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サラバ!(上) 小学館文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 小学館 |
| 発売年月日 | 2017/10/06 |
| JAN | 9784094064421 |

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商品レビュー
3.9
298件のお客様レビュー
夜が明けるを読んだ時は、私西加奈子の本苦手かな?と思っていたが、名作ということでこちらの本を読んでみた。 文体はそこまで変わらないと思うが、これは家族の行く末が気になってぐんぐん読み進められた。 特に、イランやエジプトでの生活が鮮明で、駐在員家族への憧れが増した。自分も海外で働き...
夜が明けるを読んだ時は、私西加奈子の本苦手かな?と思っていたが、名作ということでこちらの本を読んでみた。 文体はそこまで変わらないと思うが、これは家族の行く末が気になってぐんぐん読み進められた。 特に、イランやエジプトでの生活が鮮明で、駐在員家族への憧れが増した。自分も海外で働きたい。まだ3部構成の上ということで物語の全体像は読めないが、続きもすぐに読む。
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『サラバ!』上巻を読んでまず感じたのは、これは海外を転々としながら育つ少年の成長物語ではなく、「他人の価値観を生きる苦しさ」を描いた物語だということだった。 物語は、イランで生まれた圷歩が、外交官である父の仕事に伴ってエジプト、日本と住む場所を変えながら成長していく姿を描く。異...
『サラバ!』上巻を読んでまず感じたのは、これは海外を転々としながら育つ少年の成長物語ではなく、「他人の価値観を生きる苦しさ」を描いた物語だということだった。 物語は、イランで生まれた圷歩が、外交官である父の仕事に伴ってエジプト、日本と住む場所を変えながら成長していく姿を描く。異文化の中での暮らしや、個性の強い家族との日常はユーモラスに綴られているが、その奥では歩が常に「周囲に合わせること」で自分の居場所を守ろうとしている姿が浮かび上がる。一方で、姉の貴子は他人の評価を恐れず、自分が信じたものを貫こうとする。正反対ともいえる姉弟の対比が、物語全体に強い緊張感を生み出している。 この作品が描いているのは、異国で育つことの苦労ではない。人は周囲に受け入れられたいと願うあまり、いつの間にか「本当の自分」よりも「求められる自分」を演じるようになってしまうという現実である。歩は決して弱い人間ではない。ただ、人の期待に応えようとする誠実さゆえに、自分の意思よりも空気を優先してしまう。その姿は特別な境遇だからこその話ではなく、多くの人が一度は経験したことのある感情として胸に迫ってくる。 印象的だったのは、姉の貴子という存在だった。彼女は型にはまることを拒み、周囲から奇異の目で見られても、自分の信じるものを手放さない。その生き方は危うさも抱えているが、歩とは対照的だからこそ、「自分らしく生きる」とは何かという問いを読者にも投げかけてくる。読んでいて何度も考えたのは、自分の人生を苦しくするのは環境そのものではなく、「こうあるべき」という他人の物差しを、自分の物差しとして受け入れてしまうことなのではないかということだった。 上巻は、まだ大きな結論を示す物語ではない。むしろ主人公がさまざまな価値観に触れ、迷い、自分という存在を形づくるための長い助走である。それでも、その助走が丁寧に積み重ねられているからこそ、歩がこれからどのような選択をし、何に別れを告げることになるのかを知りたくなる。壮大な物語の始まりでありながら、一人の人間の心の揺らぎをこれほど繊細に描き切っている点に、この作品の大きな魅力を感じた。 『サラバ!』上巻は、少年時代を振り返る物語ではない。自分の人生を生きる前に、人はどれほど多くの他人の価値観を背負ってしまうのかを描いた物語である。読み終えたあとに残るのは、歩がこの先どう成長するのかという期待だけではない。今の自分が選んでいる生き方は、本当に自分自身の意思で選んだものなのかという静かな問いだった。 #2026年27冊目
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行ったこともなければ、どんな国なのかも知らない イラン、エジプトなのに全ての情景が鮮明に浮かぶ。めちゃくちゃ引き込まれた!
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