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マチネの終わりに 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2019/06/06 |
| JAN | 9784167912901 |

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マチネの終わりに
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商品レビュー
4.1
753件のお客様レビュー
『ある男』『私とは何か』を読んでようやく平野啓一郎さんの代表作『マチネの終わりに』を読むことができた。私はこの作品の放つ美しさと哀しさに心を動かされた一方で、うまく感想がまとまらないままでいる。だけど、あえて書いてみようと思う。 平野啓一郎さんの作品はいつだって表面的ではない、...
『ある男』『私とは何か』を読んでようやく平野啓一郎さんの代表作『マチネの終わりに』を読むことができた。私はこの作品の放つ美しさと哀しさに心を動かされた一方で、うまく感想がまとまらないままでいる。だけど、あえて書いてみようと思う。 平野啓一郎さんの作品はいつだって表面的ではない、人間自身について考えたくなるような本質を問うてきて、深く心が掴まれる。そしてその圧倒的な知性に敬意を感じている。そんな平野作品を読む時間は私にとってすごく特別で、好きな時間だと再認識した。 小峰洋子と蒔野聡史からは、愛を超えたような深い魂からのつながりを感じた。お互いがお互いで安らぎを得るのは。そしてお互いでしか得られない心地よさを感じるのは、二人にとってたがいに対する分人がかけがえのないものだったことが分かる。その分人を失うことの哀しさと切なさといったらない。それがこの物語に「やるせなさ」をもたらしているのだと思う。物語の中盤以降、ページをめくりたくないという思いとのめり込むように読みたいという衝動がぶつかりあって、結局すぐに読み切ってしまった。 安易に物語の結末をパッケージ化しないからこそ、その運命論と自由意志がせめぎ合った苦しい現実を差しだしてくる。だからこそ、その深い余韻に浸れるとともに、そのリアルな感覚に私たちは心を揺さぶられるのだろうと思った。 また過去は変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。それほど繊細で、感じやすいもの。 という表現は言われてみれば確かにそうかもしれない、と思ってすごく心に残った。二人にとってもお互いの過去が憎しみや悔いの対象でなく、美しい思い出になればいい。 この作品のすごさは、単なる恋愛小説にとどまらないところだ。現実に起こった戦争や経済の崩壊、災害も交えながら、その現実(過去)に思いを馳せる。今も戦争は続いている。それだけじゃない、静寂に対する<美>としての音楽、そして親子の愛情、などなどさまざまなテーマを織り込んでいる。たくさんの音楽を紹介しつつ、小説なのにどこからかギターの音色が聞こえてくるようだった。 読んだ後は、なんで自分が泣いているのかも正直判然としないまま、ただただ涙が流れた。なんというべきかわからないけれど、美しい作品だった。 物語の中の言葉から 「幸福とは、日々経験されるこの世界の表面に、それについて語るべき相手の顔が、くっきりと示されることだった。」 彼らは今、幸せに生きているだろうか。
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大人の高尚な関係性を感じて、恋愛ものかな?と感じて読み進めた。 主人公の周りの人間臭い人達の中で、主人公たちも他者には人間臭い対応の中、それぞれに対する慈しみや感応性に特別感を感じていきました。 終わり方も、読者の想像でいろんな形が広がる形で、どんな形を想像しても、一緒に歩もうが...
大人の高尚な関係性を感じて、恋愛ものかな?と感じて読み進めた。 主人公の周りの人間臭い人達の中で、主人公たちも他者には人間臭い対応の中、それぞれに対する慈しみや感応性に特別感を感じていきました。 終わり方も、読者の想像でいろんな形が広がる形で、どんな形を想像しても、一緒に歩もうがそれぞれ歩もうが、かけがえの無い人との繋がりが続く良い形だなぁと、余韻に浸りました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
普段恋愛小説はあまり読まないが、なんとなく題名に惹かれて手に取った。この本は心が揺さぶられる大人の切ない物語だった。 蒔野と洋子が会う予定だった日、二人はほんの小さなすれ違いが重なって、更に早苗が洋子に送った別れを告げる偽メールによって一緒に歩むはずの二人の道が分たれてしまった。 この時、蒔野も洋子も精神的にダメージを負っていたために、相手のことを想い、また自分が傷つかない方向に進んでいったのだと思う。 早苗は大変なことをした、との自覚がありながらも自分の行為を自分の中で正当化していく。 早苗には全く共感はできないが、自分の間違いをなんとか正当化しようとする心理は多少は理解できる。 蒔野と洋子が初めて会った時の会話、未来は常に過去を変えている、という話は印象深かった。洋子が父親に昔のことを聞く場面、まさに過去が変わった瞬間で、父と娘の気持ちが通じたこの場面はとても好きだ。 ニューヨークで蒔野のコンサートに行った洋子、一部が終わってギリギリまで帰るか、席に戻るかを悩んでいたが、席に戻ることを決断できた洋子に拍手を送りたい。 登場人物の心情が細かく綴られていて、読み応えのある、余韻の残る一冊だった。
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