鹿の王(4) の商品レビュー
心に残った言葉。 ある種の暗い諦観を常に心に持ちながら、それでも、絶望したり、放り投げたりせずに、ひたすら患者に向き合い続ける医師たちが、医学をここまで連れてきたのだろう、と思うようになった。 人の生命、生きることの意味を問われたような気がする。
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なんて壮大で心奪われる物語なんだろう。気になっていたけど予備知識なしで読み始め3巻まで一気読み。 今出会えたからよかったのかも。 4巻では政治的な問題も孕んで悲しい展開に 謎の疫病 現代の世界で起きているいろんな悲しい出来事を予見していたかのような物語で、悲しみや恐ろしさと今、...
なんて壮大で心奪われる物語なんだろう。気になっていたけど予備知識なしで読み始め3巻まで一気読み。 今出会えたからよかったのかも。 4巻では政治的な問題も孕んで悲しい展開に 謎の疫病 現代の世界で起きているいろんな悲しい出来事を予見していたかのような物語で、悲しみや恐ろしさと今、目の前で起こっているような感覚から、世界に引き込まれていった。 2015年本屋大賞受賞作 ファンタジー作品では初だそう
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細菌医学のファンタジー物語。 タイトルからは想像出来なかった。 最後は何重も裏をかく展開だった。
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3.5 タイトルから想像していたストーリーと全く違っていた。いい意味で裏切られた。まさかの医療ドラマだとは思わなかった。安定した面白さがずっとあって読みやすかった。 3.5にした理由は結末が私の好みでなかったから。 ハッピーエンド中なので最後ばヴァンとユナとサエがで会うところまで見たいと思ってしまった。でももう寂しい独角じゃなくてよかった
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20240512 1冊目を読み進めた時にはこんなに壮大な物語だったなんて思いもしなかった。毎度ドキドキハラハラさせられ、まるでマンガを読んでいるような展開。また、さすが日本医師会の日本医療小説大賞を受賞した作品。病のメカニズムや新薬開発のバックグラウンドが非常にリアルに描写されて...
20240512 1冊目を読み進めた時にはこんなに壮大な物語だったなんて思いもしなかった。毎度ドキドキハラハラさせられ、まるでマンガを読んでいるような展開。また、さすが日本医師会の日本医療小説大賞を受賞した作品。病のメカニズムや新薬開発のバックグラウンドが非常にリアルに描写されていた。 剣も矢も人を殺すことには変わりはない。ただ病は人を選ばない。一旦広まれば止めようもなく何の関わりもない人を殺していく。 生き物は皆、病の種を身に潜ませて生きている。そいつに負けなければ生きていられるが、負ければ死ぬ。 当たり前のことだけど、自然の節理、そんな中でも人が大切にすること、したいことは何かを気付かされた一冊だった。
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相変わらず通勤電車の中で読むんだけど、1冊はページ数も少なく軽いので持ち運びには苦労しなかった。 やはり単行本より文庫本を読むのが正解だな、っていう前置きは置いておいて、本屋大賞を受賞してる作品なんだよね。 久し振りのファンタジー小説で面白かった。 1巻目は面白くて読むのが勿体無...
相変わらず通勤電車の中で読むんだけど、1冊はページ数も少なく軽いので持ち運びには苦労しなかった。 やはり単行本より文庫本を読むのが正解だな、っていう前置きは置いておいて、本屋大賞を受賞してる作品なんだよね。 久し振りのファンタジー小説で面白かった。 1巻目は面白くて読むのが勿体無いと思う程で、独特の地名や民族名、名前を覚えるのに苦労したけど、この独特さも非現実的なファンタジーとして良かった。 民族間での争いはやはり強いものは強く、大逆転なんてありえないけど、どこかでこの無念さを晴らす出来事は読んでみたかった…侵略者相手だからね。 犬と深い森に入ったヴァンの後を追う者達も気になるが、争いの元が去った今は続編はないんだろう。 でも、犬に噛まれて感染する症状や抗体の話はまるである意味コロナと似ており、発刊されたのが2014年なのにこの近似感を思ったことに驚いた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
やはり面白い。最後は想像に任せてという感じだが、ヴァンを取り巻く人々のあたたかさにほっこりする。独角という寂しい哀しいものが背中を覆っていたのに、彼のその人柄が誠実さ優しさが周りの人が彼を放っておかない存在にした。人として素晴らしい人だなあ。もしかしたらそれは妻子を亡くしたことからも来ているのかもしれないけど。
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ついにヴァンとホッサルが対面。 その一方で、火馬の民のオーファンは、故郷を取り戻すべく策略を企てていた。 それに気づいたヴァンは動き出すことになる。 完結作。 追うものと追われるものとして読んでいたためか、 ヴァンとホッサルの間に流れる穏やかな雰囲気に、意外性を感じた。 なぜ病...
ついにヴァンとホッサルが対面。 その一方で、火馬の民のオーファンは、故郷を取り戻すべく策略を企てていた。 それに気づいたヴァンは動き出すことになる。 完結作。 追うものと追われるものとして読んでいたためか、 ヴァンとホッサルの間に流れる穏やかな雰囲気に、意外性を感じた。 なぜ病は起きるのか? どうして治るものと治らないものがいるのか?との議論の末に出てくる「鹿の王」という作品タイトルと同じ言葉がついに明かされる。 家族を失い、今まで独りで生きてきたヴァンの周りには、 多種多様な人々が集まり、いつしか家族になっていった。 当初は、抜け殻のような心を持ち、ただその日その日を生きていたヴァンであったが、 慕われ必要とされ、みなでヴァンを迎えに行く光景に、 「よかったな」と不思議な安堵を覚えた。
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感染症をテーマにした壮大なファンタジーの最終巻 以下、4巻の公式あらすじ ------------------------- 上橋菜穂子の傑作長編、ついに完結! ついに生き残った男――ヴァンと対面したホッサルは、病のある秘密に気づく。一方、火馬の民のオーファンは故郷をとり戻す...
感染症をテーマにした壮大なファンタジーの最終巻 以下、4巻の公式あらすじ ------------------------- 上橋菜穂子の傑作長編、ついに完結! ついに生き残った男――ヴァンと対面したホッサルは、病のある秘密に気づく。一方、火馬の民のオーファンは故郷をとり戻すために最後の勝負をしかけていた。生命を巡る壮大な冒険小説、 ------------------------- 一国を滅ぼす程に猛威を振るった伝染病が再び発症した経緯 そして、病原菌の拡散とその治療薬の開発を巡る策謀 ファンタジー設定ではあるものの、医療の設定はあくまで現実に即したもので 国の政治や国家間の力関係、各地に住まう人達それぞれの思惑などは現実でも同じような事が繰り広げられている程にリアル 現代でもバイオテロを描いた作品はありますものねぇ 帝国に敗れた部族「独角」を率いた生き残りのヴァン 岩塩坑で謎の獣に襲われ、他の人達は死んだのに生き残る また、同じく生き延びた子供のユナ 伝染病で都を捨てたが、医療技術と情報収集の技術で影響力を持つオタワル そのオタワルで医療に携わるホッサル その他、それぞれの国の首脳、追いやられた部族、密命を受けた人達など、様々な策謀が錯綜する中で、徐々にわかってくる伝染病の背景と治療法の可能性 一番印象的だったエピソードは、薬の投与を認めない清心教医術師の呂邦 無学なようにも思えるけど、筋の通った医療哲学があるように見える 救いたいと願っているのは、命ではなく魂という主張 人はいずれ死ぬわけで、与えられた命をどう全うするかがであって、長短ではない 宗教が入り混じった医療哲学だけど、現代でも倫理に反する治療が行われていないわけで、延長線上では同じ論理体系で語っているように思える 現代においても、輸血を拒み我が子の死を選択する親もいるわけで この行為を安易にあざ笑ってよいものではないのかもしれない ホッサルは、現状は対症療法や手探り状態の治療法を試しているが 医療が発展すればいずれ病気の治療法が見つかると思っている まぁ、実際は現代においても治療が困難で、予防接種で防いでいるような病気もあるわけで、医学が万能なわけではないんだけどね それでいて、リムエッルの人体実験ともとれる医療行為に抵抗感を覚えている 現代医療では治験にもルールが決められているけど、そんな法がない世界であればそんな方法もある意味では間違いではない 死ぬ可能性が高い病気で、治療薬を試すという行為は後の多くの感染者を助けることにも繋がるけど でも、試される患者の人権はどうなるのか…… まぁ、本人や家族に同意を得たとことで、医療の知識がない人にとって可能性にかけるのは当然なわけで、選択肢は与えられているようでほぼ一択だけどね 清心教の存在意義としては、そんな医療倫理観への歯止めのの意味もあるのかもしれない 作中には様々な対立が描かれているけど、単純な二項対立になっていない 全員の心の中に「正義」があって、絶対的な正しさはないというのがわかる 文化、風習、宗教観など、様々な背景があって、過去現在未来を含めてそれぞれの思惑がある アカファ王の選択や敢えて見逃す行為も、為政者として一概に避難されるようなものではない それよりも、国としては滅んだけど自らの能力で存在意義を示してある程度の地位を築いているオタワルという集団 生物の体内にも細胞内小器官のレベルかられっきとした異種の生物のレベルまで様々な生物が共生している 普段はそんな事を意識しないけど、我々の免疫にしても異物を排除しつつ共生するシステムが組み込まれているわけで それが国という組織においても存在しえるのは当然でしょうねぇ でも実際問題、取り込まれるケースの方が多いんですけどね タイトルの「鹿の王」も意味 「鹿の長」とは異なる存在 自らの命を賭して仲間達を逃がす行動をする個体 果たして、称号なのか、それとも愚かなるものなのか 生態学的には、集団のための利他行動も結局は自らの包括適応度を上げる行為なので、そんなに不思議な行動ではないんだけどね そんな知識のない人達にとっては英雄的行動に見えるかもしれないし、また考え方によっては無謀な行動にも見えるでしょうね 結局は見る人がどう解釈するかの違いでしかないかもしれない
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ヴァンはついにホッサルと対面する。黒狼熱により病むものと病まぬものの違いについて気づき始めた医術師のホッサル。仲間を失った〈火馬の民〉のオーファンは、故郷を取り戻すために最後の勝負に仕掛ける。病により苦しむ人々を見過ごせないヴァンが世界のために下した決断とは。 「人は身体の内側...
ヴァンはついにホッサルと対面する。黒狼熱により病むものと病まぬものの違いについて気づき始めた医術師のホッサル。仲間を失った〈火馬の民〉のオーファンは、故郷を取り戻すために最後の勝負に仕掛ける。病により苦しむ人々を見過ごせないヴァンが世界のために下した決断とは。 「人は身体の内側で何が起きているのかを自分で知ることができない」「人と細菌やウイルスは共生している」「社会でも似たような状況が起こる」という発想から描かれたファンタジーで、病と人のみならず民族や信仰といった社会、人間模様も交わった物語でした。
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