百年の孤独

ガブリエル・ガルシア・マルケス(著者), 鼓直(訳者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/新潮社
• 発売年月日: 2006/12/21
• JAN: 9784105090111

商品レビュー

2025/10/08

最初は中々入り込めず、何度か挫折しそうになるのだが、な何故か妙に酔い続けられる。
そしていつしかテンポ良く読み進められ、物語の世界に引き込まれていく不思議な読書体験でした。
でももっと理解するには少なくともあと１、２回読み直さないといけないかも。
しかしながら再読となるとボリューム的に正直腰が重くなるんだけど。

2025/09/14

なんという物語だろう。

ブエンディア家一族の盛衰がマコンドという町の生成から消滅ととともに、すごい勢いで走り去っていくようだ。
そのあまりのスピードに、本の初めに描かれているブエンディア家の家系図を頼りに、
いま果たして自分がどこに位置しているのかを何度も確かめなければいけないほどだ。
5世代ほどの流れの中で、その時の流れと、祖父や曾祖父と似たりよったりの名前や性格で、
自分の頭まで混乱してくるが、ハッとその人物の幼少の頃や出生の秘密、マコンドがまだジプシーたちの来訪で
賑わっていた頃を思い出したりして、一冊の物語の中で懐かしさまで感じる。

それぞれが忘れ難い登場人物であるが、やはり一族の創始者ともいえるホセ・アルカディオの妻、ウルスラは筆頭にあげられる。
物語の初めのころは、それほど大きくない存在感だが、次々と死んでいく男たちに対してウルスラは一体何歳まで生きたのかわからないほど（百歳はとうに超えている）で、そのことが時間の流れを余計に混乱させているが、次々と世代が変わっていく中にあって、それは変わらない支柱のような存在だ。

この物語では、マコンドの町が戦争や商業によって様変わりしていく姿や、ブエンディア家の屋敷がその住人とともに栄え、衰退し、はたまた奇跡的に復活して、また荒廃していく様子が印象的であるが、その中で多々生まれる色恋沙汰がある。
私にとって印象的なのは、アマランタだ。一人の男をめぐってレベーカを激しく憎む時も、やっと恋が報われたと思ったら、なぜかそれを享受せず、相手の男を自殺させてしまう。その後も彼女の愛情がどこに向かっているのかとても不可解なのだ。
また、とても幼い少女の時に嫁いできた美少女のレメディオスがあっけなく死んでしまった時は悲しかった。
その後、レメディオスと名付けられた少女も不思議な魅力をもっていた。

男性陣は、と言えば、風変わりなものばかりで、孤独で引きこもりがちで、何かに熱中して時を過ごすタイプか、
どんちゃん騒ぎの派手なタイプのどちらかで、確かにその血筋が流れていることがわかる。
何世代にもわたっているはずだが、また同じところに戻っているようなそんな錯覚さえもたせる。
ウルスラの言葉を借りれば、「時は少しも流れず、ただ堂々めぐりをしているだけ」なのだ。

そして、最後、メルキアデスの羊皮紙にそんなことが書かれていたなんて。
予想も期待もしていなかっただけに、まさかの結末。

ハードカバーで450ページ以上にも及ぶ物語は、私の頭の中で整理されることもなく終わりを迎えたが、それで良かったのだと思う。これは論理だてて理解して読む物語ではなく、そのまま、読むものだと思う。

ウルスラが戦争に明け暮れている息子に言ったときに、母親とはこういうものだ、と印象深かった言葉もどこに書かれていたか、読み終えた今となっては見つけられない。
また読み返す時が来たら、その言葉を追記したい。

2025/07/22

マコンドという村を作った一族と、マコンドの隆盛と、衰退の壮大な話だった。時に多少のファンタジー要素も入れつつ、読み応えあったが、僕には少し難しかった。