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旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三 文春文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2009/04/09 |
JAN | 9784167340087 |


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商品レビュー
4.2
21件のお客様レビュー
瀬戸内海の貧しい島で生まれ、日本列島を隅から隅まで旅し、柳田国男以来最大の業績を上げた民俗学者・宮本常一。パトロンとして、宮本を生涯支え続けた財界人・渋沢敬三。対照的な二人の三十年に及ぶ交流を描き、宮本民俗学の輝かしい業績に改めて光を当てた傑作評伝。第28回大宅壮一ノンフィクショ...
瀬戸内海の貧しい島で生まれ、日本列島を隅から隅まで旅し、柳田国男以来最大の業績を上げた民俗学者・宮本常一。パトロンとして、宮本を生涯支え続けた財界人・渋沢敬三。対照的な二人の三十年に及ぶ交流を描き、宮本民俗学の輝かしい業績に改めて光を当てた傑作評伝。第28回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
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※このレビューにはネタバレを含みます
どうやら宮本常一という人がいたらしく、 一部の人、特に土地の歴史や地理への研究志向を持つ 中高年の男性に、宮本常一ファンが多い気がする。 地域づくりを志し、ライフワークとしている方々と話しをすると、 たまに「私は宮本常一の信徒だ」と、出会って少し時間が経ってから自己開示する方に出会う。 私も土地と人の関係に興味がありそれを仕事でも追究する身として、 まあ、行きつくべくして宮本常一に行きついた。 氏の書いた本を読むと、人々の生活がどのような背景で営まれ、変わってきたかを、氏の足と目で感じ取ったままの情報で読み取れる。例えば、山と平地の境目あたりの集落の民家に干してある洗濯物の様子から、どのような暮らしや生業、経済的な営みがあるのかを推察し、その家に暮らす家族の日々をありありと読者の網膜に結像させる、そんな本だ。 この「旅する巨人」は、 宮本氏自身について、少しメタ的に、その人生を追ったものであり、渋沢敬三というパトロンあっての宮本常一だったのだ、ということが分かる。6割方、渋沢敬三の偉大さがにじみ出る本ではないか。 読めばよむほど、従前は巨人・鉄人だと思っていた宮本氏が 実は繊細でか弱く、体調も崩しがちで、しかしゆるぎない強靭な意志で日本全国を歩いた、ということを知ることができた。 そして、渋沢敬三である。彼こそが巨人であると思った。 このような人が、現代にいるのだろうか? いてほしい。
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新しい土地に行った際には、まず高いところに登る。山がどこにあり、川がどのように流れ、人の暮らしがどこにあるかを俯瞰する。また街に入れば、家の造りや屋根、壁の構造や素材、街路の形成、田畑に植えられているもの、地域住民の服装や表情、その土地の食べ物、夜の街、、様々な土地の風俗を五感で...
新しい土地に行った際には、まず高いところに登る。山がどこにあり、川がどのように流れ、人の暮らしがどこにあるかを俯瞰する。また街に入れば、家の造りや屋根、壁の構造や素材、街路の形成、田畑に植えられているもの、地域住民の服装や表情、その土地の食べ物、夜の街、、様々な土地の風俗を五感で体験する。 これは宮本常一が日本中で実践してきたフィールドワークの実態だ。彼が歩いた足跡を地図に落とせば、日本全体が赤く染まりその距離は地球4周分にもなる。旅する巨人と言われる宮本常一の徹底した現場主義の成果は、『忘れられた日本人』や『民俗学への道』といった著書にまとめられている。 その宮本常一を経済的に支えたのは、渋沢敬三である。渋沢栄一の孫として大蔵大臣や日銀総裁に担ぎ上げられる一方で、贅沢税を導入して率先して貧富の格差解消に尽力した。そこには民俗学者として日本の隅々まで歩いた宮本常一の影響があったことは想像に難くない。 よく地域づくりの文脈では、現場が大事だと言われる。しかしそれ以上に重要なのは、その雑多な現場にどのような色彩を乗せて集合知へと昇華させる意味付けの教養であり、圧倒的な経験則に裏打ちされた具体例の集積だろう。宮本常一の足元どころか爪先にも及ばないが、数多くの地域を訪れてようやくその本質が見えてきた。 課題は現場にある。でも課題解決は現場にはない。中央にカネと情報を吸い上げて、十把一絡げにモデル事業だったり横展開とか言っちゃっているところには解はない。個別具体的な事例を積み上げて、大衆の生活のリアリティを見聞きし体感し、自らの想像力の引き出しを広げて異分野と結び付ける。ローカルで興るイノベーションとは、かくも泥臭く奥深いものなのだ。
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