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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2013/08/23 |
JAN | 9784062185004 |
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商品レビュー
4.2
183件のお客様レビュー
まかてさん2冊目 とても読みやすい! 歴史にもしもは無いけれど もし幕末のリードが薩長でなく 最後まで水戸だったら? 水戸藩がもっと豊かな藩だったら? 小説の内容とは離れているけど そんなことを思ってしまった これまた脱線だけど 天狗納豆が天狗党からきてることは 知らなかった...
まかてさん2冊目 とても読みやすい! 歴史にもしもは無いけれど もし幕末のリードが薩長でなく 最後まで水戸だったら? 水戸藩がもっと豊かな藩だったら? 小説の内容とは離れているけど そんなことを思ってしまった これまた脱線だけど 天狗納豆が天狗党からきてることは 知らなかった... ブックオフにて購入
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※このレビューにはネタバレを含みます
いや〜まさかこれまで一気に読んでしまうとは思わなかった。これも直木賞受賞作だから、面白いのは間違いないはず…とはいえ、正直、この本は知らなかった。直感で手に取ったものの、まあまあの厚さだから、読めないかな〜とも思ってたんだけど。 朝井まかてさんは単行本で読むのは初めてかな? 樋口一葉が萩の舎という和歌の会の門下生であることは知ってた。なんという名前の会だったかというのは、この本読むまで覚えてなかったんだけどね。 同じ門下に三宅花圃という女性がいて、一葉より先輩で、小説も先に発表していたのは知らなかった。(思わず青空文庫で探してしまった) その女性が、病床の萩の舎の主宰だった「師の君」を訪ねるあたりから始まる。予備知識がないもんだから、そのあたりをウロウロしてたら、本編はその後のこと。そこからは一気に。 「師の君」こと中島歌子、元の名の中島登世は縁あって、幕末の水戸藩士のもとに嫁ぐ。その顛末を書いた手記が、歌子の留守宅で見つかり、花圃と師匠の秘書澄がそれを読んでいくという筋立て。 水戸藩といえば、桜田門外の変に関わりがあったり、最後の将軍慶喜公を輩出したところ。歴史音痴の私でも、昨今の大河ドラマで、多少の知識はあるつもりだったが、こんな凄まじいジェノサイドとも言えるような内乱が起こっていたとは⁈たまたま、Eテレの100分de名著でルワンダの話を聞いたばかりだったので、なんだか重なるものも感じた。同じ藩でありながら二派に分かれ、逆賊と見做すと、その家族まで根絶やしにしようとする。登世(歌子)とその義妹が投獄されたところは、ホロコーストやシベリアの収容所の話をも思い出させるような悲惨なものだった。 もちろんそんな手記が実在したわけではなく、ここが作者の腕の見せ所。 言ってみればこれも時代小説なわけで、読み慣れない言葉は何度か辞書を引いた。たまに独特の言い回しをされてるみたいな言葉もあって、老婆心ながら、朗読する時はどう読むのかな…と思ったところもあったけど。結局、読み方のわからない人物名とかあったし(音読みしたけど、それで良かったか) 最初の方でうっかり読み飛ばしてた人物が実は深い関わりがあることがわかる。慌てて前の方を探した。なるほどね。この辺りの人物はもちろん創作なんだろうな。 とりあえずこれで萩の舎と中島歌子の名は忘れないでおこうと思う。
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ただひたすらにあなたを思って生きたわたし。 身ひとつで歌人として大成した師の中島歌子は、水戸藩士の妻であった。師の残した手記を読んでいくのは樋口一葉の姉弟子である花圃と、中島歌子のかつての女中である澄。師の手記は誰に何を告げるものだったのか——。 手記に引き込まれて一気に読んだ。水戸藩の天狗党の乱は、幕末の作品に割と出てくるけど、大抵の場合、時勢の読めない愚かな者として描かれる。その渦中にあった者に寄せた立場の作品を読めてよかった。だからこそ、一層あの時代に藩の中で争い、貴重な人材を枯らした水戸藩の無念をも悲しく思う。 今風の心をさらけ出すような歌をよしとしなかった師が残していた手記にあふれていた、夫への想い。そして敵への強い恨みと拭えない寂しさ。中島歌子がとてもチャーミングな人であることが、花圃の語りを通じて伝わってきた。それは復讐のために近づいた澄に、復讐を思いとどまらせるほどに。願掛けの短冊に書いた歌、牢の中の百人一首、処刑された人たちの辞世の句、思いをつないでいく歌が、さまざまなシーンで活かされているのが印象的だった。
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