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鹿の王(4) 角川文庫
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鹿の王(4) 角川文庫

上橋菜穂子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 KADOKAWA
発売年月日 2017/07/25
JAN 9784041055106

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商品レビュー

4.2

265件のお客様レビュー

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2026/07/16

幾多の危機を掻い潜りながら生き延びるか、志半ばにして命を落とすのか。物語の最終章は登場してきた個々の人々、集団、民族、派閥、そして国が、どうなって行くのかを見極めて行くような展開だったが、結局勝ち残った人というのはいないのか、いや全ての人々が己の意思を貫こうとしながら生きる姿を描...

幾多の危機を掻い潜りながら生き延びるか、志半ばにして命を落とすのか。物語の最終章は登場してきた個々の人々、集団、民族、派閥、そして国が、どうなって行くのかを見極めて行くような展開だったが、結局勝ち残った人というのはいないのか、いや全ての人々が己の意思を貫こうとしながら生きる姿を描いたというところで終わりとなったのか。疑問符ばかりの感想にはなってしまうが、永遠に続く人間と病、ウイルス、細菌といったものとの戦いに終わりはないということなのだろう。 冒険アドベンチャーの様相すらあって先を急ぎたくなる第一巻からだんだんと重いテーマがあることに気付かされ、最終章では終わりなき戦いを現代にも重ね合わせて考えるようになった。決してハッピーエンドではないが、残された人々を見ながら満たされた気分になって読み終えた。 文庫本あとがきには作者上橋菜穂子さん個人生活の激変についても書かれている。ストーリーとは別物だが、そうした話もみんな繋がりがあるようにも思えてきて、またしみじみと感じた。時間をおいてまた読もうと思う。

Posted by ブクログ

2026/07/03

『鹿の王』は 2014 年に刊行された作品だが、コロナ禍を経験した現在の読者には、当時よりもさらに強いリアリティをもって読める作品になっているように感じた。未知の感染症への恐怖、情報や知識をめぐる混乱、そして医療と政治の関係などは、まさに私たちが近年経験したことと重なる部分が多い...

『鹿の王』は 2014 年に刊行された作品だが、コロナ禍を経験した現在の読者には、当時よりもさらに強いリアリティをもって読める作品になっているように感じた。未知の感染症への恐怖、情報や知識をめぐる混乱、そして医療と政治の関係などは、まさに私たちが近年経験したことと重なる部分が多い。 上橋菜穂子さんは人類学を研究していたこともあり、本作はファンタジーでありながら、単なる空想世界ではなく、どこか昔話や神話を読んでいるような感覚があった。民族や文化、信仰や伝承が自然に織り込まれており、人間社会の成り立ちそのものを見つめているようにも感じる。 読んでいてまず印象に残ったのは、多様な動物が登場する世界観だった。狼、犬、キンマの犬、火馬、飛鹿などが登場し、人間だけが世界の中心ではないことが強く意識される。動物たちは単なる背景ではなく、人間といろいろなかたちで共生し、人間もまた自然の一部でしかないことを示しているようだった。自然を支配する存在としてではなく、自然と共に生きる存在として人間を描いている点に、人類学者としての上橋さんの視点を感じた。 登場人物の中で最も興味を惹かれたのはヴァンである。彼の魅力は、相手の身分や立場にかかわらず、一人の人間として接するところにあると思う。奴隷として生き、戦士として戦い、さまざまな立場を経験してきたからこそ、人を上下で判断しないのだろう。また、ヴァンは単に英雄として描かれているのではなく、境界を越える存在として描かれているように感じた。民族や国家、身分といった枠組みの間を行き来しながら生きる彼の姿は、分断が進む現代社会において示唆的でもある。 さらに印象的だったのは、ヴァンとユナの関係である。血のつながりはないにもかかわらず、ヴァンは命をかけてユナを守ろうとする。親子とは何かという問いに対して、本作は血縁よりも「誰を守ろうとするのか」という関係性の方が本質的なのではないかと語りかけているように思えた。 医療者たちの葛藤も本作の大きな見どころだった。特にホッサルとミラル、あるいはホッサルと祖父との考え方の違いは、現代の私たちにも問いを投げかけているように思う。病を根本から解明し未来に希望を託そうとする姿勢と、限界を認めながら目の前の患者を救おうとする姿勢。その対立を見ていると、現実社会における「未来のために現在を犠牲にするのか、それとも今ここにある課題に向き合うのか」という問題を連想した。私には加速主義をめぐる議論とも重なって見えた。どちらが正しいという話ではなく、長期的な視点も目の前の実践もどちらも必要なのだろうが、自分自身はどちらかと言えば後者、目の前のことに向き合う考え方に共感する。 また、本作では病そのものも単なる敵として描かれていない点が興味深かった。病は生物学的な現象であると同時に、民族の歴史や生活環境、政治状況とも深く関わっている。ホッサルは病を理解しようとし、政治は病を利用しようとし、人々は病を恐れる。その複雑な構図は、コロナ禍で私たちが経験した現実とも重なるように感じられた。 最近はリベラルと保守について考える機会が多いが、『鹿の王』にもその対立を考えるヒントがあるように思う。リベラルとは人間の平等を重視する立場であり、保守とは受け継がれてきた伝統や文化を重んじる立場だと私は理解している。本作の登場人物たちは、そのどちらか一方に単純には分類できない。例えばホッサルは身分や民族にとらわれず知識を求める点ではリベラル的だが、一方で先人たちが積み重ねてきた医術や文化も尊重している。作品全体を通して語られているのは、変化だけでも伝統だけでも社会は成り立たず、その両方が必要だということなのではないだろうか。 そう考えると、『鹿の王』は感染症や医療を描いた物語であると同時に、人間と自然、民族と民族、伝統と変化といった対立するもの同士の関係を描いた物語だったように思う。そしてヴァンやホッサルは、それらの境界を越えて他者を理解しようとする存在として描かれていた。だからこそこの作品は、分断が目立つ現代において、「異なるものとどう共生するか」という普遍的な問いを私たちに投げかけているように感じた。

Posted by ブクログ

2026/07/01

えっこれで終わり?と驚いてしまった。 何とか話に付いていこうと読み進め、途中から面白くなっていましたが、最終的にファンタジーなのに話を広げすぎて、医療、人種迫害、スピリチュアルに裏切りが何度も重なり、誰が何をしたかったのか分からなくなりました。

Posted by ブクログ

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