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あなたを選んでくれるもの CREST BOOKS
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あなたを選んでくれるもの CREST BOOKS

ミランダ・ジュライ(著者), 岸本佐知子(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2015/08/27
JAN 9784105901196

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商品レビュー

4.2

64件のお客様レビュー

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2025/10/24

ミランダ・ジュライが、フリーペーパーに売買広告を出す人たちの家を訪ね、話を聞くノンフィクションのインタビュー集。 初めピンときていなかったけど、フリーペーパーに広告を出すということは、つまりPCを持っていないか使えないか、1人1人事情は違えど、時代に乗り遅れた人たちということ。だ...

ミランダ・ジュライが、フリーペーパーに売買広告を出す人たちの家を訪ね、話を聞くノンフィクションのインタビュー集。 初めピンときていなかったけど、フリーペーパーに広告を出すということは、つまりPCを持っていないか使えないか、1人1人事情は違えど、時代に乗り遅れた人たちということ。だからすごく個性派、というかはっきり言ってしまえばミランダとは階級が違う、生活保護を受けている人や、相当な変人ばかり。 この人たちの哀愁がすごくて、これ外国の人だからどこか現実感なく物語のように読めるけど、日本人バージョンだったら心が痛んで読めないんじゃないかと思った。ミランダも全く遠慮なく、刑務所に入っていた人と会って「誰もがこういう人物のアパートに入るはめにだけは陥るまいと心がけて一生を送るようなタイプの人間」と書いたり、動物を山のように飼う女性にフルーツサラダをもらって、パイナップル一切れだけ食べて残りはボウルごと捨てたりしているし…。辛い。 実際こういう人たちと付き合うのは綺麗事じゃなくきついんだろうけど、インタビューした人たちは大抵ミランダを引き止めようとすることもあって、なかなかに切ない気持ちになってしまう。 この人たちの人生がノンフィクションだと思うと、生きることの惨めさ、悲しさ、いじらしさをひしひしと感じずにはいられない。ラスト、ジョーとキャロリンとの出会いだけは、少しの優しさ、あたたかさがあって良かった。

Posted by ブクログ

2025/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フリーペーパーである「ペニーセイバー」に書かれた売り出し中のものを頼りに、許可が降りた売り手に突撃インタビューをかけにいくというノンフィクション。 舞台はアメリカということで、やはり日本とは背景や考え方が違う人が多いなと感じた。 作品の中にもあるように、「ペニーセイバー」に出品する人たちは年齢などなんらかの理由でパソコンを使わない人たちである。メルカリが当たり前の日本だが、フリーマーケットに近い出会いなのかもと感じた。 そんな普段であればあまり出会わない人たちの話を聞く、というのはおもしろい考えだと感じた(訳者あとがきにあった、著者考案のアプリ「somebody」もおもしろそう)。 最後のジョーとの出会いはおもしろいものの、それまでに出会った人たちとの内容が少し薄かったのが残念。 おたまじゃくしを売るアンドルーや、自分が警察官になった空想を持ちながら過ごすキューバからの移民ドミンゴなど、もっと掘り下げたらいいのにと感じた。 また、インタビューさせてもらっている立場でありながら結構辛辣な言葉を並べている点も気になった。本人たちが読んだ時、どんな気持ちになるかと思うと少し悲しい気持ちになった。 写真付きのノンフィクションであるからこそ、私に人生があるように自分にとっては普段交わることがない人にも同じように人生があるということを痛感できた。 ただ、タイトル「あなたを選んでくれるもの」が適切なタイトルなのかは少し疑問。 この作品の映画「ザ・フューチャー」も見てみたい。

Posted by ブクログ

2024/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画監督である著者が、完成間近の脚本でスランプに陥って行き詰るところから話が始まる。そして思い付きで、メルカリやジモティーのオフライン版みたいな小冊子「ペニーセイバー」でものを売る人たちを訪ねて行ってインタビューすることを始めるのだ。そのインタビュー集がこの本。 出てくる人たちはみんな度肝を抜かれるような個性的な人々で(そもそも貧しさなどの理由があってこのご時世にインターネットを使用できない人々なのだ)、著者の短いインタビューでも強烈な印象を残す。他人のアルバムを集めて売ってるバム、オタマジャクシを売ってる高校生のアンドルー、あと妻に送ったエロいクリスマスカードの表紙だけ売ってる老人ジョーの話が面白かった。 最後の最後にインタビューしたジョーとの出会いが、脚本を大きく動かすのみならず著者の人生観まで変えていってしまう流れは本当に映画みたいだった。50歳を過ぎたら人生の残りは小銭みたいなもので何も成し遂げられないと書いていた彼女が、別に何歳だって人生は小銭で、その寄せ集めで、それこそが美しいのだ、と悟っていく。 ふんだんに載せられている写真がどれも良かった。こちらをまっすぐに見つめてくるまなざし、生活感あふれるごちゃごちゃのテーブル、ペット、古びた売り物の何か。おしゃべりなおばあさんの売ってるスーツケースがかわいくて、正直ちょっと欲しい。 ただ、読んでいると、インタビューする類の人たちにあまり関わり合いになりたくなさそうな著者の腰が引けた姿勢が気になってしまう。人生のことをインタビューするのに、彼らに寄り添うとまではいかなくても、深い話をしようという気が全くないのがもったいなく感じる。もらった食べ物を即捨てたり昔の盗みを誰でもすることみたいに悪びれもせず告白しているあたりもなんだかちょっと嫌だった。

Posted by ブクログ