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氷 ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2015/03/01 |
| JAN | 9784480432506 |
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氷
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氷
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商品レビュー
3.7
63件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
有名な本だよなぁーって思って買った。話の進め方が複雑だけども、雰囲気で読めるし短いので一気に読めた。閉塞感と不安感が凄かった。最後なんやかんやで2人で出発できて良かったね。もう暴力的な態度を取るんじゃないよ
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論理的な展開は無いので、詩を読むように世界観を感じる小説だと思います。訳がいいのかとても読み進めやすい文章でしたが、100ページで挫折。
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「痴話ゲンカ」と「世界の終わり」のクロスオーバーは"セカイ系"の源流? 知り合いが企画した一箱古本市で、ふと目に入ったちくま文庫の背表紙『氷』一文字のタイトル。ペラペラめくってなんとなくカフカっぽいのかなと思い(あとで本当に著者がカフカに影響を受けていたと知...
「痴話ゲンカ」と「世界の終わり」のクロスオーバーは"セカイ系"の源流? 知り合いが企画した一箱古本市で、ふと目に入ったちくま文庫の背表紙『氷』一文字のタイトル。ペラペラめくってなんとなくカフカっぽいのかなと思い(あとで本当に著者がカフカに影響を受けていたと知る)、これもご縁とほとんどジャケ買いのように購入しました。 本を開いてまず気おされるのが、まるで黒い壁のごとく文字で埋め尽くされたページです。改行や段落分けは本当に最低限。本の虫と言えるほどでない私は挑むような気持ちで読み始めました。 物語の前半から中盤までは、戦火に覆われつつある世界で、主人公は「少女」を探し求め、同じく少女を我が物にしようとする「長官」と関わっていく。基本的にずっと場面を変えつつそれを繰り返すだけで、読んでいて退屈しなかったと言えばウソになります。 私が感じた退屈さの原因のひとつには、読者を置いてけぼりにする構造の不条理さがあるのではないかと。現実と妄想の区別、視点の移り変わり、場面転換などの文章の変わり目が、明確にしめされないのです。時間軸もしれっと前後しているように思えます。文章上で現実と妄想と回想の区別がなく、さらにどの場面が回想なのか、誰の視点に変わったのか等の答え合わせはされません。この本は道筋立ったおさまりのよさを徹底して避けているように感じました。幾度とハシゴを外された読者は次第に物語を「あきらめる」。「きっと伏線の回収はされない。きっと残された謎の正解は示されない。カタルシスは起こらない。だって不条理ってこういうことなんでしょ?」と。 しかしストーリーの停滞を打ち破り、転がるように終末へ向かう世界を描いた最終章は一転してスリリングです。主人公はサイケデリックで宗教的な「生の真理」を感じとり、しまいにはマッドマックス的な終末世界の荒野を行くカーチェイスまで起こり(時系列的にこっちの方がマッドマックスより先ですが)、ラストシーンは冷たく美しい。打って変わってサービス精神たっぷりな終盤、このために長い苦行があったのかとすら感じました。 全編を通して印象的だったのは、どうしても主人公と長官の加虐欲求を掻き立ててしまう、少女の官能性です。読んでいて私は吉田戦車のマンガ『いじめてくん』を思い出しました。こいつをいじめていいのは俺だけだ!と思いながら(ジャイアンか!)、主人公と長官が小競り合いしている様に、怖さとひとさじの滑稽さを感じました。 身もフタもない安直な言い方をすれば少女はメンヘラヒロインです。幼い頃に親から虐待を受け、痩せた身体、美しい髪、生気のなさ。著者は少女の心の繊細さをそのまま心象描写するのでなく、少女の体の動き等に心の内を語らせています。少女の不幸な儚さがよく表現されているなと思いました。正直いまこんなこと言いづらいですけど、加虐されるシーンほど少女の魅力が引き出されているように感じてしまいました。でもフィクションの存在意義ってこういうことだとも思っています。著者は実際に支配的な母親の元で育ち、精神的な病に苦しんだという。少なからず自身を少女に投影した部分があるのでしょうか。 物語がラストに近づくにつれ主人公と少女の追走劇も盛り上がり、しまいには、上位でいたい男とメンヘラ少女の、超壮大な痴話ゲンカやないか!とすら思えてきてワクワクしました。パーソナルな「痴話ゲンカ」と、壮大スケールの「世界の終わり」のクロスオーバーという点では、いわゆる"セカイ系"の源流と言えるのかも。 最後の最後、本当に最後の一文で、逃れられない終末が迫るなか主人公がどんな最期を迎えようと考えているかが示唆されて、幕はおろされます。まこと勝手なクズ野郎の主人公だし、結局それについていってしまう少女も少女だけれど、ラストシーンに美しさを感じるのは著者の表現力のたまものでしょう。
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