歴史はバーで作られる

鯨統一郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 双葉社
• 発売年月日: 2017/07/19
• JAN: 9784575240436

商品レビュー

2025/11/14

＜目次＞
略

＜内容＞
ネアンデルタール人、マヤ文明、銅鐸、源義経、八百屋お七を題材に、バーで解き明かされる歴史の事実（のわけないが…）。ときどきカクテルや酒の肴のうんちくが入り、会話の中で少しずつ現状とは違う歴史の話が進んでいく。バーテンダーのミサキさんと村木老人の関係もあいまいだし、村木老人の素性もわからない。この辺がもう少しわかるといいんだけど…

2025/03/31

歴史を学んでいる大学生の『安田』は、師である新進気鋭の歴史学者『喜多川』と共に入ったバーで、同じく歴史学者を名乗る『村木』という老人と出会う。彼の突拍子もない説に素人学者と高を括った二人だったが、なぜか美人バーテンダーの『ミサキ』さんが村木老人説を支持し話は以外の方向へ進みだしてしまい…

今語られている歴史が正しいとは限らない。それはそう。誰も見た訳ではないので、仮説の中で有力なものが定説となっているだけなので。現に自分が習ったことが変わっているものも結構ある。とはいえ、定説となるにはそれなりの根拠もなくてはならない。
このバー内では、高名な先生（と語り手の僕）が定説を語るも、ミサキさんの誘導的な質問により、村木老人のとんでも説が正しいような流れになっていく。それはいいんです、読み物だから。ですが、相手の説には確証はないと言っておきながら、自説は推論の嵐、否定できなければ正しいかもって持って行き方は、ちょっとこじつけが過ぎるってもんじゃないでしょうか。こんな不躾なバーテンダーさんのいる店はちょっと嫌かも。
安田君も勉強不足の割に他人を見下しすぎ。軽妙感出すためかもだけど、心の声が煩い。

2024/12/07

２を購入したのは『邪馬台国はどこですか?』の続編だと思ったから。しかし、本書が新シリーズの第一巻と分かり、単行本を慌てて購入。バーカウンターでの歴史談義という構成は同じだが、このシリーズでは登場人物の性格を極端にし過ぎたようだ。特に狂言回し役の史学科学生・安田君の独白が興ざめで、せっかくの歴史の謎解きの面白さが半減する。「八百屋お七」「銅鐸」は推論に納得。「源義経」は論理の一貫性がなく、一番の駄作。文庫が入手困難＝重版されないのも、さもありなん……