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自然を名づける なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | NTT出版 |
| 発売年月日 | 2013/08/28 |
| JAN | 9784757160569 |
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自然を名づける
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
『魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話』の種本的存在ということで、ルル・ミラー氏がおすすめしていた。『魚は~』は分類学がテーマではなかったので、本書で分岐分類学についてより深く知れるかと思って読んだが、そうでもなかった。スター・ジョーダンという実在の特異なキャラクタ...
『魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話』の種本的存在ということで、ルル・ミラー氏がおすすめしていた。『魚は~』は分類学がテーマではなかったので、本書で分岐分類学についてより深く知れるかと思って読んだが、そうでもなかった。スター・ジョーダンという実在の特異なキャラクターを中心に据えたこともあり、ルル・ミラー氏の本の方が読みごたえがあった。本書も『魚は~』と同じく表紙や挿絵は美しい。ただ、終始そりゃそうだろという話が延々続き、飽きてしまう。分類学史を知りたい人にはよいと思う。 本書では人類の生物分類の歴史を振り返る。リンネは昔ながらのやり方であらゆる生物を分類しつくそうと試みた。昔ながらのやり方とは、子どもが犬と猫を区別するような、人間に根付く感覚(本書では「環世界センス」と呼ぶ)に頼る分類方法である。ダーウィンが現れ、進化説が事実として科学的に受け入れられた後、進化の系統を再現する分類体系が目指された。同時に、進化し続ける生物に対し、「種」という概念事態が当てはまらないという矛盾を抱え、分類学は迷走しはじめた。はじめは見た目だけで進化的な近縁種を考察する試みが試された。科学者がなんとなく近縁っぽいと決める方法(進化生物学)はあらゆる部分を数値化(数量分類学)し、類似点が多いものを近縁と決める方法にとってかわられた。しかし数値化する部分は主観的に決められ、当然ヒトの環世界センスの琴線に触れるものがとりあげられる。続く手法はタンパク質の解析(分子生物学)である。これにより、菌類は植物よりも動物と近いことが分かった。最後に登場するのが分岐分類学であり、共有派生形質(最も近い共通祖先で新たに進化した派生的形質)を持つものが近縁であるとする。共有派生形質という考え方により、リンネ式分類や数量分類のように主観的に重要な形質を選ぶのではなく、類縁関係を推定するのに役に立つ形質を選ぶことができるようになった。分岐分類は「進化的な近縁種のいからなる群すなわちある祖先から生じたすべての子孫種を含みそれ以外の種は含まれない群だけが実在する」と考える。その考え方を進めると、魚類は種として存在しなくなるのだ。古きよき「種類」に愛着をもっていた人々から大変な反発を招いたという。 筆者は分類学者が発展させた科学的な手法を認めつつ、大切なのはそれだけではないのではと問いかけ、都市生活にひたりきったヒトに野に出て分類することをすすめるという筋立てである。環世界センスは世界を認識し、自分を位置付ける役割を持つので、それを大いに活用した方がよいということで、その結論には何の異論もない。 種は流動的で進化の過程の一瞬をとらえ、ヒトが勝手に位置づけたものにすぎないというのを、筆者自身も感覚的に受け入れていないのだと思う。まるで正解があるかのように、筆者は生物の分類に対し「正しい」という言葉を何度も使っていた。もちろん進化を体系的に表すという目標があれば正解はあるのだろう。とはいえ、「アルファベット順や大きさで分類しようと、進化系統で並べようと、分け方の違いでしかないのでは」と思いながら読んでいたが、結局筆者の結論もそこに至っており、「ですよね…」という感じだった。古め(2013年)の本ということもあり、特段新しい学びなどはなかった。本書で一番面白いのはリンネの尊大エピソードだと思う。また、ダーウィンの人柄が見え隠れする小噺も若干面白い。 日本の研究者の書いた『生物と無生物のあいだ』の方がよほど面白いので、本書を読むよりも福島先生の本を先に読むことをおすすめします。
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分類学の歴史についてを綴った本。 翻訳者の言う通りやや「煽り」はあるが、反芻して説明してくれる分、(文章は長くなるが)わかりやすい。生物の授業を深くやらなかった身としては新たに得る知識や歴史をなぞることができて満足である。 「環世界センス」のネーミングにはやや違和感は覚えるが、人...
分類学の歴史についてを綴った本。 翻訳者の言う通りやや「煽り」はあるが、反芻して説明してくれる分、(文章は長くなるが)わかりやすい。生物の授業を深くやらなかった身としては新たに得る知識や歴史をなぞることができて満足である。 「環世界センス」のネーミングにはやや違和感は覚えるが、人が世界を見た時に自然と起こる直感的分類について(「直感」についての定義の記載があるのも良い)、科学との対立を描きつつも、どちらもある側面ごとに必要でもあり、また、自分なりの自然の分け方をしてもよいとさらりと1文書いてあったので、ただ対立を描きたいわけでなく、今後の分類学に対しても余白や「分類」すなわち解明に囚われすぎない視野を示すようでよかった。 あとがきでは、今の分類学に求められている役割を踏まえ描かれているので全体が整理できて良い。 個人的には、シャチを「初めて」見た際の描写と興奮が、著者が生物と分類学を好きなのだと感じさせる全てが包括された瞬間であり、とてもよかった。
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分類学に関わる論争の歴史を、物語調で詳しく書いている本。生物を命名するということは、直観なのか科学なのか。決着が付かなさそうな論点をここまで掘り下げている本は初めてみた。筆者はどちらかというと直感寄りの方かもしれない。
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