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の商品レビュー

3.7

57件のお客様レビュー

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2023/12/05

社内のビブリオバトルで同僚が紹介してくれたのをきっかけに読み始めてみた。 自分では選ばないやつでそういうのに出会えるのはいいことだ。 スリップストリームというのはこういうものなのか、というのがまだわかってないけど、なかなか独特なテイストの小説なことはわかった。 得意かどうかと...

社内のビブリオバトルで同僚が紹介してくれたのをきっかけに読み始めてみた。 自分では選ばないやつでそういうのに出会えるのはいいことだ。 スリップストリームというのはこういうものなのか、というのがまだわかってないけど、なかなか独特なテイストの小説なことはわかった。 得意かどうかといわれると ちょっと苦手な感じかなぁ。。。

Posted byブクログ

2023/11/01

くっついたり離れたりなんやねんって思うけど読むのやめれんし中毒性あった 定期的に読みたいから買います

Posted byブクログ

2023/09/12

世界が少しずつ氷で覆われていく世界で、姿を消した一人の少女に執着する諜報部員の主人公が、少女の痕跡を頼りに痕を追うという話。 とてもおかしな物語で、唐突に差し込まれる夢なのか現実なのか不明瞭なイメージに振り回される。存在するのかわからない少女のことを執拗に追い続ける主人公も、信...

世界が少しずつ氷で覆われていく世界で、姿を消した一人の少女に執着する諜報部員の主人公が、少女の痕跡を頼りに痕を追うという話。 とてもおかしな物語で、唐突に差し込まれる夢なのか現実なのか不明瞭なイメージに振り回される。存在するのかわからない少女のことを執拗に追い続ける主人公も、信用出来ず、これは主人公の幻のようにも見える。登場する少女の他にも世界を飲み込もうする氷、主人公が少女の幻を諦めようとする度に登場するインドリという猿、そして主人公と合わせ鏡のような敵役の長官あたりも象徴的なイメージのようにも解釈出来る。 アンナ・カヴァンは幼少期から情緒が不安定であり、作家になってからはヘロインを常用していたようである。 この『氷』に登場するイメージの数々は物語に登場する機能としての展開や人物と割り切ることも出来るが、アンナ・カヴァンの現実を侵食する不安定さ、不条理さのようにも見える。 登場人物、そしてその旅の行方も不安定でありながら、光の見えない絶望に満ちた世界を美しいイメージで描かれていて、この妙なバランスが刺さる人には深く刺さる。 自分は傑作だと感じた。

Posted byブクログ

2023/06/15

 凍てつく雪と氷とに覆い尽くされてゆく、あまりにも美しい無情な光景に魅了される。  力を込めてそのガラスのような体を一思いに打ち砕いてしまいそうな暴力への志向・衝動と、無垢な姿に狂おしいほどに憧れてしまう純粋な気持ちとの両存によって人は本当の意味で引き裂かれているのかもしれない。

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2023/05/06

第79回アワヒニビブリオバトル「24時間耐久ビブリオバトル@オンライン」第14ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。 2021.09.18

Posted byブクログ

2023/03/20

基本的には優しく一途だが本質的には相手のことを理解しておらず、自分の気持ちが届かないと相手の責任だと拗ねてしまう男と、自分が求めずとも周りが放っておかずに常に拠り所となる特定の相手が存在して、先の本命が拗ねて離れて行った時にはその時々の相手に依存できる女との、別れては復縁を繰り返...

基本的には優しく一途だが本質的には相手のことを理解しておらず、自分の気持ちが届かないと相手の責任だと拗ねてしまう男と、自分が求めずとも周りが放っておかずに常に拠り所となる特定の相手が存在して、先の本命が拗ねて離れて行った時にはその時々の相手に依存できる女との、別れては復縁を繰り返す愛の物語。現代的に言えばこんな感じの二人の関係を、世界の滅亡が迫ると共にお互いが確かめあっていく。 読み終えてみてこのように感じた。この感じ方は正しいか正しくないかは人それぞれありそうだが、なにせ読んでいる途中でちょっと気を抜くと場面が変わっていたり、(物語の中の)現実か非現実か戸惑うこともあり、登場人物のセリフや行動すら不確かなようにも思えたからだ。 反面、タイトルでもある「氷」はこの物語の中では確実で絶対のものであり、世界が氷に覆い尽くされていく。ただこれも物語の後半あたりから急速に展開されていくもので、そこまでの話は主人公がどこまでも少女を追い求めていく内容である。二人の関係性は一時として穏やかに落ち着くことがないように、物語全体としても雪や夜など寒々しく不穏な印象が強い。不思議な没入感はあるのだが、個人的にはなかなか読み通すのに苦労した。だが、心の中には強く残る。この世界観に酔いしれるのが良いのかもしれない。

Posted byブクログ

2023/03/19
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ごく少ない登場人物で話は進んでいくが、読者が一人一人を深く知る術はない。主要人物の名前すら分からないままだったのに、最後までしっかりと読まされてしまうのが興味深かった。 氷によって人類が滅亡すること、戦争が起きていること、主人公は少女を探していること、少女にはいつも保護者のような存在がいること、そのくらいしか分からない。でも息を呑むほどの美しい文章や、終末の絶望感、酷寒の凍る息を間近に感じながら主人公を追ってしまう。飽きない不思議な魅力があった。 次第に主人公がどんな性格なのかが分かってきて穏やかでなくなってくる。少女は何もかも知っていたんだということが終盤は痛いほど分かる。 誰にも共感はできず、けれど耳を傾けてしまう小説だった。

Posted byブクログ

2023/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

氷と少女にまつわるお話。氷は死とか、時勢的に核や戦争のメタファーなんだろうなと思うんだけど、おそらく愛する人の象徴である少女に対して、主人公がやれ腕が細いだの華奢だの銀髪が美しいだのくどいほどに外見描写ばっかりで、いざ捕まえたらその子がエステに行ったり社交的になってこれじゃなかったとか言い出すあたり、外見ばかり見てないでちゃんと対話しろよと言いたくなった。それでいったん関係解消して、ほかの男の持ち物になったらまた執着しはじめるし。少女が「自分で自分を守りたかっただけ」っていうのは、作者の価値観も含まれているんだろうなと思ったり。 全体を通して脈絡や一貫性はなく、港町でいけにえになって死んだ少女がすぐに復活したり、夢のような描写が多い。 主人公は少女を求めて見知らぬ土地をさまよい、最後は二人で雪の吹きすさぶ中を冒頭と同じく車で出発する。冷たい世界も二人なら大丈夫、的なエンドに思えるけど、もしそうだったらちょっと陳腐だったな。

Posted byブクログ

2023/02/03

「ーー世界を隅々までを覆いつくす氷の世界。少女を取り囲む山のような氷の壁ーー私たちの世界の死を見つめている死んだ月の眼。」 題名にある「氷」の世界中に広がる侵食と少女を巡る主人公の旅物語。戦争と暴動と略奪と餓死と廃墟。でも何故だか私たちの死を決定付ける「氷」はどこか美しい

Posted byブクログ

2022/09/27

カヴァンの最高傑作、幻想文学の最高峰。30年前に出会ったあの感慨が今蘇る。サンリオから全面改訳したバジリコ版とほとんど変わらず。プリーストの序文と川上さんの解説が追加したのでまたしても購入、読了。やっと入手しやすくなったことに本当に感謝したい。

Posted byブクログ