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クヌルプ 新潮文庫
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クヌルプ 新潮文庫

ヘルマン・ヘッセ(著者), 高橋健二(訳者)

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クヌルプ 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2013/04/01
JAN 9784102001059

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商品レビュー

3.8

34件のお客様レビュー

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2026/05/12
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※このレビューにはネタバレを含みます

クヌルプは人に優しい。誰とでも自然に親しくなり、周囲の人々も彼に好意を抱く。しかし彼自身は、誰かと深く結びつこうとはしない。友情や恋愛が本当に近いものになりそうになると、去ってしまう。彼は美しい繋がりが壊れてしまうことを極端に恐れているのではないかと思った。美しい恋も友情も永遠ではないなら、美しかった場面だけを記憶しておきたい。人との関係で倦怠感や義務感やすれ違いで失望したくない。クヌルプの話し方や考え方は本当に優しいが、その優しさが人との深い関わりを拒否していたのが悲しい。

Posted by ブクログ

2026/01/09

〝最期〟で神と対話するクヌルプ。 我が人生の数々の不完全さを嘆くも、彼の存在そのものが神の御心のままに生きて死んでいくことなのだと啓示を受ける。 読後は非常に清らかな気分になる。

Posted by ブクログ

2025/12/31

20世紀ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の小説。1915年。 ⬜︎ 主人公クヌルプが昔の友人知人から尋ねられたように、私も「かつてのあなたがなぜいまは」と不躾な糾問に答えを濁して振り払ったことが何度もある。もちろんクヌルプのように落魄するほど振り切った生き方...

20世紀ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の小説。1915年。 ⬜︎ 主人公クヌルプが昔の友人知人から尋ねられたように、私も「かつてのあなたがなぜいまは」と不躾な糾問に答えを濁して振り払ったことが何度もある。もちろんクヌルプのように落魄するほど振り切った生き方ができるわけもなく、傍から見れば私の生活もそこそこの形にはなっているのかもしれないが、それでも「ここは本当に自分の場所だろうか」「自分にはどこか別の場所があるのではないか」という「ここではない」不全感にずっと憑きまとわれて今日まで来ている。そしてそれを、臆病さだとか完璧主義だとか不寛容だとか、自分のパーソナリティに帰責させてしまっている。クヌルプは出会った人々に彼への親愛の感情を惹き起こしたが、クヌルプの「神」に代わって、何によって、いかにして、私は肯定されるのか。そもそも、何かによって肯定されなければならないのか。いまは否定されているのか。なぜ? 何によって? 「神」は「あるがままのおまえ」(p151)と言うが、無際限の自問自答の中でそんな核のようなものは残りそうにないし、「神」もいない。「神」がいない以上、自分で自分を肯定するしかないのだろうが、そもそもそれは一体どういうことなのか。生の肯定とはなんだろうか。生の否定とはなんだろうか。 ⬜︎ 「神さまの声はだんだんかすかになり、あるときは母の声のように、あるときはヘンリエッテの声のように、あるときはリーザベトのやさしいおだやかな声のようにひびいた。」(p153) この一節に触れて、自分の臆病さがこれまで犯してきた過ち、傷つけてきた人たちのことが、その人たちが示した悲しさや嬉しさが、日々の怠惰ゆえに眼を逸らしてきたせいでもうそのほとんどが朧な記憶でしかない顔たちが、呼び起こされてくる。そして呼び起こされるいままさに、零れ落ちていく。欠けていくばかりの記憶の中で、それらをこれからどんなふうに束ねて生きていけばいいのか。記憶がその場限りのものになっていくと、芯の通った生き方も何もあったものではないのではないか。 「ふたりの人間のあいだには、たとえどんなに密接に結ばれていても、いつも深淵が口を開いていること、それを越えうるのは愛だけで、その愛もたえず急場しのぎの橋をかけることによってかろうじてそれを越えうるのだということ」(p76) せめてこのことは肝に銘じておく。

Posted by ブクログ

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