 出会えてよかった。 2018年12冊目

Posted by ブクログ

2022/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・テミスの天秤(1989) ・借りた場所に(1977) ・借りた時間に(1967) この本は、自分で買うなら上下巻一気に、図書館で借りるなら単行本で読むべき本でした。 最後まで読んだら最初の話を読み返し、いろいろ確かめたくなること必至です。 上巻は、切れ者と言われたクワンとその愛弟子と言っていい部下のローの関係が細やかに書かれていました。 何ならローの成長譚と言ってもいいほどに、ローはクワンの背中を見ながら立派な刑事になります。 が、この下巻は、クワンがなぜ手段を選ばないほど非情に正義を貫くのか、いかにしてクワンという刑事ができたのかが書かれていました。 『テミスの天秤』では、ローはまだ新人の刑事です。 後に彼がクワンと再会した時に、人事評価が必ずしも良くないと自己分析していましたが、その理由は当時から彼が持ちえた人としての全うさです。 クワンはそこを評価したのですね。 そして作品として書かれていない部分で、クワンが検察官としての筋を通し、一つの事件を解決したことが、上巻を読んでいる読者にはわかる仕掛けになっています。 『借りた時間に』は、クワンがまだ若く正直で真面目だけが取り柄だったころの話。 事件は語り手の私とともにクワンが解決しますが、上司に忖度して万全を期さなかったため、幼い姉弟が爆発事故に巻き込まれてしまいます。 そして私がクワンを糾弾するのです。 「あなたの愚昧と頑迷のせいで、あのふたりは死んだ」 「あなたが守りたいのはいったい、警察の看板なのか?それとも市民の安全なのか?」 後のクワンに繋がる種は、こうしてまかれたのか…結構感動して本を置こうと思ったら最後の最後に明かされた驚愕の事実。 最後の一行まで楽しめました。 三作のどれもが良質の本格ミステリであり、そのどれにもクワンとの因縁を持つ人物が出てきます。 だから、全体として見たらクワンという刑事の半生を描いたドラマのようでもあり、香港という街の激動の時代を描いたものともいえます。 ”すこぶる技巧的(トリッキー)でいて人間ドラマは濃密な、掛け値なしの傑作だ”(解説より) 控えめに言っても大満足でした。

Posted by ブクログ

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