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偶然世界 ハヤカワ文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 1977/05/01 |
JAN | 9784150102418 |
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偶然世界
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偶然世界
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商品レビュー
3.4
11件のお客様レビュー
フィリップ・K・ディックの1955年に発表された第一長篇。世界観や用語の説明不足などは、最初の作品からだったのかと納得。という訳で、誰にもおすすめできませんが、個人的にはとても面白い作品だと思いました。 世界を統べる権力者が、公共偶然発生装置(ボトル) による無作為な攣動(トイ...
フィリップ・K・ディックの1955年に発表された第一長篇。世界観や用語の説明不足などは、最初の作品からだったのかと納得。という訳で、誰にもおすすめできませんが、個人的にはとても面白い作品だと思いました。 世界を統べる権力者が、公共偶然発生装置(ボトル) による無作為な攣動(トイッチ)によって決められる世界。それは、ランダムに抜擢し、あるいは蹴おとし、ランダムな間隔でランダムに権力者を選び出す。人は、権力を独占できず、安泰した地位など存在しない。誰も独裁者になろうとしてもなれない世界。 そのような社会機構である、九惑星連邦の最高権力者(クイズマスター)であったヴェリックがこれにより退位(クワック)させられ、代わりに選ばれた(ボトルされた)のは、プレストン会(謎の太陽系10番惑星「炎の月」の存在を示唆したジョン・プレストンを信仰する)会長のカートライト。 その地位についてから24時間後には公認の刺客が指名大会で選任されて、一度に一人ずつクイズマスターを殺しにくる挑戦方式が、退任まで続きます。周囲を守ってくれるのは、ティープと呼ばれる人の思考波を捕えるテレパスの部隊。その間隙をついて命を狙う第一の刺客は、退位させられたヴェリックが送り込んだキース・ペリグ。果たしてティープ部隊は守り切ることができるのか…。 と、ここから怒涛の展開が始まるのですが、はっきり言ってこのキース・ペリグのスペックがチート過ぎて笑えます。読みながら「そんなアホな…」と呟いてしまうほど無茶苦茶でした。それにしても、最高権力者になって、日々命を狙われる世界…しかも全世界公認とは何という罰ゲームなんでしょうね。着任早々、キース・ペリグのようなチートキャラに命を狙われるカートライトが気の毒でした。 ラストは謎の太陽系10番惑星での、あるメッセージで終わりますが、遥か西の方で起きている戦争を考えると、現代では受け入れられない考えですね。ある意味、時代を反映した考え方だなと思いました。
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ディック27歳のSF長編第一作。権力者がくじびき機械のランダム性によって決められるという設定を皮切りに、テレパシー、最終戦争、植民惑星、管理階級社会、人造人間、など、この時期からすでに世界観ががっつり作り込まれていて、読者を引きずり込むディックらしさが感じられる。ただ、得体のしれ...
ディック27歳のSF長編第一作。権力者がくじびき機械のランダム性によって決められるという設定を皮切りに、テレパシー、最終戦争、植民惑星、管理階級社会、人造人間、など、この時期からすでに世界観ががっつり作り込まれていて、読者を引きずり込むディックらしさが感じられる。ただ、得体のしれない不安感を誘うところや、現実崩壊感覚などはまだ強くはなく、刺客ペリグの設定と手に汗握るアクション的な攻防が最大の見所だと思う。近年大ヒットしたあの3D映画を思い出した人も多いだろう。この小説が1955年発表のものであることに驚く。未知の世界へ宇宙船でたどり着いた果てに聞こえる最後の言葉は、若かりしディックの前向きな心情を感じる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ディックの長編処女作ということで読んでみた。 権力者を完全ランダムに選抜する社会システムや、ティープやキース・ペリグといったガジェットは面白い。 が、物語としては短調に感じた。
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