帰ってきたヒトラー(上) 河出文庫

ティムール・ヴェルメシュ(著者), 森内薫(訳者)

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2016/04/22
• JAN: 9784309464220

商品レビュー

2025/12/08

設定自体がとてもユニークで、映画はまだ観ていないもののタイトルだけは知っていたので、興味本位で上下巻をセットで購入。序盤は面白かったけれど、中盤あたりで一気に失速してしまい、気づけば1ヶ月ほど放置していた。それでもせっかくなので頑張って読了。

つまずいた一番の理由は、とにかく知らない人名やエピソードが大量に出てくること。自分の知識不足ゆえに楽しみきれなかったなと痛感した。おそらくドイツの文化や歴史、そしてヒトラーについてある程度理解がある人なら、笑えるポイントが多いんだろうと思う。
だからこそ、まずは映画版を観て、さらにヒトラー関連の基礎知識も少し補強してから、数年後にもう一度読み直したい。とりあえず下巻はしばらく積読で待機。

とはいえ、現代に蘇ったヒトラーが現代を完全には理解していない存在として描かれ、しかも妙に純粋で真っ直ぐなキャラクターになっているところは面白かった。周囲との会話が常にすれ違いながらも成立してしまう感じは、まるでアンジャッシュのコントのようで、そのズレが独特の笑いを生んでいたと思う。

2025/08/27

ヒトラーといえば冷徹な化け物のような印象だったがこの本では心細さを感じていたり、とにかく人間味がすごかった。当時の人が化け物に投票したのではなく魅力があり強い推進力を持った希望を託せるような人物に投票したという点が理解でき、自分が投票する際も人間的魅力だけに流されないよう気をつけないといけないと思った。

2025/07/26

ヒトラーはベジタリアンで、ドイツとドイツ人のことを真剣に考えていた。その国粋主義の愚かさゆえ、致命的な失敗を犯したのか。下に続く。