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日蝕・一月物語 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2024/10/30

20年ほど前に一度読んで、今回再読。難解な漢字、擬古的と言われる文章、歴史的にも知らないことが多い中世ヨーロッパ、そしてキリスト教。20年経っても、私の知識は然程の進歩はなく、やっぱり難しいわ〜と思いながら読んだ。 だが、両性具有者が登場してから物語にどんどん引き込まれて、日蝕の...

20年ほど前に一度読んで、今回再読。難解な漢字、擬古的と言われる文章、歴史的にも知らないことが多い中世ヨーロッパ、そしてキリスト教。20年経っても、私の知識は然程の進歩はなく、やっぱり難しいわ〜と思いながら読んだ。 だが、両性具有者が登場してから物語にどんどん引き込まれて、日蝕の場面では自分もその場にいるような、そんな感覚に陥るほど物語にのめり込む。こうなってくると、難しい漢字も読みづらい文章もむしろリズムにのって読めてしまう。20年前も同じように日蝕の場面に衝撃を受け、その後なんとなく中世ヨーロッパが気になり出した。だが、衝撃は今回の方が上回った。少しは20年で場面を思い描けるだけの多少の知識が増えたからなのか? 一月物語は初めて読んだ。恥ずかしながら、泉鏡花を読んだことがないが、こんな感じなのだろうか?と思いながら読む。こちらはどこか懐かしい感じのする文章。森鴎外、三島由紀夫に通じる雰囲気の文章かな、なんて思いながらページをめくる。これも途中からドキドキが止まらず、一気に読んだ。平野啓一郎。彼の頭の中は一体どうなっているのか!ガッツリ読書時間を過ごせたことに感謝!

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2024/10/08

芥川賞受賞作の「日蝕」よりも、もうひとつの「一月物語」の方がストーリーとしては面白かった。 高子を貰い受けた坊主が山奥の庵で実際には何を行ったのかは、はっきりとは書いてないが、流れ的には、光源氏的生臭坊主なのかと思ってしまった。 前半は、夏目漱石の「草枕」と雰囲気が似ていた。...

芥川賞受賞作の「日蝕」よりも、もうひとつの「一月物語」の方がストーリーとしては面白かった。 高子を貰い受けた坊主が山奥の庵で実際には何を行ったのかは、はっきりとは書いてないが、流れ的には、光源氏的生臭坊主なのかと思ってしまった。 前半は、夏目漱石の「草枕」と雰囲気が似ていた。文体は当時読もうとして苦しんだ明治文語体風だし、場面設定も似た感じだし。 二篇ともルビだらけなので、一頁あたり15行と空間がとってあって、その点は配慮があるつくりだった。

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2024/07/13

すごい文章力!これを20代で書けるのは天才だと思います。一月物語のベースになった場所に行ってみたい。日蝕も翻訳小説みたいで好きでした。

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2024/05/02

全くどんな頭脳の持ち主なんだか、大学生が書けるとは思えない内容。 ヨーロッパに行ったおかげで中世ヨーロッパのまちが想像できたため、少し内容理解が深まった。 才能。

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2023/12/20

約二十年振りの再読。現在の著者の作品とは異なる、三島の再来と世に言わしめた擬古文を駆使した作品は二編とも幻想的で美しい。もちろん、初期のロマン主義三部作と現在の作品が分断されているわけではない。本二作は自我が他者と混ざり溶け合う物語と読むことが出来る。多から個へ。一つとなることが...

約二十年振りの再読。現在の著者の作品とは異なる、三島の再来と世に言わしめた擬古文を駆使した作品は二編とも幻想的で美しい。もちろん、初期のロマン主義三部作と現在の作品が分断されているわけではない。本二作は自我が他者と混ざり溶け合う物語と読むことが出来る。多から個へ。一つとなることが究極の到達点となっている。しかし、デビュー間もなく個への到達を描き切ってしまったが故に、またその限界性も時代とともに感じ取り、分人主義へと至るのではないかと思う。「マチネの終わりに」や「ある男」などの話題作が数多い作家だが、だからこそ、初期作品を読み返すことによってその作家の豊かさを感じ取ることが出来るのではないか。ちなみに、個人的には作者の作品群で「一月物語」が一番好きだ。

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2023/08/05

挫折したー。文体が気になって物語に入っていけません。苦闘の末に1/3ほど進んだところで停滞。なんとか読み切ろうともがいてみたものの1ページ捲るのがまさに苦行。 そう、この作品は経本なのだ。いつの日にか読破の末の悟りあらんことを胸にそっと本を閉じました。

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2022/10/20

錬金術の秘蹟、金色に輝くアンドロギュヌス、中世キリスト教世界照らす怪しい光。 荘厳な文章で描かれ、そしてその文章が内容によく合っています。 この作品が、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作とは。 まさに驚愕です。 何という碩学。 この作品を読むと、いかに自分が漢字や表現を知...

錬金術の秘蹟、金色に輝くアンドロギュヌス、中世キリスト教世界照らす怪しい光。 荘厳な文章で描かれ、そしてその文章が内容によく合っています。 この作品が、芥川賞を当時最年少受賞した衝撃のデビュー作とは。 まさに驚愕です。 何という碩学。 この作品を読むと、いかに自分が漢字や表現を知らないかが、思い知らされます。 「日蝕」も「一月物語」、とにかくすごい文学です。

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2022/05/07

久々にこんなカチコチの文体に目を通しました いやはやこの本を大学生?の時に書ける平野啓一郎さんに感動しかない 読破出来て良かった

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2021/07/04

途中休読したので11ヶ月かけての読了です。一月物語は妖しく美しい話でした✨ 神話というより世にも奇妙なに違いと思います。謎は謎のまま、そのままの方がいい、美しい…ってこともありますよね。

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2024/10/27

恐ろしく読み取りにくい文体と少しくらくらしながら対峙していく。 次第に僕の脳は麻痺してゆき、やがて恍惚とした気持ちにさせられている事に驚いた。 世界観への没入感がハンパない。 これも読書のひとつの愉しみの形なのかもしれないね。

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