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まるで天使のような 東京創元社文庫
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まるで天使のような 東京創元社文庫

マーガレット・ミラー(著者), 黒原敏行(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2015/08/01
JAN 9784488247096

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商品レビュー

3.9

30件のお客様レビュー

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2026/05/13

えっ終わり?!と久々にびっくりしてしまいました。ページめくったら解説なんだもの……。 ということで、幕切れにやや唐突感はありましたが、2冊目のマーガレット・ミラーも堪能いたしました! 本書は1962年の刊行なのですが、あらすじには「山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉...

えっ終わり?!と久々にびっくりしてしまいました。ページめくったら解説なんだもの……。 ということで、幕切れにやや唐突感はありましたが、2冊目のマーガレット・ミラーも堪能いたしました! 本書は1962年の刊行なのですが、あらすじには「山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた」とあり、なかなか現代風に感じます。昨今、新興宗教団体が出てきても目新しさは感じませんが、当時はどんなふうに受け止められたんだろう……。 そもそも本書、帯に「"最後の一撃"という表現がこれほどまでにふさわしい終幕は他にない」とあるのですが、やっぱりこれを表に出すのはよくないと個人的に思うんです。 数々の"最後の一撃"を食らってきているわけで、どうしても心構えができちゃいますからねぇ。 本書に関しても、結末のすこし前からその予兆はあったため、ある程度予想がついてしまったというのが正直なところ。 しかし、そこに至るまでの緊迫感はこの前読んだ『狙った獣』と並ぶものがありました。 ……と、いろいろ言ってしまいましたが、全体を通して私好みな一冊! なにより、(いちおう)探偵役であるジョー・クインのキャラクターがとても良い。 ギャンブルですってんてんになってしまったところから始まり、成り行きで「パトリック・オゴーマン」なる人物を探すことになるクイン。 彼は、初対面の人には必ず「もっと真面目に話せないのか?」と言われてしまうほど"軽い"人物。皮肉を交えた彼の切り返しに、何度ニヤリとしたことか……。 でも、ヘラヘラして無責任かというとそんなことはなく、根は誠実だし記憶力も抜群なので、なんというか口から生まれてきたタイプの人間なんでしょうね。 そんなクインだからこそ、「もしやこの減らず口もなにかのミスリード?」と疑ったりもしましたし、珍しく素直な台詞を口にするシーン(一度しかないのでは?)では謎の感動を覚えてしまいました。 そんな調子なのに行く先々でなぜか人に受け入れられるのは、そんな"根っこの人の良さ"がバレてしまってるんだろうなぁ。 本書は言ってしまえば地味な展開で、冒頭から新興宗教団体は出てくるものの害があるようには思えず、ページが進んで出てくるのは、数年前に起きてすでに書類上は決着がついている失踪と横領事件のみ。ひたすらクインが移動して誰かに話を聞く、その繰り返しです。 でも退屈するどころか、ずっとこの語りを聞いていたいと思えるくらい、私には文体(翻訳)がぴったりでした。『狙った獣』と違ってサスペンス感もあまりないですし。 調べてみると黒原敏行さんは、ウィリアム・アイリッシュの『幻の女』やクリスティーの『ナイルに死す』を訳された方。ああ、どうりで! 今回は人物と時系列に混乱してしまった部分もあるので、再読時にはミスリード含めてじっくり楽しみたいと思います。 マーガレット・ミラー、とても気に入りつつあるのに本が手に入りにくいのが本当に残念。。 とりあえず『鉄の門』はぽちりましたが、今後も引き続きミラーの作品を見かけたらチェックしていきたいと思います!

Posted by ブクログ

2026/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人里離れた山の中に隠れた宗教団体があった。文無しになったジョーは、自給自足で排他的なその集団に迷い込んだが。 マーガレット・ミラーは「ミランダ殺し」に続いて二冊目。 先に「半身」を読もうとして探したが見つからなかったので、これを読んでみた。 最初は随分淡々とした流れで、静かなミステリという印象だった。 最近読んだ特捜部Qもこの作品も、新興宗教団体の話で、北欧もアメリカも、同じように人は宗教に救いを求めているのか。平和であってもなくても心の波立ちを鎮めるには祈りと実践なのだろうかと、国は変わってもこういう生活があることを実感しながら読んだ。 主人公は元私立探偵のジョー・クインという。 ギャンブルで文無しになり、ヒッチハイクをしていて、山の住人に拾われた。 山の中には、塔があり、孤立している宗教団体があった、中には30人に満たない人々が自給自足の生活をしている。そこで一夜の宿と食事を求める。 信者の元看護師「救済の祝福の修道女」から120ドルでオゴーマンという男について密かに調べるように頼まれる。 隔離され、所持品も制限されている中で、なぜ120ドルを隠し持っていたのか、なぜ男の安否が気になるのか、クインはこの謎を解いてみたいと思った。 150キロほど下りた小さな町でオゴーマンという男の足取りを調べ始める。皆が知り合いという変化のない生活を続けてきた人々は噂話に事欠かない。 深く入り込んでみると、車の事故の後で姿を消したオゴーマンをまだ探し続ける妻、週刊誌を出している情報源のジョン。不動産会社社長のジョージ、横領を続けていて今は服役中のその妹、いわくありげな美人の共同経営者、過保護な母親と息子、目立った住人の数は少ないが、それぞれ充分何かいわくありげだ。噂は残っていても、オゴーマンはどこにも居ない、消えてしまっている。 そして修道女に犯人から手紙が来てオゴーマンが5年前に死んでいることが分かる。 さらに修道女が毒殺され、新入りの信者が塔の最上階から飛び降り自殺、凄惨な出来事が続きだす。それを手掛かりに捜索の方向が見え始める。 ついに最後の三行で明かされる真実が驚きと悲哀を残し、これこそマーガレット・ミラーらしく全ての話が繋がる。 手がかりを追ううちに、人々の裏の顔も見え、ふと立ち寄った町ではあるが、深いつながりも生まれクインの人生観も変わっていく。 気楽なギャンブラーだった男が人々のふれあいとともに心境が変化していく様子や、宗教団体が崩壊する有様など、人の生き方が運命的であればあるほど、それを変えさせる出来事が、偶然に、不意に訪れることを素直に時間を追っていく方法で書いている。古い地域の濃い人のつながりを良くも悪くも興味深く読んだ。 読みやすい新訳だったのはラッキーだった。

Posted by ブクログ

2025/11/24

カジノで負けて一文無しになってしまった主人公クインが、世間から隠遁している新興宗教の施設に転がり込んだら、そこの修道女からパトリック・オゴーマンという男性の消息を探ってほしいと依頼されたので奔走する…というミステリ。 オゴーマンが住んでいたという街に行って聞き込みをすると、五年前...

カジノで負けて一文無しになってしまった主人公クインが、世間から隠遁している新興宗教の施設に転がり込んだら、そこの修道女からパトリック・オゴーマンという男性の消息を探ってほしいと依頼されたので奔走する…というミステリ。 オゴーマンが住んでいたという街に行って聞き込みをすると、五年前に事故死していると回答があったが、その事故死に疑問を抱いてさらに調査を進めてみると、どんでん返しの真相が待ち受けていましたという結末。 主人公クインが飄々としていてジョーク混じりのセリフも面白く、なかなか楽しめました。

Posted by ブクログ

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