- 中古
- 店舗受取可
- 書籍
- 文庫
- 1225-01-06
日蝕・一月物語 新潮文庫
定価 ¥825
495円 定価より330円(40%)おトク
獲得ポイント4P
在庫あり
発送時期 1~5日以内に発送
店舗受取サービス対応商品【送料無料】
店舗受取なら1点でも送料無料!
店着予定:12/9(火)~12/14(日)
店舗到着予定:12/9(火)~12/14(日)
店舗受取目安:12/9(火)~12/14(日)
店舗到着予定
12/9(火)~12/14
店舗受取サービス対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
店舗到着予定
12/9(火)~12/14(日)
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2010/12/24 |
| JAN | 9784101290409 |

店舗受取サービス
対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる
店舗到着予定
12/9(火)~12/14(日)
- 書籍
- 文庫
日蝕・一月物語
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
日蝕・一月物語
¥495
在庫あり
商品レビュー
3.8
27件のお客様レビュー
図書館で借りて単行本で読んでいるので、まずは「一月物語」から 24歳にして平野啓一郎はこんなものを書いていたのか。天才である。何だかよく分からないけれど、すごいものを見てしまったという感覚。三島が熊野詣だったかの話を書いていたと思うが、最初はそんな気分で読んでいた。旅籠の女将の京...
図書館で借りて単行本で読んでいるので、まずは「一月物語」から 24歳にして平野啓一郎はこんなものを書いていたのか。天才である。何だかよく分からないけれど、すごいものを見てしまったという感覚。三島が熊野詣だったかの話を書いていたと思うが、最初はそんな気分で読んでいた。旅籠の女将の京都弁は谷崎を感じさせる。ところが次第に、摩訶不思議な世界へと入っていく。僕はてっきり高子の顔は腐っているのではないかと思っていたが、そこは描写されないままであった。「――死ぬ為に走っているのではない。断じてそうではない! 俺はその時、将にこの命の絶たれんとする刹那、生まれてこの方終ぞ知らなかったような、生の絶対の瞬間を、その純粋な一個の瞬間を生きるのだ。行為が悉皆捧げられるその瞬間、来るべき未来に侵されぬその瞬間。・・・・・・それを齎してくれるのが高子だ。俺はあの女を愛している。この上もなく愛している。世界には、愛したいと云う情熱しかない。愛されたいと云う願いは、断じて情熱ではない筈だ! 俺は、その情熱の渾てを以て、今、女の許へと行こうとしている。その睛を見ようとしている。・・・・・・」なんとも読めない漢字がいくつもあって、ときにはルビがふられているが、何度も手を止め、読みと意味を調べ、どうしようもないときは写真に撮ってその漢字を調べ、どれだけ時間をかけさせるのか。おかげで読める漢字がかなり増えました。「齎す(もたらす)」は一発で変換できるが、「渾て(すべて)」は出てこないから「こんしん(渾身)」と入力して出す。「睛(ひとみ)」はがんばったら出てきた。「目も異(あや)なる、一匹の胡蝶が舞い上がった。」「目もあやなり」・・・美しすぎて直視できない、まばゆいほど立派だ。なるほど調べてみるものだ。これで一つ賢くなった、かな? 「日蝕」20世紀末にこんなものを書いていたのか。「一月物語」よりさらに400年遡る。しかもヨーロッパが舞台。ここで著者は何を書こうとしていたのか。「これより私は、或る個人的な回想を録そうと思っている。これは或いは告白と云っても好い。そして、告白であるが上は、私は基督者として断じて偽らず、唯真実のみを語ると云うことを始めに神の御名に於て誓って置きたい。」どんな告白を聞かされるのだろうかと、期待に胸が高鳴る。しかし、その後、淡々と話は進んで行き、劇的な展開はない。洞窟の中に入っていく場面に於いてさえも、結局、鉢合わせることもなく過ぎて行く。魔女として両性具有者を火炙りに処す。その場面に至っても荒々しさはない。終始冷静に話は進んで行く。後年主人公は錬金術の作業を行うようになる。「私は、薄暗い小さな部屋に籠って作業を行っている時には、その一刹那一刹那に、或る奇妙な確信を以て世界の渾てと直に接していると感ずることが出来るのである。」科学者の端くれということであろうか。「あの両性具有者こそが再臨した基督ではなかったのか」「蓋し、両性具有者は私自身であったのかも知れない。」私こそが基督である、と云っている訳ではないか。しかし本作品もやたらと読めない漢字が多い。何度も手を止め調べながら読むことになる。まだ今はスマホがあるから良いが刊行当時ならば漢和辞典を引いていただろうか。それでは読む気がしない。しかし、適当に読んで意味を取り違えるのは「舞姫」で懲りている。きっと、すぐ忘れると思うが、随分と読めるようになった。暫く、漸く、慥か、俄か、僅か、徒に、瞠る、瞑る、齎す、睛、変換してすぐには出て来ないものも多い。確かに、同じ読みであっても微妙に違う意味ということもあるのだろう。その拘りで一体何を表現しようとしていたのか。若き日の平野啓一郎は。そして、これが芥川賞なのか。「コンビニ人間」とは随分違うのだな。と、ここまで漢字が多くなってしまった。梅棹忠夫ファンの僕はふだん漢字はなるべくひらくようにしているのだが。
Posted by 
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
〈日蝕〉 例えば、昼は夜があるからこそ存在する。 生は死の訪れによって完結し「生涯」となる。 物事は、自らと対をなすものによって定まるようだ。どちらか一方だけでは不完全なのだろう。 だとすれば、男と女を兼備する存在は、完全性を体現したはずだ。しかし社会はこれを焚刑に処した。何やら示唆的であり、とても痛ましい。
Posted by 
少し、今敏の映画作品を思い出した。夢と現実が交互して、混ざり合って、なにがなんだかどっちがどっちだか分からなくなってくる有り様が描かれている。特に一月物語でそのように感じた。 あとは、文体美が凄い。ルビの振り方も使う言葉古くて一般的で無いものばかりで、始めは難しいが、慣れてくると...
少し、今敏の映画作品を思い出した。夢と現実が交互して、混ざり合って、なにがなんだかどっちがどっちだか分からなくなってくる有り様が描かれている。特に一月物語でそのように感じた。 あとは、文体美が凄い。ルビの振り方も使う言葉古くて一般的で無いものばかりで、始めは難しいが、慣れてくると、むしろ文体の滑らかさにびっくりする。こんなに難解語しか無いにも関わらず、頭にダイレクトに映像が浮かぶ。 解説に、一月物語はまるで「能」のようだとあった。目から鱗だった。また日蝕についての解説もとても示唆的で良かった。
Posted by 