Yの悲劇 角川文庫

エラリー・クイーン(著者)

• 販売会社／発売会社: 角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2010/09/24
• JAN: 9784042507161

商品レビュー

2025/02/18

Xに続き、不朽の名作を読了。
この時代に、この人を犯人にするっていうのが、名作たる所以だろうな。
Xよりも後味が悪かった。
梅毒に侵された一家。怒号が飛び交う最悪の家庭環境で育ち、元々残虐な一面もある子どもの心に、Yの遺した小説が火を付けた。
読むだけでは分からなかったけど、最後に犯人が死んでしまったのはレーンが仕掛けたからだったのね。
死んだ方がマシと思わされる地獄のような最後だった。

ただXでも思ったけど、今のミステリー小説はフラグを立てて、伏線を張って、回収！最後にどんでん返し！ってパターンが多いから、読者も一緒に謎解きできるけど、この時代のミステリーは、例えばこのシリーズであれば、レーンが1人で「そうか！分かったぞ！(コ◯ン風)」と納得して、最後に種明かしをされるパターンが主流だったのだろうか。
私は犯人を予想しても当たらないことばかりだから、別に気にしないけど、謎解きしたい人には不向きかなと思う。

2025/02/09

人に勧められて、滅多に読まない海外ミステリ。主人公のドルリィレーンのキャラクターが魅力的なのと、日本作家にはないアイロニックな表現や情景描写が小気味よくサクサク読み進められる。が、真実が明かされるまでかなり焦らされる。辛抱強く読み進めればラスト1ページでご褒美のどんでん返しが待っているのでこれから読む人には是非頑張って欲しい。どんよりミステリ。

2025/02/02

本格古典ミステリーと名高いエラリー・クイーン。
正直『Xの悲劇』より面白い。
『Xの悲劇』はシンプルに情報集めて犯人ミッケ☆でした。
※その間にも色々あって無論面白い。
けど本作は「そんなまさか？」という序盤の予想を覆してくる型破りなタイプだと感じました。
まぁアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』ほど型破りって訳ではありません。
一応探偵役が色々調べて真相に少しづつ接近するというポイントはいつも通り。
それに情報をつかんでも直ぐに壁にぶち当たって終始頭の中が？になるってぐらい複雑で面白い。
シンプルなミステリーが好き。でもそらから煉瓦が降って来たみたいな衝撃も欲しいって人にはおすすめ。