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アサイラム・ピース ちくま文庫
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アサイラム・ピース ちくま文庫

アンナ・カヴァン(著者), 山田和子(訳者)

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アサイラム・ピース ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2019/07/10
JAN 9784480436030

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商品レビュー

4.2

17件のお客様レビュー

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2023/11/26

短編集14編 閉塞感のある状態,先の見えない不安,ただ死刑かそうでないかの通知を待つ不確かな現在,妄想と願望と現実が混在してただ怯えている. またお城のような豪華な精神病院に囚われている人々を切り取った表題作 読むほどに暗くなるが,今のこの自分も突き詰めてみれば多かれ少なかれこの...

短編集14編 閉塞感のある状態,先の見えない不安,ただ死刑かそうでないかの通知を待つ不確かな現在,妄想と願望と現実が混在してただ怯えている. またお城のような豪華な精神病院に囚われている人々を切り取った表題作 読むほどに暗くなるが,今のこの自分も突き詰めてみれば多かれ少なかれこのような不安を奥底に持っていると気付かされる.

Posted by ブクログ

2023/11/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作が特に好みだった。散りばめられた断片を集めていくうちに全体図が見えてくるのがたまらない。 この静かな絶望と悲しみをたたえた人々の、変わり映えのしない長い一日。壊れてしまっていたり、一歩を踏み出せず停滞するしかない苦しみの檻の中にいて、毎日絶望を繰り返す。まるで時が止まったような錯覚をする。こんな永遠のような日々が何故だかとてつもなく愛おしく思えてくるのが不思議だった。 表題作以外では、圧倒的な権力と対峙している無力な人という構図が印象的で、また別種の絶望感に支配されていた。細部は語られても実際何があったのか、具体的には分からない点が想像を掻き立てる。 全体を通して、登場人物たちにはおそらく愛情が必要なのだと思った。そしてそれを冷静に見つめていた作家のまなざしを感じる。

Posted by ブクログ

2022/10/15

I~VIIIの8編からなる連作短編集「アサイラム・ピース」。 「アサイラム・ピースⅣ~Ⅷ」は、後半の4作にあたります。 外界での生活に未練を断ち切れない4人の患者の絶望が描かれています。 一作一作が、頭の中に映像が浮かび上がってくるような見事な情景描写。 例えていうならば、繊細...

I~VIIIの8編からなる連作短編集「アサイラム・ピース」。 「アサイラム・ピースⅣ~Ⅷ」は、後半の4作にあたります。 外界での生活に未練を断ち切れない4人の患者の絶望が描かれています。 一作一作が、頭の中に映像が浮かび上がってくるような見事な情景描写。 例えていうならば、繊細なクリスタルガラスで作られた工芸品。 まぎれもない芸術です。 全ての説話は、最後の数行で描き出される絶望に向かっていくようです。

Posted by ブクログ

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