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静かな雨
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2016/12/12 |
JAN | 9784163905716 |
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静かな雨
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商品レビュー
3.6
131件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
パチンコ店の前でたい焼きを売る女性・こよみさんと、僕のお話。 僕は、足に先天性の麻痺を持っていて、松葉杖を使って歩いている。 こよみさんは、ある時、交通事故で、短期記憶を失う、外因性精神障害を持つこととなった。 昔のことは少し覚えていたり、さっと記憶がよみがえったりしたり。 認知症みたい? 今ならなくても、年をとれば多くの人がなる記憶障害。誰もが例外ではない。 どのような人生が充実した人生か、という問いに対して、 思い出作りこそ、というお話がありますが、 人生の終盤で、自分のこれまでを振り返って、よかったなーって思いだせることがあるか、 っていうことだと思うけれども、 思い出す能力がなくなっている場合も普通にあるってことだとすると、 誰にとっても身近な問いになるような気がしました。 死に際に思い返すときのために今を生きているわけではないけれど、 私から記憶がなくなった時、何が残るんだろう。 無意識化にも残る、思い出以上に何か深く響くもの、があるのかな。 「毎日の生活の中での思いで人はできてるんじゃないかと思う」 日々意識を向けている、思いを向けているもの、こと、人。 科学的にも、意識や記憶って何なのか、まだよく分かっていない、という話もありますが、 私たちはその認知症的な、記憶障害的な状態を毎晩夢としても体験しているかもしれないなーと思ったり。 強く印象に残っているもの、思い詰めているもの、思い続けているものの断片が、 混ざり合って出てきたりする。 「あたしのいる世界は、あたしが実際に体験したこと、自分で見たり聞いたり触ったりしたこと、考えたり感じたりしたこと、そこに少しばかりの想像力が加わったものでしかないんだから」 「だけど、新しいものやめずらしいものにたくさん会うことだけが世界を広げるわけじゃない。ひとつのことにどれだけ深くかかわれるかがその人の世界の深さにつながるんだとあたしは思う」 ひとつのことに深くかかわっているかという問い。 私にはギクッとする問い。目をそらしたい問い。 全然。私は自分をかたちづくれるぐらい、何かに深くかかわってきていない。 好奇心に任せて、新しいことに触れることは結構してきたかもしれないけれど、 キャリアもだし、それだけではなく。 人間に対しても。 子育てってすごいなー共急に思った。 目の前の命に深くかかわらざるを得ない。 それは本当に人生に深みを与えるにちがいない。 記憶を失ってからも、 こよみさんに残っていたもの。 たい焼き。僕。 思いを向け合ったもの、それは、どんどん広がりを見せていく。 たい焼きはどんどんおいしくなり、 僕との関係も深く、広くなっていった。 自分の思いをどれだけ外部と混ぜ合うか、 そうやって、自分を広く深くして、大きくできるのかもしれないなーと思ったりしました。
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柔らかな文章と優しい言葉の数々。 ユキとこよみさんの少しだけ重なり合う世界が愛おしい。そんな作品でした。文字も大きくて読みやすかったです。こよみさんのたいやきは、食べたくなりますね!
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出会った頃よりも、事故の後の方が より親しくなった 想いが日々の人間を作ってるっていうところも良かった。 重苦しくなく、丁寧な文章が読みやすくて こよみさんと行助が日々を紡いでく 想いが心地よかった
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