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国家神道と日本人 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/07/21 |
JAN | 9784004312598 |
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国家神道と日本人
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商品レビュー
3.8
17件のお客様レビュー
神道というと、本書でもとりわけ5章で述べられているように、祈願の成就のために向かう各種神社の管理をし、日本の神への祈祷祭祀を行っている人たち、またその関連信仰体系という印象を持っていた。 それだけに、神道には政治として神道を利用した国家神道、庶民における土着の自然崇拝・祖先崇拝、...
神道というと、本書でもとりわけ5章で述べられているように、祈願の成就のために向かう各種神社の管理をし、日本の神への祈祷祭祀を行っている人たち、またその関連信仰体系という印象を持っていた。 それだけに、神道には政治として神道を利用した国家神道、庶民における土着の自然崇拝・祖先崇拝、そしてそれらの間に位置するともいえる神社神道があり複雑な世界を構成していることは目から鱗で興味深い内容だった。 これまで理屈を知らず認識が不明瞭になっていた皇室、神社の立ち位置であったり、教育勅語での洗脳の如き教育などの点の知識が具体的な流れを持って繋がり、腑に落ちる部分が多くあった。 帝国主義の時代において、なぜ日本が戦争に突き進んでいったのか、その精神性を理解する上で本書の知識は欠かせないものと思う。 列強の圧力から開国を迫られ、大政奉還、明治維新へと進んで行った中で、日本の中枢や知識人は欧米の強さの理由と近代化への道筋を見つけて早急に進化する必要があった。 そんな歴史背景と、武士に根付いていた儒教の考え方、とりわけ考や仁を元に生み出された一つの方法が、神道と皇室崇敬を元にして国家を団結するというアイデア。 しかし結果的に民衆を抑えきれなくなって軍国主義へと進んでしまう大きな失敗は、政治としての皇室や神道という捉え方をエリートが生み出し、以て国民を操作するのに対して、国民には神話的な神聖性を植え付け、日常に信仰を沁みつけたこと、即ち本音と建て前のような二重性、言い換えれば支配・被支配関係を知識・思想の面で明確に分けてしまったことにあると思う。 民衆が政治や国家関係に口を出すのは非効率であることは確かである。それぞれがそれぞれの目の前の持ち分に集中して働くことには意義がある。 一方で、ベースとしての知見、考える力は国民全体で持っておくべきだろう。現代の義務教育の意義は大きい。 戦前までの支配層・被支配層という二重性を繋げていたのは、儒教的な、強引な上下関係だった。「君主には従う、目上の者には従う」というもの。理由などないに等しい。 これでは信頼は生まれない。全体がある程度の知的水準を持ち、情報の透明性を持つことこそ、信頼に足る関係性を形作るものだと私は信じている。物事を理解できる度合は人によって異なるが、正しい情報にアクセスできる平等性であったり政治の透明性であったり言論の自由といったものは、国家として一体性を持つには、神話を用いるよりよっぽど有効に思う。 まだ私は日本史の知識が弱いので、肉付けを厚くして理解を深めていきたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
国家神道の成りたちや、その成立によって明治期の新興宗教や江戸からの土着信仰に止まらず仏教キリスト教までもが国家の管理に納まらなければ事実上の弾圧を受けていた事実は改めて近代日本の闇の始まり、と印象をもった。戦後のGHQにより国家神道の解体が行われたが、明治期から行われていた天皇による皇室祭祀はそのまま現在まで残っている。 明治から取り入れられた皇室祭祀やのちに廃止された神社庁による全国神社の管理によって天皇が全国の神社を訪問する、ということがあり、今も神社に行くと天皇陛下が来た旨の張り紙や旗が立っている理由がわかって興味深い。 伊勢神宮については国家神道の頂点としたり、神社合祀や廃仏毀釈など近代国家の関与で残念な結果になってしまったことなども詳細に書かれている。 戦後の神社本庁についても今の神社本庁の在り方を納得させる記述が面白いのだけれど、事実を知って うわ… と暗い気持ちになる一冊。天理教や大本教にも触れている。岩波の本は文体が固く、疲れる。
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初詣に行った時に感じたこと これだけの人が神社を訪れているが、果たしてこの行為は何を指していて、いつから始まったのだろうか その疑問の答えを確かめるべくこの本を手に取った 国家神道と宗教の二重構造という観点が、無宗教と言われる日本を体現していると感じた
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