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紙の民
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紙の民

サルバドールプラセンシア【著】, 藤井光【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2011/07/27
JAN 9784560081518

紙の民

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商品レビュー

3.9

29件のお客様レビュー

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2025/07/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

複数のプロットが同時進行している(しかもひとつの結末とかテーマに収斂するわけではない)のが対位法っぽくておもしろかった。肉と紙、3人のメルセド、土星との戦争、去っていく女たちなど、入り組んだ構造が組み合わされていて、単線的な語りをすること/そこに組み込まれることへの抵抗を形式として実践しているかんじ。 あと、土星がナポレオンになぞらえられていたが、ナポレオンは単線的な歴史の語りに組み込まれていて、そういったものと重ねられる土星も「語られる」客体であることを免れない。その意味で、誰もがどこまでいってもフィクショナルな存在でしかあり得ず、ゆえに誰もが紙でできているのか、と思った。個人的に紙のメルセドのエピソードをどう位置付けるかに悩んだのだが、紙であるがゆえに男たちに傷を残せるということで、土星の肉体を傷つけられなかった男たちと対比になっている? 紙≒物語・フィクションの象徴だとして、そういったものが肉体を持った人間より優位にある、とも言えるのかな(そう考えた時に、母メルセドとリズをどう位置づけられるか)。 ともかく、複線的な語りであるがゆえに読み落としが多い気がするので、再読したい。

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2024/11/07

冒頭を読み進めている時点では宗教についてあまりにも無知だから面白さを理解できるだろうかと不安だったのだけれど、紙面の世界が広がった瞬間、まさしく紙面上に世界が展開した瞬間に、私の無知などなんの影響もないくらいこの本はすばらしさに満ちているという確信を得た。全ての糸が絡み合うように...

冒頭を読み進めている時点では宗教についてあまりにも無知だから面白さを理解できるだろうかと不安だったのだけれど、紙面の世界が広がった瞬間、まさしく紙面上に世界が展開した瞬間に、私の無知などなんの影響もないくらいこの本はすばらしさに満ちているという確信を得た。全ての糸が絡み合うように、個々の世界が重なり合っていく様子、登場人物たちの痛みや戦いと、身勝手な作者、それを見つめる読者の罪、没頭するほどに読むことへの罪悪感が募っていくが折々で描かれるユーモラスな描写やシーンによって思わず笑ってしまう部分も多く、これほどまでに心が騒がしい読書は初めてだったかもしれない。 出会えて良かった。

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2024/07/22

スペイン語圏、それも中南米で書かれた小説らしい匂いが全編に漂っている。 ロシア小説な匂い、フランス小説な匂い、イタリア小説な匂いがそれぞれあるように、中南米な匂い。各言語固有の文体がそうさせるのか、訳者が異なったぐらいでは地域柄は変わらない。どんな匂いなんだと問われたら窮するなぁ...

スペイン語圏、それも中南米で書かれた小説らしい匂いが全編に漂っている。 ロシア小説な匂い、フランス小説な匂い、イタリア小説な匂いがそれぞれあるように、中南米な匂い。各言語固有の文体がそうさせるのか、訳者が異なったぐらいでは地域柄は変わらない。どんな匂いなんだと問われたら窮するなぁと考えて、本作を読み通しながら鼻をひくつかせ言葉を探したが、とどのつまりわからない。遠く白熱する太陽のもと、砂埃と冷えた汗でうっすら覆われた肌のような…? なんて、言ったそばからあやしい。じゃロシアは? イタリアは? フランスって? 矢継ぎ早に問いただされたらアーアーと喚いて話をご破産にするか、えへえへ笑って誤魔化すかしてしまう。でも、たしかにあると思うんです、匂い。冷酷な審判をくだした会場を振り返りながら「それでも…」と言ったとされるガリレオと同じ気持ち。 ところで、日本の小説の匂いって。

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