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クヌルプ 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2013/04/01 |
| JAN | 9784102001059 |

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クヌルプ
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商品レビュー
3.8
33件のお客様レビュー
〝最期〟で神と対話するクヌルプ。 我が人生の数々の不完全さを嘆くも、彼の存在そのものが神の御心のままに生きて死んでいくことなのだと啓示を受ける。 読後は非常に清らかな気分になる。
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20世紀ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の小説。1915年。 ⬜︎ 主人公クヌルプが昔の友人知人から尋ねられたように、私も「かつてのあなたがなぜいまは」と不躾な糾問に答えを濁して振り払ったことが何度もある。もちろんクヌルプのように落魄するほど振り切った生き方...
20世紀ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の小説。1915年。 ⬜︎ 主人公クヌルプが昔の友人知人から尋ねられたように、私も「かつてのあなたがなぜいまは」と不躾な糾問に答えを濁して振り払ったことが何度もある。もちろんクヌルプのように落魄するほど振り切った生き方ができるわけもなく、傍から見れば私の生活もそこそこの形にはなっているのかもしれないが、それでも「ここは本当に自分の場所だろうか」「自分にはどこか別の場所があるのではないか」という「ここではない」不全感にずっと憑きまとわれて今日まで来ている。そしてそれを、臆病さだとか完璧主義だとか不寛容だとか、自分のパーソナリティに帰責させてしまっている。クヌルプは出会った人々に彼への親愛の感情を惹き起こしたが、クヌルプの「神」に代わって、何によって、いかにして、私は肯定されるのか。そもそも、何かによって肯定されなければならないのか。いまは否定されているのか。なぜ? 何によって? 「神」は「あるがままのおまえ」(p151)と言うが、無際限の自問自答の中でそんな核のようなものは残りそうにないし、「神」もいない。「神」がいない以上、自分で自分を肯定するしかないのだろうが、そもそもそれは一体どういうことなのか。生の肯定とはなんだろうか。生の否定とはなんだろうか。 ⬜︎ 「神さまの声はだんだんかすかになり、あるときは母の声のように、あるときはヘンリエッテの声のように、あるときはリーザベトのやさしいおだやかな声のようにひびいた。」(p153) この一節に触れて、自分の臆病さがこれまで犯してきた過ち、傷つけてきた人たちのことが、その人たちが示した悲しさや嬉しさが、日々の怠惰ゆえに眼を逸らしてきたせいでもうそのほとんどが朧な記憶でしかない顔たちが、呼び起こされてくる。そして呼び起こされるいままさに、零れ落ちていく。欠けていくばかりの記憶の中で、それらをこれからどんなふうに束ねて生きていけばいいのか。記憶がその場限りのものになっていくと、芯の通った生き方も何もあったものではないのではないか。 「ふたりの人間のあいだには、たとえどんなに密接に結ばれていても、いつも深淵が口を開いていること、それを越えうるのは愛だけで、その愛もたえず急場しのぎの橋をかけることによってかろうじてそれを越えうるのだということ」(p76) せめてこのことは肝に銘じておく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あるがままに生きること、自分の人生を生きることを考えることができる本だった。 といっても、デミアンほど哲学書めいてはなくて、 淡々と暖かく、綺麗に書かれたクヌルプの生涯を通じて読者に疑問を残してゆくタイプの本。 ヘッセ文章の柔らかさをひしひしと感じた。 思わず宝箱に入れたくなるような一冊。
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