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蘇我氏 古代豪族の興亡 中公新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2015/12/01 |
| JAN | 9784121023537 |

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蘇我氏 古代豪族の興亡
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商品レビュー
3.6
21件のお客様レビュー
蘇我氏といえば日本の古代豪族として栄えた一族である事は、小学校の歴史でもよく学んできた。しかも、大方の人の記憶では、645年大化の改新とセットで、乙巳の変により、中大兄皇子と中臣鎌足が、権力を握っていた蘇我入鹿を暗殺した事件の「悪役」としての記憶ではないだろうか。そこに至る経緯も...
蘇我氏といえば日本の古代豪族として栄えた一族である事は、小学校の歴史でもよく学んできた。しかも、大方の人の記憶では、645年大化の改新とセットで、乙巳の変により、中大兄皇子と中臣鎌足が、権力を握っていた蘇我入鹿を暗殺した事件の「悪役」としての記憶ではないだろうか。そこに至る経緯も、聖徳太子死後に権力を握った蘇我氏一族(蘇我蝦夷と、その子入鹿)が天皇との外戚関係を維持強化しながら、天皇すら凌ぐ権力で我が物顔で横暴を振るうといったイメージが強い。その結果、中大兄皇子と中臣鎌足(正義)が蘇我入鹿(悪)を殺害、蘇我氏を滅ぼす、という歴史として人々に記憶されている。実際にその様な記憶が正しいのか。本書は蘇我氏の成り立ちから、衰退までを、様々な記録・文献から推測し、定説となっている悪役説に真っ向から挑んだ、といった内容だ(特に筆者がそういった立場で蘇我氏を擁護する訳ではなく、単純に事実と推測ベースで、真実に迫ろうとするものである。但し、読んでいる内に徐々に蘇我氏の不名誉を晴らそうとしてる様に、読者たる私が感じた率直な感想だ)。 歴史は勝者が作ると言われる。後世に生き残った勝者が、それまでの自分たちの正当性を訴えるために作っているといっても過言ではないだろう。本書は何よりも先ず、そこに蘇我氏に対するイメージ操作が発生している事を突いてくる。特に蘇我氏が活躍する時代は、同一族を中心に政が進められてきたのであるし、合議制に参加できる地位も同士の一族が独占している状態、極端な権力集中状態にあったと言える。誰が天皇になるかではなく、誰を天皇にするか、といったレベルにまで上り詰めている。当時は婚姻等で天皇との血縁の濃さ・強さが、そのまま権力の大きさに繋がるため、天皇になり得る皇太子同士の権力争いには常に巻き込まれ、一族以外から敵対視されるのは当然のことだ。その様な中で発生した乙巳の変と、その後の勝者の歴史という中で、敗者となった蘇我氏が当然の事の様に悪役イメージになるのは致し方ない。だが蘇我氏自体は様々な分家に分かれており、事件後もなお中央権力に力を残したまま、存続し続ける。そして再び皇子たちとの婚姻関係で、力を維持し続けている。やがては平安時代を築き上げる藤原氏として、日本史に大きく名を残す事になる。 本書からは、そうした蘇我氏の歴史を振り返る内容が主でありながら、それはそのまま日本の古代史から中世までの歴史を振り返る事とほぼ同一である事への気づきも与えてくれる。そして、歴史をさらに進めると、よく聞く戦国武将の中にも、その血を受け継いだ者たちがいた事を教えてくれる。中々、現代とは異なる名前の体系、何より似た様な名前や、地名を冠した名前などが大量に出てくるので、読み進める内に、誰が誰だったか混乱する事も多い。だが、その中でも中心的な役割を担った人物は、日本史をよく勉強した人なら、記憶から呼び起こす事は容易であろう。 何よりも、歴史は勝者が作り、尚且つ今を生きる我々は、誰かが描いた歴史物語を読んでいるに過ぎない。奈良にある多くの古墳が、誰の墓であったか、絶対的に正確な回答など誰もできない。様々な文献や誰かの分析結果を積み上げながら、更に自身の分析を加えて、遥かな悠久の時が流れた過去をイメージするしかない。絶対的な答えがなく、歴史の授業が絶対の過去を説明してる訳でもない(通説に過ぎない)。どれだけ想像力を膨らませて、推測していけるか、そこに歴史の面白さがある。本書は改めてその面白さを教えてくれる一冊だ。
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蘇我氏滅亡してないやん!っていう面白さ。あと家系図が独特で良かった。昔は親族で結婚することも多かったからというのもあるが、蘇我氏の血がどれぐらい入ってるか(1/2とか1/4)っていうアプローチが新鮮。
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蘇我氏渡来人由来説は誤り。現在の奈良県曽我が発祥の地と考えられる。始祖は葛城氏から独立した蘇我稲目。それ以前の家系図も存在するが実在は疑わしい。 王位継承に血縁原理が導入されたのは5世紀のことであり、欽明天皇と稲目により確立した。戸籍登録も行った。蘇我氏を悪と決めつけ聖徳太子や中...
蘇我氏渡来人由来説は誤り。現在の奈良県曽我が発祥の地と考えられる。始祖は葛城氏から独立した蘇我稲目。それ以前の家系図も存在するが実在は疑わしい。 王位継承に血縁原理が導入されたのは5世紀のことであり、欽明天皇と稲目により確立した。戸籍登録も行った。蘇我氏を悪と決めつけ聖徳太子や中大兄皇子による天皇中心の中央集権国家の建設を善とする歴史観では蘇我氏の開明性は説明できない。 馬子の時代、物部氏を滅ぼし政治抗争に勝利した。この時蘇我氏側についた王子に厩戸王子がいた。馬子は崇峻天皇を暗殺し、推古天皇が初の女帝として即位した。馬子、推古天皇、聖徳太子の三者共同政治体制が敷かれ、長く続いた。 次代の蝦夷は舒明天皇を補佐し、皇極天皇(女)の頃には入鹿が力をつけた。日本書紀ではこの頃から蘇我氏の横暴が描かれているが、乙巳の変を正当化するための編者の意図が窺われる。 入鹿は中大兄王子に惨殺され、蝦夷は自害させられたと考えられる。その実態は単なる権力闘争であり、どちらが善というわけでもない。 天智天皇となった後も蘇我氏から大臣が選ばれるなどしており、大化の改新で蘇我氏が滅んだというのは誤り。蘇我氏の系譜は平安時代末期頃まで見られ、下級官吏を輩出していたが、その後は没落し歴史から消えた。
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