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春、死なん
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春、死なん

紗倉まな(著者)

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春、死なん

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2020/02/27
JAN 9784065185995

春、死なん

¥220

商品レビュー

3.3

14件のお客様レビュー

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2024/06/16

老いた中、目が霞んで仕方なく病院へ行くも、問題がなく精神科を勧められる始末。 年老いてもなお湧き上がる性欲。 そんな日々に疲れていた中、かつて一夜を共にした女性と再会しーー。 (春、死なん) なにもかもあけすけな母のようになるまいと生きてきた。なにもかもを閉ざして。 墓参りをき...

老いた中、目が霞んで仕方なく病院へ行くも、問題がなく精神科を勧められる始末。 年老いてもなお湧き上がる性欲。 そんな日々に疲れていた中、かつて一夜を共にした女性と再会しーー。 (春、死なん) なにもかもあけすけな母のようになるまいと生きてきた。なにもかもを閉ざして。 墓参りをきっかけに久しぶりに会った母は相変わらずあけすけで、でも自分に見えていたことだけが全てではないと知る。 (ははばなれ) AV女優を自ら天職と言い切り、楽しんでいる著者のインタビューを読んで興味を持った1冊。 どちらのお話もとても生と死を感じた。 生きている限り逃れられない家族の呪いってきっと人それぞれあって、それとうまく付き合えるようになったら1つ大人の階段を登れる気がするな。

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2024/01/05

ダ・ヴィンチ2023 BOOK OF THE YEARに文庫が選ばれていたので読んでみました。 1『春、死なん』 妻を亡くした70歳の富雄が1度関係を持った文江と再会した。文江も夫を亡くしている。文江は西行の歌 願わくは花のしたに春死なん そのきさらぎの望月の頃  を出して満開の...

ダ・ヴィンチ2023 BOOK OF THE YEARに文庫が選ばれていたので読んでみました。 1『春、死なん』 妻を亡くした70歳の富雄が1度関係を持った文江と再会した。文江も夫を亡くしている。文江は西行の歌 願わくは花のしたに春死なん そのきさらぎの望月の頃  を出して満開の桜の下で満月の次の日に死んだ西行を羨ましいというものの… 文江が富雄を  ねえ、トミー    と呼ぶところがなんだか妖艶というか怖い。終わり方もホラーっぽくて、一体どうなってるのかわからなかった。 2『ははばなれ』 父を9歳で亡くしたコヨミ。母に今まで男の気配はなかったが、今は彼氏がいる。スマホの写真を見せてもらうと父とは違うタイプ。父と母との出来事を思い出すと、今自分の結婚生活に対する疑問が生まれてくる… 帝王切開とその傷跡について書かれていて、そういう考え方をする人や子供もいるのかも、気付かされました。が、帝王切開や手術の後は勲章。昔なら死んでいたんだから、と個人的には思います。 少し表現がくどく、ピンとこないところがあるせいか本の世界に入りきれませんでした。 でも、2つとも夫に先立たれた時どう生きていきたいかを考えるきっかけとなったし、親子や夫婦に対する視点が独特で良かったと思いました。

Posted by ブクログ

2023/02/15

「春、死なん」「ははばなれ」老人の性と母の性を描いた2篇収録。 雰囲気的には、女による女のためのR-18文学賞を思わせる様な作品。 著者は1993年生まれの若い作家さんだが、老人の性を扱った濃密なテーマを瑞々しいタッチで描いていて惹きつけられる。 表題作の主人公は、妻に先立た...

「春、死なん」「ははばなれ」老人の性と母の性を描いた2篇収録。 雰囲気的には、女による女のためのR-18文学賞を思わせる様な作品。 著者は1993年生まれの若い作家さんだが、老人の性を扱った濃密なテーマを瑞々しいタッチで描いていて惹きつけられる。 表題作の主人公は、妻に先立たれ、息子夫婦と二世帯住宅で暮らしている70歳の富雄。 コンビニでDVD付きのアダルト雑誌を購入する富雄には、夫だとか父親だとか言う前に、一人の男としての存在感を感じる。 老いが纏わりつき、死へ近づいているからこそ性に執着する人間の本能を感じた。

Posted by ブクログ