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少年が来る 新しい韓国の文学15
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | クオン |
発売年月日 | 2016/10/31 |
JAN | 9784904855409 |
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少年が来る
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商品レビュー
4.6
61件のお客様レビュー
光州事件で消されていった命のひとつひとつに寄り添い、ノンフィクションとフィクションのあわいを行き交いして綴られる物語たちが詰まった一冊でした。 ときにリアルにときに幻想的に事件を描いてた描写の精緻さは、生々しく慟哭や悲痛を綴るのと変わりない痛みに満ちているように思いました。 ...
光州事件で消されていった命のひとつひとつに寄り添い、ノンフィクションとフィクションのあわいを行き交いして綴られる物語たちが詰まった一冊でした。 ときにリアルにときに幻想的に事件を描いてた描写の精緻さは、生々しく慟哭や悲痛を綴るのと変わりない痛みに満ちているように思いました。 散っていった人々、残った人々の想いや行動からは、そんなことになってしまった軍事政権への怒りを覚えざるを得ません。 けれども、本編に濃く漂っているのは、深い祈りの想い。未来永劫唱えていかねばならない、鎮魂の祈念と繰り返してはいけないという過去と未来の自分たちへの誓いのように感じました。
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1980年5月に韓国の光州で起きた民主化弾圧の事件について、亡くなった中学生やそこから生き残った女性たちの視点で描くその後。奇しくもこの本を読んでいるときに韓国ではユン大統領が拘束され、無知ながらも韓国の民主化の歴史に思いを寄せながら読んだ。当時拷問を受けた人たちもまだ60代、7...
1980年5月に韓国の光州で起きた民主化弾圧の事件について、亡くなった中学生やそこから生き残った女性たちの視点で描くその後。奇しくもこの本を読んでいるときに韓国ではユン大統領が拘束され、無知ながらも韓国の民主化の歴史に思いを寄せながら読んだ。当時拷問を受けた人たちもまだ60代、70代で生きている。民主化抗争の記憶が生々しいからこその、戒厳令や反民主的な動きに対する拒絶があるのか。私の記憶にある限りはすっかり似たような文化を持つ国、韓流やらアイドルやらで今の体制が「安全」であるかのように思える国なのに、どこかに爆発しそうな何かを抱えているようにも感じる。みんなどこかでいつか爆発しないか怯えている。そのときに、人間が軍という組織のもとでどこまで残忍になれるかの記憶を刻んでおかねばいけないというような使命感が韓国の作家にはあるのかもしれない。日本の少し前の小説、戦後から60年代くらいまでの作品にあるような右や左やと言った重苦しい主題と共通するものを感じるから、きっと当時の日本の文学者も日本がまた戦中のような残虐性を纏う可能性があると恐れていたのかも知れない。果たしてすっかりそんな重い主題の本が生まれなくなっているが、韓国もそういう時期が来るのか。それとも日本が民主主義ボケしていて、逆戻りすることもあるのか。いまのキラキラした韓国の裏を垣間見てハッとさせられる本だった。
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最近、韓国で起きた戒厳令のニュースをきっかけに光州事件を知りたいと思った。先ず「タクシー運転手」を観て次に本書。1980年、当時私は高校生で隣国でこのような悲惨な事件が起きていたなんて知らなかった。今、日本で同じような事件が起きた場合、果たして我々市民は立ち上がれるのだろうか。 ...
最近、韓国で起きた戒厳令のニュースをきっかけに光州事件を知りたいと思った。先ず「タクシー運転手」を観て次に本書。1980年、当時私は高校生で隣国でこのような悲惨な事件が起きていたなんて知らなかった。今、日本で同じような事件が起きた場合、果たして我々市民は立ち上がれるのだろうか。 韓国軍の兵士で残忍な者もいれば、市民に弾が当たらないよう銃身を上げて打つ者もいたという。映画「タクシー運転手」でソウルへ逃げ帰る途中の検問で、トランクの中に隠したソウルナンバーのプレートを見て見ぬふりをした兵士の姿が重なった。
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