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亡命ロシア料理 新装版
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 未知谷 |
| 発売年月日 | 2014/11/01 |
| JAN | 9784896424584 |

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商品レビュー
3.9
25件のお客様レビュー
まず「亡命ロシア」の意味がわかっていなかった。谷崎潤一郎の「細雪」に出でくるキリレンコさんみたいな人たちを予想していたら、違った。キリレンコさんたちのように、ロシア革命直後のロシアから西側への亡命者は「第一の波」。「第二の波」は第二次世界大戦時の亡命者、この本の著者を含む1970...
まず「亡命ロシア」の意味がわかっていなかった。谷崎潤一郎の「細雪」に出でくるキリレンコさんみたいな人たちを予想していたら、違った。キリレンコさんたちのように、ロシア革命直後のロシアから西側への亡命者は「第一の波」。「第二の波」は第二次世界大戦時の亡命者、この本の著者を含む1970年代以降の亡命者の波は「第三の波」と言うそうだ。(35ページ) 考えてみれば、第二の波も第三の波もユダヤ系の人たちだ。だから、この本は「1970年代以降にソ連からアメリカに移住したユダヤ系ロシア人料理」ってことになる。この『ユダヤ系』という部分を迂闊にも予想していなかったから、驚いちゃった。著者の2人はロシア語使用者だし、アメリカ移住後もロシア語のメディアに文章を載せ続けていたようだし、ロシアの文学作品への言及や引用も多いし、ロシアについて語っているんだけど。東欧・ロシアでのユダヤ系の人たちの存在感がいかに大きいかをしみじみ感じた。 料理の紹介は一編が短め。言葉遊びの連続。ソ連やアメリカに対して、ピリッとスパイスの効いたコメントが豊富。料理の材料や調理方法の描写も妙に細かく念入りで、美味しそうなんだけど、その凝り具合がなんか笑える。 こういうユーモアって、1970年代から90年代のアメリカ文化の中ではお馴染みだったような。文学や映画の中で。ロシアについて知りたくて、手に取った本だけど、ユダヤ人についてもっと知りたくなった。訳者あとがき、面白かったし。あ、でも、ボルシチやピロシキだけじゃないロシア料理をあれこれ食べてみたい気持ちになりました。
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アメリカに亡命したロシア人の書いた、ロシア料理にまつわるエッセイ。若干アメリカのことをディスってる。 最初の、ロシア料理には壺を買いなさい、という話から面白かった。 ロシアではきゅうりはピクルスとして親しまれているらしい。日本では夏野菜のイメージなのでロシアで育てられているのが...
アメリカに亡命したロシア人の書いた、ロシア料理にまつわるエッセイ。若干アメリカのことをディスってる。 最初の、ロシア料理には壺を買いなさい、という話から面白かった。 ロシアではきゅうりはピクルスとして親しまれているらしい。日本では夏野菜のイメージなのでロシアで育てられているのが意外。ロシアのきゅうり畑って広大なんだろうな。 以下メモ ・アメリカでは魚は普通、綿の塊のようなものだと思われている。それをパン粉にまぶして揚げるのだが、それを見ていると胸やけが起こり、ハンバーガー以外のあらゆる食べ物が嫌でたまらなくなる。 ・哀れな騎士(料理名) パンの厚切りを生クリームにつけて柔らかくし、グラニュー糖を振り、フライパンを使ってバターでクルトンみたいにこんがりときつね色に焼く。これを食べて瘦せることはない。そのうえパンをたくさん食べることは身体に悪いそうだ。しかし、そもそも人生とは有害なものなのだ。なにしろ人生はいつでも死に通じているのだから。 ・本当の食欲は、料理に対して作り手として興味を持つことからだ。 ・ロシア人とフランス人はいったいどこが違うのか。 答えは簡単。フランス人はカエルを食べる。だからロシア人の方が明らかに優れているのだ。 ・にせうさぎ(料理名) 名前から、栄えある肉製品に分類されていることまで、すべてが偽物。 肉入りプディング(ミートローフ的な?) ・アメリカのパンほどまずいものはない。ロシアではパンは愛されてきた。アメリカ人には穀物など惜しくないのだ。なぜならダイエットに必死でカロリーの高い穀物は憎しみの対象なのだ。 アメリカ人の作る、あの綿のようにふわふわした代物。いったいどうしたらあんなものができるのだろうか。それはアメリカ人がパンを憎んでいるからとしか説明がつかない。
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アメリカへ移住した食いしんぼうなユダヤ系ロシア人文芸批評家コンビによる、ロシア料理を啓蒙し、アメリカ人の健康志向を茶化しまくる小気味良いエッセイ。 タイトルと表紙の印象で真面目な内容なのかと思っていたら、軽口だらけのコラムを集めた楽しい本だった。 80年代のダイエットブームが...
アメリカへ移住した食いしんぼうなユダヤ系ロシア人文芸批評家コンビによる、ロシア料理を啓蒙し、アメリカ人の健康志向を茶化しまくる小気味良いエッセイ。 タイトルと表紙の印象で真面目な内容なのかと思っていたら、軽口だらけのコラムを集めた楽しい本だった。 80年代のダイエットブームが吹き荒れるアメリカで書かれ、著者たちはそれがいかに愚かかと何度も腐しまくる。そんなふうに舌鋒鋭いなかにも、「神聖なものを何も持たない人々のことなど、相手にする意味がいったいあるだろうか」とロシア料理への郷愁を擁護したり、「料理というのは才能よりも熱意を必要とするユニークな芸術だ」という気の利いた言い回しがあったりする。 レシピは実用的というよりも、同胞には故郷の味を思い起こさせ、それ以外には未知の味わいへ挑発的に誘うかのように書かれている。ロシアでクレソンがよく使われるというのは中国料理との関連を感じたし、チーズを使う料理が少ないのは全部スメタナ(サワークリーム)が代用しているのではと思ったり。ロシアは「川の国」だという分類学も面白かった(著者たちが祖国でシーフードを食べなかったのはユダヤの戒律のせいらしいけど)。伝統の味を称揚しながら、その味を守ってきた主婦たちへの敬意が感じられず、ジェンダーロールから抜けだしていこうとする女性を安直な揶揄でおちょくっているのは残念だけど。 そして大事なのは、ひたすら保守的に故郷の味を懐かしむだけではないということだ。最後には大食漢の詩が朗々と歌い上げられ、「そしてきっといつの日か、全能の美食家の指揮の下/整列し行進するのは、ハリコフのステーキ、アボカドの白い果汁/マサチューセッツ・ボルシチ、そしてアストラハンのバナナ/僕たちが心待ちにしているのは、こんな楽しいパレードだ」と締められる。〈亡命ロシア料理〉とは、アメリカだからこそ実現する新しい食文化の名前だったのだ。
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