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君の膵臓をたべたい 双葉文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2017/04/26 |
JAN | 9784575519945 |
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君の膵臓をたべたい
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商品レビュー
3.9
1078件のお客様レビュー
ニヒルな感じの主人公が病気を抱えているが天真爛漫・ポジティブなクラスメイトとの友情・絆、そして愛情を深め、成長する物語。クラスメイトの結末は無情。 タイトルの意味はもちろんカニバリズムではなく、他者貢献か。五体満足、無病息災な自分は「どう生きるか?」を考えさせられた。
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初めて読んだのは数年前、鮮明に覚えている感覚があって、 “こんな面白い本を今まで読んでなかったのか” と読んだ後の満足感で、1人部屋で笑いころげていた。 本の内容にそぐわない体の反応。 とにかく読みやすく、読書が苦手な方でも一気読みできるのではと思う。 この作品のタイトルがこ...
初めて読んだのは数年前、鮮明に覚えている感覚があって、 “こんな面白い本を今まで読んでなかったのか” と読んだ後の満足感で、1人部屋で笑いころげていた。 本の内容にそぐわない体の反応。 とにかく読みやすく、読書が苦手な方でも一気読みできるのではと思う。 この作品のタイトルがこうある意味を痛感するワンシーンでは、いつ見返しても鳥肌が立つ。
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住野よる氏の作品を読むのは『また、同じ夢を見ていた』以来で、本作は2作目。 あちら同様、軽快なテンポで交わされる会話を中心とした読みやすい文体で、とても好みだ。 「秘密を知っているクラスメイト」こと「僕」は、ドライな性格の屁理屈屋。クラスでは目立たず、仲の良い友人もいない。それ...
住野よる氏の作品を読むのは『また、同じ夢を見ていた』以来で、本作は2作目。 あちら同様、軽快なテンポで交わされる会話を中心とした読みやすい文体で、とても好みだ。 「秘密を知っているクラスメイト」こと「僕」は、ドライな性格の屁理屈屋。クラスでは目立たず、仲の良い友人もいない。それどころか他人に興味がないとまで言い張る。 印象的なエピソードはプロローグだ。 本作はクラスメイトの山内桜良がこの世を去った場面から始まる。「僕」は山内の葬式に足を運ばず、彼女へ返しそびれてしまった文庫本を自宅でひっそりと読むのだが、この部分はやけに感情乏しく描かれていたと、記憶に残っている。読了後に改めてこの部分を読み返すと、「僕」が抱いていたものが垣間見え、切ない気持ちになってしまう。 対して山内桜良は、絵に描いたような天真爛漫な性格。膵臓の病で余命宣告を受けている身ながらも妙にポジティブ。楽観的でストレートに言いたいことをぶつけるような、明るく人気者の女子高生。 本当に病人なかと疑ってしまうほど元気な山内と、彼女に同情するどころか、秘密を知っても淡々と接するドライな「僕」。対極的な存在でありながら、秘密を共有して親密になっていく二人の姿は、まさに青春小説と呼ぶべきものだった。 語り手である「僕」を指す言葉が、登場人物によって違うのは面白い仕掛けだ。この手の名前が明かされない語り手は、二人称で呼ばれる際に「あなた」や「おまえ」などを用いられるのが一般的だと思う。 前述のとおり、作中で「僕」は「秘密を知っているクラスメイト」「大人しい生徒」といったように呼ばれ、読者に登場人物たちから見た「僕」の印象をダイレクトに伝わってくる。当然、登場人物との関係が変わるたび、この二人称は変わっていく。この変化を感じながら読むのはたいへん愉快だった。 なぜこういった技法を使っているのかは、「僕」のあり方に密接に関わってくる。終盤の思いもよらぬ展開と、山内と過ごす中で起きていく「僕」の心象の変化に、心揺さぶられない人はいないことだろう。 「誰も、僕すらも本当は草舟なんかじゃない。流されるのも流されないのも、僕らは選べる」。本作で一番胸に刺さった言葉だ。 運命が人を導くのではない。数多の選択肢の中から、人自らが進むべき道を選びとっている。 未来は誰にもわからない。けれど、幸せを噛み締める瞬間から瑣末な出来事に至るまで、人生を今よりも丁寧に生きたいと心に留めた。 余談だが、サン・テグジュペリの『星の王子様』は恥ずかしながら私も未読だ。本作を読む中で、いつか私も読もうと決意を固めたのは言うまでもない。
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