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きつねのはなし 新潮文庫
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きつねのはなし 新潮文庫

森見登美彦【著】

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きつねのはなし 新潮文庫

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内容紹介 舞台は底知れぬ謎を秘めた古都。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男に、闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。そして次々起こる怪異の結末!独特の世界観と文体で芸術的に描く森見ワールド全開!京都の雰囲気や不思議な話が好きな方におすすめ!
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2009/06/27
JAN 9784101290522

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きつねのはなし

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商品レビュー

3.6

575件のお客様レビュー

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2026/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夏らしく、背筋がぞわっとするものが読みたくなり再読。 最後まで「正体」は明確には語られない。だからこそ、その空白を埋めるように、これまで自分が見聞きしてきたものや、知っているはずの恐ろしいものが勝手に想像の中で膨らんでいく。 非常に読みやすい作品とは対照的に、濃厚な暗闇の中から何かがこちらを覗いているような感覚に何度もぞわっとさせられました。

Posted by ブクログ

2026/08/20

森見作品なのに森見節がないことにはじめ戸惑ったものの、読み進めていくと漠然とした気味悪さに惹かれて、次々とページをめくっていた。はっきりとした答え合わせがないものの、分からないこそ面白いような気がする。三章が個人的に好み。想像が膨らむ。

Posted by ブクログ

2026/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

森見さんの作品を初めて読んだ。 「正体が分かりそうで、最後まで分からない」ところが魅力的だった。 読み始めたとき、怖いというより、まず「懐かしい」と感じた。 物語に出てくる古い家や薄暗い部屋の描写は、子どもの頃に行った両親の実家や親戚の家を思い出した。 昔の田舎の家はどこか似た造りをしていて、トイレは家の端の暗いところにあるから怖く感じたし、雨の日には床や木のサッシが湿気を含んで色濃くなり、雨音が響いていつもより寂しい雰囲気に感じた。 大人になった今なら、暗くてよく見えないから怖かったのだとか、人は暗闇で不安になりやすいのだとか、いくらでも怖く感じる理由をつけられる。 でも子どもの頃に感じていた「怖さ」には、それだけでは説明しきれないものもあったように思う。それは必ずしも霊的なものではなくて、自分でもうまく言葉にできなかった寂しさや不安のようなもの。 例えば、おばあちゃんちで一人でトイレに行くのが怖かったのも、本当は、大勢の親戚の中で過ごす戸惑いや、親に甘えたいのに構ってもらえない寂しさを、「怖い」という気持ちに置き換えていたのかもしれない。 この本を読んでいると、子どもの頃の「怖い」という感覚が、今までとはまったく別のものに思えてきたので不思議だった。 そして、「よく分からない」という感覚が、物語を読んでいる間、ずっと続いた。 四つの話をすべて読み終えても、結局何が起きていたのか、よく分からなかった。 胴の長い不気味なケモノも、人と人とのつながりも、どこまでが現実で、どこからが怪異なのかも曖昧なまま。その正体が分かりそうになるたびに、また分からなくなる。という繰り返しだった。 でも、「最後まで分からない」ことこそが、この本の面白さなのだろうと感じたし、これって人生と同じでは?とも感じた。 今の世の中は、分からないことがあっても、すぐに正解や、自分なりに納得できる答えを探すことができる。そんな中で、この本にある「曖昧さ」や、「分からないことは分からないまま」という感覚は、なんだか懐かしく思えた。 また、全体を通して怪異そのものよりも、人間同士の細かな駆け引きが気になった。 最初の「きつねのはなし」では、物々交換のように物が人から人へ渡っていくけれど、それは単純な交換ではなく、「断ると角が立つ」とか「相手が何を望んでいるのかを探る」とか、遠慮や欲、貸し借りのような、人間の複雑な感情が絡んでいるように思えた。 先輩が主人公の顔をケモノのように見えたと言ったあと、二人があからさまに会わなくなっていく場面も印象に残った。 本当にケモノが見えたのか、それとも別の意味があったのかは分からない。でも、一度誰かをそれまでとは違うものとして見てしまうと、人間関係そのものが変わってしまうことはある。 妖怪や怪異の話なのに、読み終わってみると、「こわい」と感じる正体だったり、人間の心の動きのほうが印象に残る、不思議な本だった。

Posted by ブクログ

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