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十六夜荘ノート
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2012/09/14 |
JAN | 9784591130704 |
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十六夜荘ノート
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商品レビュー
3.9
45件のお客様レビュー
私も会社に大崎雄哉のような上司がいたら、毛嫌いしていると思う。そんな彼に、突然代襲相続の話が舞い込んできた。ところが大伯母の遺したお屋敷は、十六夜荘というシェアハウスになっていたから、簡単に話は進まない。 個性的な住人と相続人の雄哉との関わりが描かれる現在の出来事と、昭和13年...
私も会社に大崎雄哉のような上司がいたら、毛嫌いしていると思う。そんな彼に、突然代襲相続の話が舞い込んできた。ところが大伯母の遺したお屋敷は、十六夜荘というシェアハウスになっていたから、簡単に話は進まない。 個性的な住人と相続人の雄哉との関わりが描かれる現在の出来事と、昭和13年から戦後までのお屋敷の離れでのできごとと、大伯母の生きざまが描かれる過去の出来事。この現在と過去のできごとが交互に語られていく物語だった。 印象的だったのは、十六夜荘の住人と関わるうちに雄哉のとがった部分が、削ぎ落とされていったことだ。会社では自分と同じように働けない上司を蹴落とし、パワハラで部下にはきつく当たっていた彼。十六夜荘の住人たちとあまり変わらない立場になり、はじめて本当に周囲を見渡せたように思った。 十六夜荘になる前のお屋敷の離れに集まっていた画家たちは、戦争に染まらず生きていた。彼らが過ごした、つかの間の日々を思い起こすことができる数々の絵が、そのままの形でおかれていることは、とても印象的だった。 間違った時代に流されずに生きた人達の存在を知り、次の世代に伝えることは、大切なことだと思う。十六夜荘という名前になったこのお屋敷が、時の流れとともに歩んできた日々を考えると、雄哉が最後に決断したこ とは正解だと思った。 「本人が見たいと思わない限り、なにも見えないのかもしれない。」この事に雄哉が気づけただけでも、大伯母に感謝だと思った。なぜ大伯母が雄哉に相続させたのか、そして石原弁護士の正体と蔡宇煌の正体がわかったときには、十六夜荘がもたらした繋がりを感じた。 十六夜の月は、これから欠けていくばかり。欠けたものを知ることによって、次は、より満ち足りた十五夜になる。まずは、自分は絶対ではないということを思い、私も周囲を見渡す余裕をもう少し持たねばと思った。 この本は、現在だけを読む、過去だけを読む、という読み方が一番話がわかりやすいと思う。再読するときはそっちがいいかも。でも書かれた順に読むことで、最後に味わえる感情には、捨てがたいものがあるように思った。
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時系列が交互にやってくる展開の小説。 私はいつもまず1つの時系列を一気に読んでしまってから全体を読むやり方をしてしまう。 ちょっと切なく、そして時代を感じつつ、大崎雄哉がまた面白く変化してゆき、読後感は良かった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
戦時中の大伯母と現代の姪孫のストーリーが交互に綴られていて、思ったより読みやすかった。 今も昔もどんな世にも、自由な心を貫いて、好きなことをして生きる人たちがいるんだなぁ。周りに評価されるかより、自分がいいと思ったことを大切にしたい。 せいちゃんのキャラが好きすぎる。「贅沢は敵」という世の中で、「贅沢は素敵」って堂々と言えるところ素晴らしい。私も、いい時も悪い時も、あんな風に明るく楽しく生きる姿勢でいたいと思えた。 人生には月のように満ち欠けがあるけれど、それでいい。欠ける時期も大切で、だからこそ次の満月がより美しくなる。そんなこの本のメッセージに、優しく応援された気がした。
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