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すべての見えない光 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/08/25 |
JAN | 9784105901295 |
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商品レビュー
4.5
87件のお客様レビュー
滅多にない…「本物」に出会えた。 多分、今年最高の一冊だと思う。 「すべての見えない光」とは何か… ******************* 盲目の少女とナチスドイツの少年兵。 パリに暮らす少女、マリーとドイツの孤児院で暮らすヴェルナー。 深夜、「教授」の語る「世界の真理」に...
滅多にない…「本物」に出会えた。 多分、今年最高の一冊だと思う。 「すべての見えない光」とは何か… ******************* 盲目の少女とナチスドイツの少年兵。 パリに暮らす少女、マリーとドイツの孤児院で暮らすヴェルナー。 深夜、「教授」の語る「世界の真理」についての放送が始まる。。。ラジオの周波が言葉を運ぶ。 それは、戦争という狂気の中で唯一の光。 マリーとヴェルナーを結ぶ奇跡の糸。 戦況は益々、絶望的な色を増しナチスの降伏が近づく中、サン・マロの街は米軍の激しい砲火で崩れてゆく…盲目のマリーはそれでもマイクの前で朗読をする…行方の知れない父と叔父に話しかける… 瓦礫と血と炎と暗闇…戦争のもたらすあらゆる業火の中で…ヴェルナーは合わせた短波から、懐かしいあの曲を聴く…ドビュッシーの「月の光」… そして、かつて「教授」の語りに耳を傾けていた同じ短波からの少女の声が、、、ヴェルナーに再び「生きる力」を呼び覚ます… 彼女は誰なのか? あのラジオはどこにあるのか? 真実とはなんなのか? **************** 「戦争」という狂気の中で、やがて出会う2人の奇跡… **************** 「すべての見えない光」こそ「本当の光」… 大切なものは…「見えない光」なのだと。 ラジオから流れる2人を繋いだ糸も、見えない光だった。そして、それは「希望」であり「倫理」であり「愛」であり…「未来」であり…「世界の真理」だった。 今の時代はどうだろう。 見えない光が溢れている… カラフルな映像を毎日送り出すTV いつでも誰とでも繋がるSNS 現実なのか、非現実なのか戸惑うほどのリアルなゲーム…そこには、世界中、どこにいても繋がる友人がいる…会ったこともない人々… 情報は次々と物凄いスピードで現れては消えてゆく。山となって、すぐに灰となる…溢れる言葉達。 マリーとヴェルナーを繋いだ「見えない光」にあった「生きるための輝き」は、、、まだあるのだろうか? 今、私の周りに渦巻く「見えない光」は…本当の光を放つ「見えない何か」は、もっと注意深く観察しないと見つからないのかもしれない。 それでも、探したい…と思う。 そして、そんな「見えない光」は、それほど沢山…山になってすぐに灰となるほどには多くない…そんな気がしている。 **************** 余談だが、Netflixでの映像作品も見てみた。 だいぶストーリーは脚色されていて、もはや原作の形は無い…ただ…原作の「こうあったら良かったのに」 という部分が美しく描かれていた。救いになる部分だと思う。ヴェルナーを演じたドイツの俳優は、「ヒトラーの忘れ物」という他の作品にも出演しており、その作品では男優賞を受賞している。。。その役どころが、この「すべての見えない光」のヴェルナーとの関連性があり…また同じナチスドイツの若い兵士役ということもあり、歴史を知る…という意味でも興味深いと思った。とても素晴らしい俳優さんだと思う。
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第二次世界大戦中のとあるドイツの少年とフランスの少女に焦点を当てたお話。 二人にとっての日常や当たり前が少しずつ崩れていく描写が繊細に書かれています。
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まるで長い詩を読んでいるかのような小説。 戦争に巻き込まれたマリー・ロールとヴェルナーの成長を、周りの人々との交流を交えながら丁寧に描いている。 目の見えないマリー・ロールの想像の中では、全てに色がある。中でも、彼女の優しい父親は千の光を放っているという一文が印象的だった。 ...
まるで長い詩を読んでいるかのような小説。 戦争に巻き込まれたマリー・ロールとヴェルナーの成長を、周りの人々との交流を交えながら丁寧に描いている。 目の見えないマリー・ロールの想像の中では、全てに色がある。中でも、彼女の優しい父親は千の光を放っているという一文が印象的だった。 題名の『すべての見えない光』とは、物語に登場する「伝説のダイヤモンド」と呼ばれる宝石や、目に見えない電波が飛び交う無線交信、そして盲目のマリー・ロールの想像の中で放たれる色の輝きを指しているのだろう。 マリー・ロールとヴェルナーのエピソードが交互に描かれていくのだが、時系列はバラバラである。少し疑問を抱きながらも読み進めると、2人がサン・マロで束の間出会う場面で全ての意味が繋がった。 戦争の残酷さは容赦なく描かれるし、読者である自身の淡い期待が裏切られる悲しい場面もある。しかし登場人物たちの優しさに満ちたセリフや、どんな過酷な状況でも生き抜こうとするマリー・ロールの逞しさやヴェルナーの優しさが心に響く作品。
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