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亡命ロシア料理 新装版 の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2024/06/28

アメリカへ移住した食いしんぼうなユダヤ系ロシア人文芸批評家コンビによる、ロシア料理を啓蒙し、アメリカ人の健康志向を茶化しまくる小気味良いエッセイ。 タイトルと表紙の印象で真面目な内容なのかと思っていたら、軽口だらけのコラムを集めた楽しい本だった。 80年代のダイエットブームが...

アメリカへ移住した食いしんぼうなユダヤ系ロシア人文芸批評家コンビによる、ロシア料理を啓蒙し、アメリカ人の健康志向を茶化しまくる小気味良いエッセイ。 タイトルと表紙の印象で真面目な内容なのかと思っていたら、軽口だらけのコラムを集めた楽しい本だった。 80年代のダイエットブームが吹き荒れるアメリカで書かれ、著者たちはそれがいかに愚かかと何度も腐しまくる。そんなふうに舌鋒鋭いなかにも、「神聖なものを何も持たない人々のことなど、相手にする意味がいったいあるだろうか」とロシア料理への郷愁を擁護したり、「料理というのは才能よりも熱意を必要とするユニークな芸術だ」という気の利いた言い回しがあったりする。 レシピは実用的というよりも、同胞には故郷の味を思い起こさせ、それ以外には未知の味わいへ挑発的に誘うかのように書かれている。ロシアでクレソンがよく使われるというのは中国料理との関連を感じたし、チーズを使う料理が少ないのは全部スメタナ(サワークリーム)が代用しているのではと思ったり。ロシアは「川の国」だという分類学も面白かった(著者たちが祖国でシーフードを食べなかったのはユダヤの戒律のせいらしいけど)。伝統の味を称揚しながら、その味を守ってきた主婦たちへの敬意が感じられず、ジェンダーロールから抜けだしていこうとする女性を安直な揶揄でおちょくっているのは残念だけど。 そして大事なのは、ひたすら保守的に故郷の味を懐かしむだけではないということだ。最後には大食漢の詩が朗々と歌い上げられ、「そしてきっといつの日か、全能の美食家の指揮の下/整列し行進するのは、ハリコフのステーキ、アボカドの白い果汁/マサチューセッツ・ボルシチ、そしてアストラハンのバナナ/僕たちが心待ちにしているのは、こんな楽しいパレードだ」と締められる。〈亡命ロシア料理〉とは、アメリカだからこそ実現する新しい食文化の名前だったのだ。

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2023/05/19

亡命というが、特段政治的に迫害されたということもなく、単に、「ソ連」を捨てて出てきた人たちのようだ。 著者達の属性が後書きまでいかないとわからないので、ちょっとどう呼んでいいのかわからない気持ち悪さがあった。 母国と、米国への、皮肉や郷愁などが、軽いんじで述べれられていて、良い。...

亡命というが、特段政治的に迫害されたということもなく、単に、「ソ連」を捨てて出てきた人たちのようだ。 著者達の属性が後書きまでいかないとわからないので、ちょっとどう呼んでいいのかわからない気持ち悪さがあった。 母国と、米国への、皮肉や郷愁などが、軽いんじで述べれられていて、良い。レシピの紹介もあるのだが、あんまり美味しさが伝わってこないのが残念だった。 まあ、読み飛ばすには悪くない。

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2023/03/18

ロシアの人って、こんなに理屈っぽいのかしら??? 読み進めるうちに、思わず苦笑いしてしまうそんな本です。 そして、ボルシチが食べたくなりました。

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2022/02/07

アメリカに亡命しているロシア人が母国とアメリカへの愛と憎しみをスパイスにロシア料理を紹介。 そのさじ加減が絶妙でクスリとさせられる。 翻訳者の沼野充義は知っていたけど、自分では決して見つけられない本。持つべきものは書店員の友人。

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2021/12/30

ツイッターで話題になっていたので③ 意外にも、ユーモアにあふれていた本だった。 料理もおいしそう。

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2021/12/29

70年代にアメリカに亡命したユダヤ系ロシア人(リガにいたそうなので旧ソ連市民かな)による比較文化お料理エッセイ。 ミーシン教授の語り口はロシアンスタイルなのだなと納得する、ああいうかんじ。 レシピ本みたいな題だけどエッセイだった。レシピ本としてはパセリの根とかスメタナ(サワーク...

70年代にアメリカに亡命したユダヤ系ロシア人(リガにいたそうなので旧ソ連市民かな)による比較文化お料理エッセイ。 ミーシン教授の語り口はロシアンスタイルなのだなと納得する、ああいうかんじ。 レシピ本みたいな題だけどエッセイだった。レシピ本としてはパセリの根とかスメタナ(サワークリーム)とかなんとかダケなるキノコとか、どこにあるんやみたいな材料が多いし急に壺を用意しろみたいなことを言い出すので怠惰な二十一世紀型日本人にはハードル高い。 亡命者なのだから当然ではあるけど祖国の政治には思いきり批判的、だけども文化の誇りを持ち続ける「亡命ロシア人」とみずからを定義する2人による料理を起点に東西の文化を語る軽妙な(じゃっかん過激な)文章をその食卓に招かれた気分で読める楽しい本でした。

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2021/12/03

本屋さんをぶらぶらしてたとき目に止まり、これは買うしかない…!と一目惚れで買った。 初っ端から「愛を打ち明けるとき、日本人は手のひらを胸にはではなく、胃のあたりに当てるという。日本人は魂が腹に宿っていると信じているのだ。だからこそ、ハラキリをして魂を外に解き放ってやるのだろう。...

本屋さんをぶらぶらしてたとき目に止まり、これは買うしかない…!と一目惚れで買った。 初っ端から「愛を打ち明けるとき、日本人は手のひらを胸にはではなく、胃のあたりに当てるという。日本人は魂が腹に宿っていると信じているのだ。だからこそ、ハラキリをして魂を外に解き放ってやるのだろう。」という面白い一文から始まる。わたしたちは腹に魂が宿っているのか。笑 本書はソ連からアメリカに亡命した著者2名が祖国のロシア料理を懐かしみつつ、切れ味鋭くアメリカの悪口(?)を言いながらロシアの美味しい料理を紹介してくれる。キレッキレである。 私は今までロシア料理を食べたことがない。 本書を読む限り、ロシア料理はとてつもなく時間がかかり、サワークリームを愛用し、肉は塊で鍋に入れ、時に細かく時に大雑把で、ロシア人はロシア料理を愛している─ように感じる。 基本的に各章で作り方をしっかり書いてくれるので、これに沿って作れば美味しいロシア料理が出来そう。 今まで全く興味のなかったロシア料理だけど、作ってみたいしお店にも行ってみたい。まずはペリメニとサワークリームから!

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2021/02/09

冷戦時代、ソ連からアメリカに亡命したロシア人による、望郷ロシア料理本。 アメリカ含めた西側諸国を適度にディスりつつ、ロシア料理を愛を込めて紹介してくれている。 解説は最後に読む派だが、本書に関しては先に読んで著者の背景を知ってから本文に入った方が良さそう。 サワークリームも常備し...

冷戦時代、ソ連からアメリカに亡命したロシア人による、望郷ロシア料理本。 アメリカ含めた西側諸国を適度にディスりつつ、ロシア料理を愛を込めて紹介してくれている。 解説は最後に読む派だが、本書に関しては先に読んで著者の背景を知ってから本文に入った方が良さそう。 サワークリームも常備しておいた方が良さそう。

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2020/07/21

にんにく文化がある地域は平和。なぜなら料理が美味しいから!! っていう盛大な話とかがあったりするんだけど、とにかく食へのこだわりと食文化の崇高さを感じさせる本。 超面白い。おすすめ。ご飯好きなひとは特に。そしてロシア料理を始め欧州、中央アジア系の好きな人はマストで。 とりあえず...

にんにく文化がある地域は平和。なぜなら料理が美味しいから!! っていう盛大な話とかがあったりするんだけど、とにかく食へのこだわりと食文化の崇高さを感じさせる本。 超面白い。おすすめ。ご飯好きなひとは特に。そしてロシア料理を始め欧州、中央アジア系の好きな人はマストで。 とりあえず食べる順番とか、食材への敬意を払うことから始めようと思う。お腹空いちゃったじゃーーん!!

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2019/09/23

うん、どうかな。ちょっと期待はずれ。「亡命」というタイトルに惹かれて手に取った。旅行は興味ないけど、世界の料理のレシピを見るのが好きで、会社で暇な時はウィキ→文化→料理を見ている。多分肉が食べられない、胃腸が弱い体質もあり、食欲というより、食い意地は異常にあると思うのだが、内容と...

うん、どうかな。ちょっと期待はずれ。「亡命」というタイトルに惹かれて手に取った。旅行は興味ないけど、世界の料理のレシピを見るのが好きで、会社で暇な時はウィキ→文化→料理を見ている。多分肉が食べられない、胃腸が弱い体質もあり、食欲というより、食い意地は異常にあると思うのだが、内容としては、アメリカに住むロシア人が愛する自国料理のレシピ集であり、それだけ。特に目を引く箇所はなく。内容は悪くない。地味すぎる、遊び心のない編集の仕方がまずい。料理の本をうまく料理できてないんだ。自分にとってはウィキの方が断然いい。

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