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少年が来る の商品レビュー

4.4

134件のお客様レビュー

  1. 5つ

    74

  2. 4つ

    35

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2026/04/16

前編にわたる死の気配に目を背けたくなるが、読むべき一冊だと感じながら、最後まで読み終えた。 ミャンマー、イラン、トランプ政権下のアメリカ、ロシアとウクライナの戦争、等々、、、民主化の揺らぐ中、過去の出来事だと読み流せない重さがあった。

Posted byブクログ

2026/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

光州事件とその後の人たちの物語。 建設的に国家を作ろうとしていた人たちと、戦争で心が荒廃していた人達が見せるコントラストが強い。この記憶を持っている人たちはまだ健在で、韓国が政治に熱いのがわかる気がした。

Posted byブクログ

2026/04/01

1980年5月18日に起きた光州事件。この本は、市民による民主化運動とも、警察権力による虐殺事件とも言えるこの事件を題材に、事件で無惨にも殺された主人公やその仲間たち、また残された家族や仲間の生きざまを描いた小説です。 主人公はいるものの章によって語り手(視点)が違うので最初は...

1980年5月18日に起きた光州事件。この本は、市民による民主化運動とも、警察権力による虐殺事件とも言えるこの事件を題材に、事件で無惨にも殺された主人公やその仲間たち、また残された家族や仲間の生きざまを描いた小説です。 主人公はいるものの章によって語り手(視点)が違うので最初はこんがらがりますが、読み進めていくと全部の話が繋がります。「ハッ…!そういうこと…!」って何回もなりました。 この『少年が来る』は、光州に行く前に読むといいよ、と言われていたのですが、私個人的には行ってから読むことで、よりリアリティを持って物語の世界に入れたように思います。 フィクションではありますが、著者も取材を重ねていること(インタビューではなく大量の資料(史料?)を読み込んだらしいです、すごい)で、描写がすごくリアルで、一人ひとりがまるでそこに生きていたかのような感覚にさせられます。 おそらく意図的にそういう書き方をしているんだろうな。 それだけ光州の人達にとってこの史実は「忘れてはいけない」「語り継がなければいけない」ことなのだと思いました。 …と、重たく書きましたが、読み口としては非常に読みやすいものだと思います。気になった方はぜひ。 この本と、この本にかかわるさまざまな学びから何を考えていくべきなのか、ぐるぐると悩んでいるところです。 ⁡なにか考えついたらまた共有します。

Posted byブクログ

2026/03/31

ノーベル文学賞受賞者ハンガンの筆致に圧倒されたというよりも、起こった事実に薙ぎ倒された読後感。 何も知らなかった。 私は当時小学生になるかならないか。 遠い太平洋戦争の話ではない。 数年前、韓国人の識者が韓国は民主化を勝ち取った自負がある、と言っているのを聞いて、頭の中は???だ...

ノーベル文学賞受賞者ハンガンの筆致に圧倒されたというよりも、起こった事実に薙ぎ倒された読後感。 何も知らなかった。 私は当時小学生になるかならないか。 遠い太平洋戦争の話ではない。 数年前、韓国人の識者が韓国は民主化を勝ち取った自負がある、と言っているのを聞いて、頭の中は???だった。 読む前にタクシー運転手を見たので、それなりに予習はされていたと思う。 けど、文章で読むと陰惨さは格がちがう。 作中にあったように、どうして人はそんなに残酷になれるものか、今も各地で起きている悲劇を見ながら、考えざるを得ない。 そして、過去、悲劇を引き起こす側であった事実もまた学ぶべきだろうと思う。

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2026/03/31

心かきむしられます。 死んだ少年の独白がどこまでも透明でこんなふうに描けるんだなあと、かわいそうな被害者ではなく。 自分の死体が無残に汚くなっていくのを哀しむシーンが心に残った。 人に生まれたのに、こんな残酷を何回繰り返す気なの?と澄んだ瞳で振り返られている気がする。

Posted byブクログ

2026/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ハン・ガンさんが好きならこれは絶対読むべき。ただ、かなり後に残るから覚悟して読んでねと知り合いの書店員さんから教えてもらい、ずっと気になっていました。 韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件で凄惨な拷問を受けたり、亡くなったりした人たちのそれぞれの視点から描かれていて、冒頭から残酷で苦しい描写がずっと続くので、本当に読み進めるのが精神的につらかったです。 ただ、実際に起きた事件についてハン・ガンさんご自身が被害者の方々に立ち替わって身を削りながら書いたといわれているくらいなので、すべて過去の出来事ではなく、他人ごとにせず、今を生きる私たちがしっかり見つめないといけない事だなと痛感しました。辛い内容ですが、忘れないように定期的に読み返したい大切な一冊になりました。

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2026/03/15

 叙情的な表現、花や草木などの風景描写に穏やかな町の出来事と思えば、突然の拷問と虐殺、登場人物の心の揺れと心の強さ。権力に抗する気持ち。韓国の歴史背景は複雑であり、大国や隣国日本からの抑圧と植民地支配を受けてなお、アジア・太平洋戦争後も軍政に虐げられつづけても、韓国国民はあきらめ...

 叙情的な表現、花や草木などの風景描写に穏やかな町の出来事と思えば、突然の拷問と虐殺、登場人物の心の揺れと心の強さ。権力に抗する気持ち。韓国の歴史背景は複雑であり、大国や隣国日本からの抑圧と植民地支配を受けてなお、アジア・太平洋戦争後も軍政に虐げられつづけても、韓国国民はあきらめない。光州事件で多くの犠牲者がでた民主化運動を背景に描かれた本書を読み進めていくうちに、かつて日本でも治安維持法により10万人以上が犠牲となった過去を振り返る。軍政に対して、民主的な政治を国民の手にした韓国市民の歴史と思いが伝わる読書の旅となった。なお、以前に一橋大学の加藤圭木先生の書籍をいくつか読んでいたことが、本書を読み進め、理解する上で大変役に立った。

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2026/03/04

光州事件を素材に「人間の二面性、神性と獣性、崇高さと残酷さ」、「人間の根源的な暴力性」を透徹した視線で見つめた作品。同じ国の軍隊が国民を虐殺、拷問する描写が延々と続き目を背けたくなるが「あなたは」「きみは」の第三者の冷めた視線でどうにか…。それにしても、韓国の歴代大統領はなぜ平穏...

光州事件を素材に「人間の二面性、神性と獣性、崇高さと残酷さ」、「人間の根源的な暴力性」を透徹した視線で見つめた作品。同じ国の軍隊が国民を虐殺、拷問する描写が延々と続き目を背けたくなるが「あなたは」「きみは」の第三者の冷めた視線でどうにか…。それにしても、韓国の歴代大統領はなぜ平穏な余生を過ごせないのか。権力が強すぎて周囲を腐敗させる構造と激しやすい国民性を評論家は指摘。虐げられても、権力者が好き放題しても何も変わらない日本も、どうかとは思うが。

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2026/02/22

とても悲しく、またもや読了に時間を要してしまった。 人の良心や尊厳がその人にとって1番むごいやり方で踏みにじられ、その上最後には殺され、殺されなかったとしても一生続く苦しみを背負わされる描写に、(適切な表現かはさておき)非常に傷つく。つまり、その後の人生が続こうが続くまいが、踏...

とても悲しく、またもや読了に時間を要してしまった。 人の良心や尊厳がその人にとって1番むごいやり方で踏みにじられ、その上最後には殺され、殺されなかったとしても一生続く苦しみを背負わされる描写に、(適切な表現かはさておき)非常に傷つく。つまり、その後の人生が続こうが続くまいが、踏みにじられた人の魂は永遠に踏みにじられたままなのだと痛感する。このように踏みにじられた人々を置き去りにしないために、蝋燭を灯して弔うのであろう。死んで終わり、ではないのだ。チョンデ、トンホ、チンス兄さん、チョンミのような故人に思いを馳せる人々の悲しみと愛情に胸を掻きむしられる。 さらに、人間を善悪の完全な二項対立で説明することはできず、良い面も悪い面も連続的につながっていることを考えると、市民を踏みにじった軍人を、自分と関係のない赤の他人だとは言いきることはできない。自分の内面にも絶えず目を凝らしていたいと反省する。 全体を通して非常に辛い読書体験ではあったが、読み終えた今、光州を知らない方がよほど怖かったと思った。少しずつ再読できればと思う。

Posted byブクログ

2026/02/18

痛切だ。韓国の光州事件を描いた作品。同じ国民の中で支配する側と支配される側であまりに違う運命。救いはない。最後にある銃口を下に向けた支配者が少しいただけだ。ここからはじめなければならない。平和を願うならば。民主制を守るならば。 暴虐がなければ、人間性は守られた。しかし、暴虐のた...

痛切だ。韓国の光州事件を描いた作品。同じ国民の中で支配する側と支配される側であまりに違う運命。救いはない。最後にある銃口を下に向けた支配者が少しいただけだ。ここからはじめなければならない。平和を願うならば。民主制を守るならば。 暴虐がなければ、人間性は守られた。しかし、暴虐のために人間性は無惨にその無様さを暴かれた。

Posted byブクログ