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人間と悪 処女作『悪の起源論』を読む
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 萌書房 |
| 発売年月日 | 2004/12/01 |
| JAN | 9784860650131 |
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人間と悪 処女作『悪の起源論』を読む
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「早熟の天才」であるシェリングが17歳のときに執筆した学位論文『悪の起源論』の内容と、その背景にあったキリスト教解釈の歴史について解説している本です。 『悪の起源論』は、『旧約聖書』にしるされた人間の原罪にかんする物語をとりあげ、ギリシア神話のプロメテウスのエピソードなどと関連...
「早熟の天才」であるシェリングが17歳のときに執筆した学位論文『悪の起源論』の内容と、その背景にあったキリスト教解釈の歴史について解説している本です。 『悪の起源論』は、『旧約聖書』にしるされた人間の原罪にかんする物語をとりあげ、ギリシア神話のプロメテウスのエピソードなどと関連づけながら、人間のうちに見いだされる悪へ向かう自由のはじまりについての考察をおこなった著作です。本書では、この書において展開されているシェリングの思想が、カントの「人類史の憶測的始原」や「人間本性における根源悪について」などに見られる議論との関係を掘り下げ、シェリングがあつかおうとしている問題を見定めています。 本書の後半では、シェリングのキリスト教ないし聖書解釈の背景をなしている、近代における聖書研究の歴史が概観されています。ルターの宗教改革以来、カトリック教会の権威を排して聖書の研究が進められるようになりました。もっともルソー自身は、政治的には保守主義の立場にたっていましたが、彼が引き起こした衝撃によって、啓蒙主義の観点から聖書を解釈する潮流が生まれ、「新学説」と呼ばれます。本書では、とりわけレッシングとカントが、こうした潮流のなかでキリスト教を理解していたことを紹介するとともに、こうした動きに反対するハーマンの立場にも触れられています。 本書の後半の解説は、シェリングの思想に直接かかわるものとはいいがたく、はたしてこれだけの紙数をついやす必要があったのかという疑問を感じてしまいました。もっとも本書は、シェリングの思想にかんするさまざまなテーマをとりあげた「叢書シェリング入門」の皮切りとなる第一巻なので、シリーズ全体を視野に入れるならば、シェリングの自由や神話などのテーマにかんする思想を理解するための布石としての意味があるのかもしれません。
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