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道徳感情論 日経BPクラシックス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経BPマーケティング |
発売年月日 | 2014/04/19 |
JAN | 9784822250003 |
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道徳感情論
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商品レビュー
4.4
7件のお客様レビュー
人間道徳の本質は何なのか。そしてそこにおいて大きな役割を果たす共感とは何なのか。 アダム・スミスはこの著作で明らかにしていきます。 私がこの本を読んで驚いたのはアダム・スミスの観察力の鋭さでした。 読んでいて思わず「よく観てるな~この人は」とうならざるをえない場面が何度もあ...
人間道徳の本質は何なのか。そしてそこにおいて大きな役割を果たす共感とは何なのか。 アダム・スミスはこの著作で明らかにしていきます。 私がこの本を読んで驚いたのはアダム・スミスの観察力の鋭さでした。 読んでいて思わず「よく観てるな~この人は」とうならざるをえない場面が何度もありました。 これは名著です!ぜひ読んで頂きたい作品です!おすすめです!
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訳としては本書はとても読みやすかったです。 道徳感情という、自分の中の「当たり前を言語化」しようとしている試みが面白かったです。私自身も今まで読んだ本を振り返っても、自分とのギャップを見つけて言語化することはあっても、ギャップがないものの輪郭をつかんで表すという行為はしたことも...
訳としては本書はとても読みやすかったです。 道徳感情という、自分の中の「当たり前を言語化」しようとしている試みが面白かったです。私自身も今まで読んだ本を振り返っても、自分とのギャップを見つけて言語化することはあっても、ギャップがないものの輪郭をつかんで表すという行為はしたことも見たこともないので、その点が「さすが”見えざる手”を説いた人だ!」となりました。 ただ、話しとしては17世紀イギリスの「当たり前を言語化」なので、退屈です。 今の道徳感情を考えるにあたって、スミスと同じように「どんなことに共感するのか」「どんな人が立派な人か」「どんな立ち位置が中立な観察者なのか」みたいな流れで再考してみたら面白いかもしれません。
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何とも言えない満足感が得られる書籍でした。ただ中身が非常に濃いので(ページ数も700ページほどある)、正直最初の方の議論がほとんど頭から抜けつつあり、なんとか時間を見つけて2度目に挑戦したいと思います。 冒頭にノーベル経済学賞受賞者でもあるアマルティア・センの序文がありますが、...
何とも言えない満足感が得られる書籍でした。ただ中身が非常に濃いので(ページ数も700ページほどある)、正直最初の方の議論がほとんど頭から抜けつつあり、なんとか時間を見つけて2度目に挑戦したいと思います。 冒頭にノーベル経済学賞受賞者でもあるアマルティア・センの序文がありますが、これだけでもお金を取れるレベルです。アダム・スミスの代表作である「道徳感情論」と「国富論」、表面的に読むと、同一人物が書いたとは思えない、あるいは互いに主張が矛盾しているという印象を持つ人は多いかもしれません。前者が「徳」「正義」「共感」などを論じているのに対して、後者はそのような感情を排した「利己心」を中心に経済メカニズムを論じているように見えるからです。しかし私自身は本書を読んで、道徳感情論こそがアダム・スミスの包括的な書であり、その中の「交換メカニズム」について詳細に分析したものが「国富論」であるという見方をしたいと思います。実は「道徳感情論」は、「国富論」に先立って執筆されましたが、その後亡くなる直前までスミスは「道徳感情論」を加筆・修正しています(日本語版も最終版をもとにしています)。つまり、アダム・スミスは若かりし頃に道徳や共感のメカニズムを本(道徳感情論)にしたけれども、宗旨替えをして利己主義が経済メカニズムの中心だ(国富論)と論じるようになったわけではないのです。むしろスミスの頭の中心には「道徳感情論」で書いたこと(あるいは書ききれなかったこと)があって、その中の極めて狭い領域について詳細に議論したのが「国富論」だと考えるべきです。 センが指摘しているように、「道徳感情論」は「国富論」ほど注目されていませんが、その理由は、本書がカバーするテーマの包括性(幅広さ)にあるのではないかと感じました。取り上げているテーマの広さと、それぞれについて複数の説を丁寧に解説しているので、何冊もの専門書を一気に読んでいるような感じがする、つまり悪く言うとキーメッセージが頭に残らないのかもしれません(対照的に、国富論では見えざる手などのキーコンセプトが明瞭に頭に残ります)。逆に言えば本書からは、アダム・スミスの知識の恐ろしいほどの広さ、また視野の広さをうかがいしることができます。視野の広さを示す例として、本書でたびたび登場する「中立の観察者」があります。人が何か行動を行う際に、心の中にいる「中立の観察者」がそれをどう感じるか(称賛するのか、恥ずかしいことだと思うのか、やり過ぎだと思わないだろうか、など)を考えよということなのですが、センはこの概念を「開かれた中立性」と呼び、ジョン・ロールズの「公正としての正義」が論じている「閉じた中立性」よりも優れていると評価しています。 資本主義の限界が議論されるにつれて、最近マルクスブームがまた起こっているようです。マルクス主義者がマルクスの再評価を試みる本が巷にあふれていますが、私自身ははっきりいって食傷気味です。マルクスではなく、むしろアダム・スミスこそが再評価されるべき人物である、そして「道徳感情論」の中に資本主義の進路変更の答えがあると私は思います。
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