商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/12/21 |
JAN | 9784105090111 |
- 書籍
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百年の孤独
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百年の孤独
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商品レビュー
4.2
266件のお客様レビュー
『あの本、読みました?』での紹介されていた本。中上健次が影響された本なので、どんだけ読みにくい本なのかとかなり構えていたせいか、意外と読みやすいやん、と思いました。番組で言われていたとおりお笑い要素をそのまま笑い、「え?」と思った不思議なことも、そうなんだなぁと、そのまま受け止め...
『あの本、読みました?』での紹介されていた本。中上健次が影響された本なので、どんだけ読みにくい本なのかとかなり構えていたせいか、意外と読みやすいやん、と思いました。番組で言われていたとおりお笑い要素をそのまま笑い、「え?」と思った不思議なことも、そうなんだなぁと、そのまま受け止め、最後まで読み切りました。 胡散臭いロマ(本文ではジプシー)・メルキアデスがもってくる品物に飛びつき、騙される父。忍耐強い母、戦いに明け暮れる息子、業の強い娘、などなどクセのある登場人物たち。 膨大な登場人物。しかも名前が似ている。新しく出た登場人物はノートに誰と誰の子かなど特徴と、何ページ目で初出して、何ページ目で亡くなったか、ひたすら登場した順で書いていきました。これがだんだん面白くなるのが不思議です。 最後の章は、この本の答え合わせのような言葉が散りばめられていて、ああ、これだったんだなぁ、と感動。物語が終わると同時に町と一族の終わりがやってきて、自然の摂理であるべき姿にもどったような、過去が忘れられていいような、清々しさを逆に感じました。 メルキアデスって、結局なんだったんだろう。…わからなくていいんです。わからないからこの本はおもしろいんです。 『なんかわからんけど感動した』 私の感想はいつもこれだけれど、なんだかわからないけれど、感動しました。
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面白かった。 最終章。一族の行く末を見届けて本を閉じると、じわ~と感動に包まれた。 世界文学を味わった。
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- ネタバレ
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読んでいる途中だが色々と思うことがあるので覚書として感想を随時書いていこうと思う。 そして、無事2週間で読み終えた。あるいは、2週間“も”読了にかかった。 以下は読んでいる途中の感想も含まれるが、読了直後の素直な感想を最初に吐露しておこう。 「ふむ。わからん!」 まずは登場人物の名前だが、まぁ覚えにくい。じっくり読んだら忘れてしまいそうなのである程度の勢いが必要。家系図は必須。場面転換後に出てきた君、一体どこの誰だい? というか、何代目だい? となるのは日常茶飯事。 前提知識なしで読み始めたのだが、途中で「マジックリアリズム」という概念を初めて認識し納得した。なるほど確かにこれはマジックリアリズムだ。私は基本ミステリーを読むのでそれほど親しみはないが「夜は短し歩けよ乙女」もマジックリアリズムの技法を取り入れていたと言う。日本のホラーもどちらかといえばマジックリアリズムに近いような。 なるほどなるほど、しかしそれとはまた雰囲気が異なる本作である。どちらかと言うと、受ける印象は、全体的に不気味さと奇怪さ、刹那的な享楽と先に見える破滅の暗示であり、それらを滲ませながら物語は進む。やはり連想するのは日本文学ではなく、映画「イージー・ライダー」だ。あれもまた、刹那的な享楽と破滅を感じさせる作品だった。 きっと本作は、ラテンアメリカの風土、文化、そう言ったものをよく理解していたらより面白いのだろう。 同じ名前が多いのも、欧米やラテンアメリカでは一般的なイメージがある。セグンドという名前があるが、これはフランス語で secondすなわち「2番目」なのでおそらく「2世」と言ったところだろう。 そして、どうしても思考は科学に寄る。 土や家の壁を好んで食べると言うのは生まれや後天的なストレスもあるのだろうが、鉄分やミネラル分が不足しているのかなぁ、とか。異食症という診断が今なら降りるのかな。 おそらく舞台は南米内陸で、流通の拠点となる街からも遠く、村もできたばかりとなると、食料は限られ栄養価は低いだろう。 種々の奇病も栄養失調や感染症、風土病が原因の可能性はある。 アメリカの文明がスペイン人の持ち込んだ病原菌で滅んだことは知られていると思うが、前人未到の地に住みつけば、そこに未知の病原体が存在し免疫機構がうまく働かないことがあってもおかしくはない。 栄養失調も重なり神経系や代謝系に異常が生じれば認知症様症状も出たりするのではなかろうか。 また閉鎖的な環境で慢性的な精神的ストレスや身体的ストレスがかかれば同じ結果に至るやもしれない。 いずれにせよ、本作は淡々と事実だけを羅列しひたすら一族の歴史を書き連ねているだけなので、ある意味全ては読者の知識と読解力と想像力に掛かっているように思える。 そして読み終えた今、一族の歴史はウルスラと共に生まれウルスラと共に潰えたのではないかと思った。 もはや、ウルスラが居なければマコンドはとうてい、人が暮らせる場所ではなかったとさえ言えるのではないか。 どうにか読了したものの、私個人としては「一度読むことは勧めるが、個人的には可もなく不可もなし」と結論づける。 好きか嫌いかと問われたら答えに窮するが、一度は読んでおいて良かったかな、というものである。 印象深かった箇所を以下に引用する。 「悪いけど、ママ」と、ウルスラの頼みを聞いて、彼はすまなさそうな顔で言った。「この戦争で何もかも忘れてしまって」ーp211 「約束できるね、アウレリャノ?」と、ウルスラは言った。「向こうで何かおもしろくないことがあったら、母親のわたしを思いだすんだよ」ーp213 作者のガルシア=マルケスは、一族最後の二人、アウレリャノ・バビロニアとアマランタ・ウルスラの間に初めて愛があったと書いていたが、それまでの夫婦や親子にも愛はあっただろう。ただ、その愛には常に、"孤独"が付き纏っていた。 私にはむしろ、アウレリャノ・バビロニアとアマランタ・ウルスラの間には初めて、閉ざされた最後の楽園のような世界で、"孤独を伴わない"愛が生まれ、人智を超えた幸福が一瞬にして消えたのだとしか思えなかった。
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