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蒲生邸事件 新装版(下) 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2017/11/09 |
| JAN | 9784167909581 |

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蒲生邸事件 新装版(下)
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商品レビュー
4.3
40件のお客様レビュー
タイムトラベル系の話は一歩間違えるとドン引きしてしまうリスクがあるので、最初は少し不安でしたが、すんなり読めました。 とにかく人物の描写が上手いですし、ストーリの流れも良かったです。流石推理小説界の女王ですね。
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※このレビューにはネタバレを含みます
蒲生邸事件を再読。2回くらい読み返しているし、もう全部覚えているんじゃないかと思いながら読み始めたけれど、ほぼ内容を忘れていて、新鮮な気持ちで夢中になり、そのまま読了。宮部みゆきさんの新刊を追いかけていた時期の作品で、初めて読んだのはもう30年くらい前になる。それでもまったく古さを感じず、やはりすごい作家さんだなぁと改めて思う。 受験に失敗し、予備校の試験を受けるために上京していた田舎の青年が、滞在していたホテルの火事をきっかけに、昭和初期の二・二六事件の真っただ中へタイムトラベルしてしまう物語。時間旅行の能力を持つ平田という男とともに、思いがけず歴史の渦中に放り込まれる。初読の頃は主人公とほぼ同年代だったため、尾崎孝史の幼さをあまり意識していなかった。でも今読むと、大学受験を終えたばかりなのに東條英機のことをほとんど知らない点や、敬語をうまく使えないところなど、行動の端々に幼さが見えて驚かされた。それでも、「千と千尋の神隠し」のように、目の前で起こる過酷な状況を受け止め、乗り越えながら成長していく主人公の姿には強く引き込まれる。無知な若者が、きちんと考える力を持った知的な若者へ変わっていくところに、素直に感動を覚えた。 二・二六事件とは別に、タイムスリップした蒲生邸でも事件が起こり、その背景を推理していく展開も面白い。思いもよらぬ結末で、最後まで飽きることなく読ませる。物語の軸は太平洋戦争開戦間近の重苦しいものだけれど、結末まできちんとまとめられていて、ぱーっと愉快な気持ちになりつつ、時間の流れの厳しさに涙して読了。やっぱり名作だなって思った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
この小説は、「タイムトリップ」というSF的な設定を物語を展開させる核心要素に置いて、この永遠のテーマを描き出している:「過去へ戻れば、歴史は変わるのだろうか?」 この問いは、わけがわからないうちにタイムトリップされた主人公孝史にとっても、タイムトリップしたことがない読者にとっても、非常に難しい。しかし、作中のタイムトリッパー「平田」はかなり早い段階で答えを出してくれた。彼の答えは否定的なものである。 私たちが変えるのは、ごく細部の修正にすぎない、という。「歴史」は自ら行きたい方向へ行くからだと、彼は言っている。これは歴史を擬人化してからの意見とも捉えるが、裏を返せば、人間の積み重ねによって成り立った歴史だからこそ、簡単に崩されないのである。 だがそうなると、一つの疑問が浮かび上がってくる。過去が変わないなら、主人公をタイムトリップさせる理由は何だろうか。つまり、孝史の存在意義は何だろうか、ということである。 読みながらいろいろなことを考えて、最後に辿り着いた結論だけを言えば、過去に戻ることは、現在を生きるためだ、と思う。 現実世界では、過去に戻れない、過去は変えられないだけではなく、過去を理解することそのものでさえ、とても手間がかかるプロセスである。しかし、それは「現在」と「過去」を繋ぐプロセスでもある。 記憶を抱える人物や物事に謙虚にi事向き合い、一つ一つの大切な出来事を丁寧に紐解いていくことは、すなわち「今自分がここに立っている」所以を知る手がかりであり、現在にいる自分の存在を再確認する、大変意義深い作業なのである。
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